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ゴウキ・ファミリー

スマイル0ベリカ  その1

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セントラルギルドに愛想をつかしていた冒険者達は、冷やかし程度でフォースギルドを覗いていることにした。
これまで聞いたことも見たこともない冒険者ギルドなんて大丈夫か?などと心配しながら彼らはフォースギルドの扉を開く。


「いらっしゃいませ!」


明るく元気に笑顔で挨拶をするノーラを見て、冒険者達はドキッとした。
冒険者ギルドに入ってこうも明るい笑顔で応対されることは経験が無かったからだ。
ちなみに彼らはノーラがセントラルギルドにいたときは、たまたま彼女と面識はなかったのでこれが初対面だ。


「ご新規様ですね。本日はご登録ですか?」


「いや・・・ちょっとクエストボードだけ見させてもらいたいだけだったんだが・・・」


「はい!どうぞご覧ください。もし気になることがありましたら、お気軽にお声がけいただければ」


ニコニコと気持ちの良い笑顔でそう言ってくれるノーラに冒険者達はホッとした。
なんだかんだ強引に冒険者登録でもさせられるかと思ったが、そんなことにならなくて良かったと。セントラルギルドに愛想はつかしているが、まだ仕事はそこから受けてやるつもりだった。フォースギルドがどんなところかの様子見で来たが、どうせセントラルほどの仕事量は望めない。だからここで仕事を請け負うことはないだろうなと考えていた。
登録するだけして依頼をこなさないという、愛想よく笑う受付嬢ノーラを落胆させるようなことはやりたくなかったのだ。それなら最初から登録なんてしないほうがいい。


「・・・うぅむ」


冒険者達はクエストボードを見て小さく唸り声を上げる。
貼り付けてある依頼書は、雑用と呼べるものが半分。それからもう半分は、雑魚と呼ぶ他ない弱い魔物の討伐依頼ばかりであった。当然、報酬もそれに倣ったものになっている。


「まぁ・・・こんなものか」


セントラルギルドに貼り付けてあるそれとは比べ物にならないくらい安っぽい依頼内容に、冒険者達は溜め息をついた。
内容で考えれば相場通りの適性の報酬額でそこは好感が持てるが、いかんせん自分達が受けるには安すぎる依頼内容に落胆せざるを得ない。


「デビルマタンゴの討伐だってよ・・・こんなん俺が初心者のとき以来だぜ」


「流石にこの歳になってこんな依頼受けてたら、いい笑いものだわな」


「まぁ、小規模ギルドとなるとこんなもんだよな」


報酬額のレートが低くて職員の態度が悪くて査定額が渋くても、これならまだセントラルギルドのほうが稼げるだろう。やはりセントラルに代わるギルドなんてそうそうないわな、と冒険者達は帰ろうかと思った。
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