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ゴウキ・ファミリー

活路を見出す

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「・・・スライムジェルか、スライムジェル・・・ねぇ」


ゴウキ達は一旦ランバニア邸から戻り、一旦解散した。ゴウキはフォースギルドに行き、書類と苦闘していたセシルに養殖スライムジェルの販路について相談を持ち掛けた。
いきなり答えが出てくるとは期待していなかったが、まずは当たれるところから当たる必要があると考えてのことだ。
しかし・・・

「買い手があるっちゃあるぞ」


予想だにしない早さでいきなり問題が解決した!
とゴウキは破顔した。


「ここから西にある、レジプスって国を知ってるか?」


「レジプス・・・?」


セシルの問いに、ゴウキは記憶を探り出す。若干の間を置いて、すぐにそれは思い当たった。
西にある、砂漠の中にある国の名前であったことを思い出した。


「砂漠の国、だっけか。確か金だけはそこそこ持っているっていう」


「あぁ、そうだ。世間一般的なイメージとしてはな」


レジプスは領土は広いがバルジ王国とは比較にならないほどの弱小国であり、冒険者でもあまり知る者はいない。特に特産があるわけでもなく、抜きん出た軍事力があるわけでもない、そんな国だった。


「レジプス周辺は砂漠だから湿気がないと生きられないスライムが出現しない。だからスライムジェルの現地調達は不可能で、回復アイテムなんかもどうしても入手は他国からの輸入に頼らないといけない。レジプスの領土は行商の通り道にあるから通行税でそこそこ金はあるが、他国から必需品を言い値で買わなきゃいけないから結局そこまで潤っていないって話だ」


「そこに・・・スライムジェルを売り込むのか?」


「あぁ。セントラルギルドもレジプスにジェルを売っているが、王都で余った分を高値ふっかけて売っている感じだな。他からの輸入もそんな感じで、慢性的にスライムジェルが不足しているみたいではあるな。一応回復アイテム生成技術者はいるから、せめてある程度の数のアイテムは自国で生産するようにして節約に努めているみたいだが、そんなレジプスからしてみればスライムジェルは喉から手が出るほど欲しいところだろう」


スライムジェルは回復アイテムなどの原料になるため必需品だ。そのために無暗に他国に輸出されないよう、輸出量を国が法でギルドに規制をかけているのが常識だった。高値で売れる分、セントラルとしてもレジプスでジェルを売りさばきたいところだが、法が邪魔をしている状況である。


「そんなレジプスだからこそスライムジェルが売れるのか。行けるぞ・・・!これなら・・・」


ゴウキは興奮でグッと拳を握り締める。だが、そんなゴウキにセシルが水を差した。


「ちょい待ち。事はそんなに簡単じゃねーんだよ」


と。
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