『濁』なる俺は『清』なる幼馴染と決別する

はにわ

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ゴウキ・ファミリー

再・クリスタルダンジョン

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「一体何がどうしたってんだ・・・」


ゴウキ・ファミリーは船旅を終え、クリスタルダンジョンのある島へと到達していた。
ゴウキはいてもたってもいられずすぐにでも依頼を受けこの島への渡航を望み、スミレ達仲間もその意を汲んで異例の速さで依頼の請負から移動までをこなして見せた。


「おや、今度はまた別の冒険者さんかね」


数少ない現地民である老人がゴウキの姿を見かけてやってきた。


「以前も勇者パーティーだとかいうふんぞり返った神官の小僧が勇んで入って行ったが、結局毎回ボロボロになって帰ってきたよ」


思い出しながら老人は笑ってそう言った。
ふんぞり返った神官・・・リフトのことだろうかとゴウキは失礼ながら連想する。リフトは王都では自分を良く見せようと体裁を取り繕うが、辺境など自分の評価にさほど影響されないところに行くと途端に地を出す所があった。


「ここのダンジョンの魔物が以前と変わったとか、強くなったとか、そういう話は上がってねぇのか?」


クリスタルダンジョンはかつてゴウキがまだ勇者パーティーに在籍していた時に攻略したことのあるはずのダンジョンだった。それも、今となってはそれほど難度の高くないレベルであるはずだった。だから何事もないのであれば、まずクレア達が依頼に失敗するはずはなかったはずだとゴウキは考えている。


「いや、特にそういう話は聞いておらんな」


老人は首を傾げてそう答える。


「何しろ、行って確かめるしかねぇってことか」


ゴウキは拳をボキボキと鳴らして、ダンジョンの入口を正面から見つめる。久々に入るクリスタルダンジョン・・・現地民でも知らない何かが変化しているのかもしれない。ゴウキは神妙な顔つきになってゴクリを唾を飲む。


「んじゃ、そろそろ入ろーぜ」


「久しぶりのダンジョンアタックですね!私、盛り上がってきました」


「・・・行こうか」


ついてくるスミレ達を振り返り、ゴウキは


「何があるかわからねぇ。絶対に油断しないでくれ」


そう言って警戒を促した。
クレア達を退けるほどの何かがこのダンジョンにあるーー ゴウキは緊張しながらクリスタルダンジョンに足を踏み入れた。



そして事態はゴウキの思ってもみなかった、意外な展開を見せることになる。
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