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ゴウキ・ファミリー

俺のキャラじゃねえ

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「実は申し上げておりませんでしたが、私は・・・というより私の商会は代々王家と繋がりを持っておりまして」


贅を凝らした宮殿内を進み歩きながら、ムハンはゴウキ達に種明かしをした。
突然の好待遇、そして超絶速やかなる国王への謁見。それらの理由がわかったことで、ゴウキは大きく安堵のため息をつく。


「そんな話だったら先に・・・ってわけにもいかねぇのか」


「えぇ。こうした立場ですと、様々な悪意を向けられることも多いですからね」


王家とパイプがあると知ると、途端に態度を変えたり、ひどいときには犯罪に巻き込まれたりもするだろう。出会ったばかりで付き合いの浅いゴウキに、安全ではない場所で自分の特異なコネクションについて正直に口にしないのは、当然といえば当然のリスク管理と言えた。


「ちなみに黄金の器に関しては、レジプス王家に買い取っていただくことになりました」


「・・・だろうな」


ムハンとレジプス王家で繋がりがあるのなら、そうするのは当然だろうなと考える。金払いの話もそうだが、恩を売ることで金以上の様々な恩恵を得ることができる。ムハンという男は本当に強かで便りになる商人だなとゴウキは思った。
敵にすれば面倒くさいが、懇意にしておいて損はない存在である。そういう意味ではレジプスに出向いたばかりでいきなりこうした人間とパイプを結ぶことが出来たのは、実に僥倖だったとゴウキはしみじみ思うのだった。
だが、次のムハンの言葉により、ゴウキは顎が外れそうになるほど驚くことになる。


「黄金の器を取り戻せたことに国王陛下は大変お悦びです。陛下はゴウキ様方を主賓としたパーティーを開かれるお心つもりのようです」


「・・・は?」


いや突然なんでそんなことになるんだよ?俺のキャラじゃねぇよ!とゴウキは抗議の声を上げそうになった。


「へー、まぁ話が早くていいじゃん」


しかしスミレがそう言ったことで、ゴウキは口を開きそうになったのを閉ざした。


「スライムジェルで交易をするにしても、王家からの覚えが良いとそうでないのとでは条件とかも大きく変わってきそうですからねー。仲良くなれる機会を向こうが作ってくれるなら、これ以上ないくらいの話ではないでしょうか?」


リノアがさらに続けることで、ゴウキは完全に抗議をする気を削がれた。


「俺は・・・壁で置物になっていたい・・・だが、今後のことを考えると・・・っぷ」


デニスは体を震わせながら、顔面を蒼白させ吐き気と格闘していた。
それらを見ていると「俺のキャラじゃない」などというふざけた理由でパーティー開催を拒否することなど、ゴウキにはとても出来るはずもなかった。
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