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ゴウキ・ファミリー

衝撃者の正体

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「そ、そうだ・・・あんたが俺達の生活を奪ったんだ!」


「あなたさえいなければ!」


「そうだそうだ!お前さえいなければ俺達は路頭に迷わずに済んだんだ!」


これまでずっとゴウキに気圧されていた襲撃者たちが、一斉に声を上げ出した。
まさかの急展開と、そして襲撃者たちの訴えてきている内容のせいで、ゴウキはすっかり逆に気圧されていた。


「え?え?俺が・・・お前達を・・・?」


生活を奪った?路頭に迷わせた?
そんな大それたこそ、一体いつやってしまったのだろう?

ゴウキは混乱し、すっかり意気消沈してしまった。
ゴウキの心に反映してか、体に纏っていた炎はすっかり鎮火している。


「ちょっと待ってくれ。俺はお前たちのことを知らないぞ。一体俺が何をしたってんだ?」


ゴウキは襲撃者たちの顔をそれぞれしっかり見るが、特に覚えのある人間はいなかった。


「何をしただと?自分のしたことがわかってねぇのかよ!」


さっきまで震えていたはずの男が、及び腰になっているゴウキを見たせいか態度を強気にしてゴウキに迫った。
ゴウキはゴウキで自分の知らぬ間に大変なことをしてしまったのではないかと思い、完全にパニックになっていた。心当たりはないはずだが、それでも間接的に恨みを買うようなことはやったようなやってないような・・・?などと頭の中でぐるぐる考え続け、すっかり呆けた顔になっている。


「お前が俺らのボスを・・・アンドレさんを捕まえちまうから、俺達の食い扶持が無くなったんじゃねぇか!」


「・・・あ?」


アンドレ?誰だっけ?
ゴウキは一瞬だけ考えたが、すぐに思い出した。
セントラルギルドの職員でありながら、ギルドの情報を利用して裏で冒険者達の違法行為を教唆し、利益を得ていた汚職職員のことだと。


「貴方がアンドレさんを逮捕させちゃうから、私達はこれからどうやってこの王都で暮らしていけば良いのかわからないのよ!」


魔法使いらしき女が叫ぶ。
必死の訴えだが、その声はゴウキの耳に留まることなくすり抜けていた。


(こいつら・・・もしかして半端者ども・・・半グレの一部か?)


「じゃあ、別に俺は悪くねぇじゃん」


襲撃者の正体がわかり、ゴウキは大きく溜め息をついた。


「おい、俺らのこと恨みをどうやって」「滅殺ッ!!」


先ほどから調子に乗っていた男の言葉は、そのまま言い切られることはなかった。
ゴウキの拳から振り下ろされたことによって、頭から地面にめり込まされてしまったからである。


「てめら揃いも揃って半端者の中の半端者かよ。一列に並べ。教育してやるわ」


拳を『バキリボキリ』と派手に鳴らすゴウキの剣幕に、襲撃者たちは一気にトーンダウンして、そのまま彼の言うがままにされるようになっていた。
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