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ゴウキ・ファミリー

悪魔憑き

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「あ、アンタ・・・何しようとしてるかわからねーが、無駄なんだよ。今のパフちゃんは何をやっても死なない、殺せないんだよ」


ゴウキがなにやら行動を開始しようとしているのを見て、ハンマが叫んだ。


「俺達だって最初は狂暴化したパフちゃんを泣く泣く始末しようとしたんだ。だが、何をやっても、何度殺しても、パフちゃんは復活して殺せなかったんだ。だから命からがら檻に何とか閉じ込めていたんだ!」


「そうかよ」


ゴウキはハンマの言葉を聞いているのかいないのかといった様子だ。


「再生しないまで徹底的に焼き尽くすのはどうですか?私の魔法で」


リノアが提案した。


「ま、そりゃ最終手段だな」


それでもゴウキは応としなかった。


(最終手段で出来るのか・・・)


ハンマは唖然としていたが、やがてゴウキがパフちゃんこと大蛇を掴みだしたのを見て、何をするつもりかと首を傾げた。
次の瞬間


バリィィ


ゴウキはサンドワームにやったように、素手で大蛇の体を裂き始めた。大量の血が飛び、辺りを真っ赤に染める。


「アイエエエエエエ!?」


ハンマ達盗賊団は驚愕の声を上げる。


(ワームちゃんを素手でバラバラに引き裂いたと言っていたが、まさか本当にやるとは・・・!)


配下の報告を思い出し、ハンマは顔を青くする。


「デニス。蛇が再生しないように、適度に斬っててくれないか」


「・・・わかった」


ゴウキは蛇を力づくで分解しながら、デニスに何でもないことのように願い事をする。
デニスはゴウキの言うようにちょこちょこ再生しようとする蛇を体をこまめに斬りだした。


「い、一体何を・・・」


無表情に淡々と作業するかのようにしているゴウキ達に唖然としながら、ハンマはそう訊ねていた。


「あぁ、さっき頭を潰しても復活しただろ?普通の生き物ならそれはあり得ねえ。だから・・・よっ!こいつはもう生き物じゃねぇの・・・さっ!だから、それなりきのやり方をするまでなの・・・よっ!以前同じようなタイプの魔物と戦ったことがあるんで・・・なっ!」


話ながらも淡々と蛇をさくさくバラバラにしていくゴウキの姿を見て、ハンマ達は吐き気をもよおしそうになっていた。
不死身になったパフちゃんも化け物ではあるが、彼らにしてみれば血まみれの状態で素手で巨体の魔物の解体を始める今のゴウキのほうが、よっぽど恐ろしい化け物に見えていた。


「こいつは今何かに憑かれてるんだろうな。だから、体のどこかにあるだろうそいつさえ見つければ終わりさ」


ゴウキの言葉もあまり頭に入らないハンマ達。
悪魔に憑かれているのはアンタだろ?と言いたくても言えない彼らであった。
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