『濁』なる俺は『清』なる幼馴染と決別する

はにわ

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ゴウキ・ファミリー

ドミンゴが見た伝説 その2

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「はっ!そういえば他の人はっ!?」


ドミンゴはデニスから目を離し、スミレとリノアの方へ向き直った。
リノアは特に何かをしている風ではなくただ立っているだけだったが、スミレはクリスタルウルフの群れの真ん中にいた。


「あ、危ない!」


群れの真ん中で縦横無尽に動き回るスミレは、何度もクリスタルウルフに攻撃を受けそうになるが、そのどれもギリギリのところで躱している。倒すために突っ込んだはいいが、数が多い上に素早いクリスタルウルフに翻弄され、満足に身動きが取れないのだろうかとドミンゴは推察する。


「か、彼女を助けないと!」


ドミンゴは近くにいるリノアにそう話しかけるが、リノアは何やら一人で考え事をしているようでブツブツと呟いているだけだった。
な、なんだこの人!?こんなことしている場合か??

ドミンゴは呆れて視線を再びスミレの方へ戻す。

・・・と


「・・・あれ?」


先ほどまでクリスタルウルフの群れの中にいたはずのスミレの姿が、いつの間にか目の前にあった。


「は?え?」


瞬間移動?と思えるほどの高速移動にドミンゴは何度か目をこすって見てみるも、目の前にスミレがいる現実は変わらない。


「クリスタルウルフは!?」


スミレに襲い掛かっていたクリスタルウルフ達はどうなった?こちらに向かっているのか?と気になってそちらのほうへ目を向けると・・・不思議なことになっていた。



「・・・一体何が・・・」


十数体いたクリスタルウルフは各々が独自のポーズの取りながら静止していた。さっきまで動いていたところを見ていなければ、彫像か何かだと思っていたことだろう。


「クリスタルウルフは一体どうしたんですか!?」


スミレが何かをやったのだ!ドミンゴは直感でそう確信すると、スミレに問う。


「あぁ、ちょっと糸を巡らしてきて動きを止めてきた」


何でもない事のようにそう言ってのけるスミレに、ドミンゴは開いた口が塞がらない。


「・・・は?え?糸・・・?」


何を言っているのかはわからないが、ドミンゴは先ほどスミレが群れの中にいたのはあえてそうしていたわけで、そこで何かをやったことでクリスタルウルフ達の群れの動きが止まったことだけは察した。


ドミンゴはスミレのことを「得体の知れない恐ろしさを持つニンジャ」と記憶した。
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