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ゴウキ・ファミリー
有名税を支払うゴウキ
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王都の第4区の河川敷。
かつてゴウキがドレークと戦ったこの場所では、今、再びゴウキとある男が向かい合っていた。
決闘ーーである。
「良く来たネ、ゴウキ。お前のインチキ伝説も今日デ終わりアルネ。ワタシが化けの皮を剥がした後に、お前ノ今ある名声をソノママ頂くアルヨ。死ぬアルヨロシ」
遠い東にあるシーナという国から来た男は、ゴウキの前でそう言ってからビシッと戦いの構えを見せた。
徒手空拳で戦うスタイル・・・ゴウキと同じであった。
「・・・いつでもどうぞ」
ゴウキは拳を握り締めて仁王立ちしているだけで、特に構えを見せない。そんなゴウキの様子を見て、シーナ国人は激昂した。
「アチョァーーー!何を気取っているねーっ!シーナ国拳法回転鳥脚!この蹴りをくらってあの世まで飛んでいくねーっ!」
一瞬のうちにそこまで喋りきると、シーナ国人は逆さまになって高速回転しながらゴウキに回転蹴りをお見舞いしようと突っ込んでいく。
だが・・・
「滅殺ッ!!」
バキャッ!!
正面からゴウキは大振りのパンチで以てそれを迎え撃ち、シーナ国人の男は一撃で叩き落され、地面に上半身を突っ込ませた。
死~~~ん
唯一地上に生えた足はぴくりとも動かず、完全に意識を失っていることがわかる。
完膚なきまでにゴウキの圧倒であった。
「決着!勝者、ゴウキ!」
決闘の審判をしていたフォースギルドのマスター、セシルが右手をピッと上に挙げてそう叫んだ。
瞬間、ワァッと見物人達から怒声が巻き起こる。
「大穴賭けてたのによぉ!」
「全くだ。一撃でも入れられれば俺の勝ちっていう賭けだったのに、それすら負けやがった!」
「あの負けたシーナ国野郎、後で俺達でぶっ殺してやろうぜ!」
「おぉそうだそうだ!負け分だけぶん殴ってやるぜ」
一部の見物人が殺気立つ。
哀れシーナ国人は、負けただけでなくその後に袋叩きにされるのが確定していた。
「いやぁ、お疲れ様だなゴウキ」
セシルはゴウキの肩に手を置いて労った。
「やれやれ。最近、あんなのばっかりだな」
「あぁ言っておくが、まだ後にもいくつか控えてるぞ」
「・・・マジかよ」
ゴウキはセシルの言葉を聞いてげんなりする。
この決闘は、フォースギルドに出された正式な依頼の一つだ。世の中いろいろな人間がいるもので、個人から個人への決闘に関し、冒険者ギルドを通して決闘状を送るということが稀にあった。
ギルドとしては決闘の仲介をやることで仲介料が手に入る。依頼人としては、ギルドを通すことで決闘そのものが人々に知り渡り安くなり、相手が決闘から逃げる可能性が減る上に、勝てばその結果を喧伝できるというメリットがある。
一方で決闘を申し込まれる側としてはメリットはほとんどない。ゴウキはここ数日、何度かこうして申し込まれる決闘に対してうんざりしていた。
ロッキーコングを素手で制して以来、同じように素手での戦いを信条とする冒険者や格闘家からの決闘の申し込みが後を絶たないのであった。
「どんどんお前さんの名前が有名になっていくぜ」
セシルが悪戯っぽい笑みを浮かべて言った。
「俺はそういうのは別に良いんだが・・・」
名を売ることには興味がない。だが、決闘を避けることでパーティーメンバーにまで臆病者と誹りを受けることは我慢がならなかった。だから否応なしにゴウキは決闘を受け、そして敵を撃破していく。
ゴウキの噂は冒険者間でどんどん有名になっていった。
かつてゴウキがドレークと戦ったこの場所では、今、再びゴウキとある男が向かい合っていた。
決闘ーーである。
「良く来たネ、ゴウキ。お前のインチキ伝説も今日デ終わりアルネ。ワタシが化けの皮を剥がした後に、お前ノ今ある名声をソノママ頂くアルヨ。死ぬアルヨロシ」
遠い東にあるシーナという国から来た男は、ゴウキの前でそう言ってからビシッと戦いの構えを見せた。
徒手空拳で戦うスタイル・・・ゴウキと同じであった。
「・・・いつでもどうぞ」
ゴウキは拳を握り締めて仁王立ちしているだけで、特に構えを見せない。そんなゴウキの様子を見て、シーナ国人は激昂した。
「アチョァーーー!何を気取っているねーっ!シーナ国拳法回転鳥脚!この蹴りをくらってあの世まで飛んでいくねーっ!」
一瞬のうちにそこまで喋りきると、シーナ国人は逆さまになって高速回転しながらゴウキに回転蹴りをお見舞いしようと突っ込んでいく。
だが・・・
「滅殺ッ!!」
バキャッ!!
正面からゴウキは大振りのパンチで以てそれを迎え撃ち、シーナ国人の男は一撃で叩き落され、地面に上半身を突っ込ませた。
死~~~ん
唯一地上に生えた足はぴくりとも動かず、完全に意識を失っていることがわかる。
完膚なきまでにゴウキの圧倒であった。
「決着!勝者、ゴウキ!」
決闘の審判をしていたフォースギルドのマスター、セシルが右手をピッと上に挙げてそう叫んだ。
瞬間、ワァッと見物人達から怒声が巻き起こる。
「大穴賭けてたのによぉ!」
「全くだ。一撃でも入れられれば俺の勝ちっていう賭けだったのに、それすら負けやがった!」
「あの負けたシーナ国野郎、後で俺達でぶっ殺してやろうぜ!」
「おぉそうだそうだ!負け分だけぶん殴ってやるぜ」
一部の見物人が殺気立つ。
哀れシーナ国人は、負けただけでなくその後に袋叩きにされるのが確定していた。
「いやぁ、お疲れ様だなゴウキ」
セシルはゴウキの肩に手を置いて労った。
「やれやれ。最近、あんなのばっかりだな」
「あぁ言っておくが、まだ後にもいくつか控えてるぞ」
「・・・マジかよ」
ゴウキはセシルの言葉を聞いてげんなりする。
この決闘は、フォースギルドに出された正式な依頼の一つだ。世の中いろいろな人間がいるもので、個人から個人への決闘に関し、冒険者ギルドを通して決闘状を送るということが稀にあった。
ギルドとしては決闘の仲介をやることで仲介料が手に入る。依頼人としては、ギルドを通すことで決闘そのものが人々に知り渡り安くなり、相手が決闘から逃げる可能性が減る上に、勝てばその結果を喧伝できるというメリットがある。
一方で決闘を申し込まれる側としてはメリットはほとんどない。ゴウキはここ数日、何度かこうして申し込まれる決闘に対してうんざりしていた。
ロッキーコングを素手で制して以来、同じように素手での戦いを信条とする冒険者や格闘家からの決闘の申し込みが後を絶たないのであった。
「どんどんお前さんの名前が有名になっていくぜ」
セシルが悪戯っぽい笑みを浮かべて言った。
「俺はそういうのは別に良いんだが・・・」
名を売ることには興味がない。だが、決闘を避けることでパーティーメンバーにまで臆病者と誹りを受けることは我慢がならなかった。だから否応なしにゴウキは決闘を受け、そして敵を撃破していく。
ゴウキの噂は冒険者間でどんどん有名になっていった。
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