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ゴウキ・ファミリー
その言葉は使ってはいけない
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「はああああああ!!」
巨大な魔物に果敢に突っ込んで、クレアは持っていた剣を無数に走らせた。巨大な魔物は一瞬にしてバラバラになり、ただの肉塊と化す。血しぶきが飛び、返り血がクレアの身を汚した。
「・・・っ!!」
マリスも無言で縦横無尽に剣を振り回し、そのたびに魔物の首が飛ぶ。
「ふっ!!」
慎重に相手との距離を見極めながら、ミリアを守るように彼女に群がる敵を持前の瞬速の剣を繰り出すリフト。
クリスタルダンジョンで起こしたようなミスはしまいと、前に出過ぎることをやめた彼は、的確に襲い掛かってくる魔物を屠っていた。
ミリアの強化魔法を受けているクレア達は、未知なる魔物相手でも問題なく戦えていた。いや、むしろ快調過ぎるくらいの快進撃といえ、戦闘開始からややもしないうちにクレア達は100体を超える魔物を倒していた。
「凄い!流石勇者パーティーだ!!」
後方でその様子を見ながらサポートに徹する騎士団は、勇者パーティーの活躍を称えていた。尽きかけていた士気も向上し、クレア達の打ち漏らした敵を問題なく掃討していく。
騎士達の歓声を背中に受けながら、クレア達は順調に敵を倒し進んでいく。
魔物達は確かにクレア達の見たことのない魔物だったが、格別に強力というわけではなかった。未知の攻撃を仕掛けてこようと、相手が何かをする前に制してしまえば良いーー そんな単純明快な答えを持って、クレア達は危機に瀕することなく戦えていた。
騎士達は苦戦したが、元の実力が全然違うので戦術が出来ていなくてもクレア達には概ね問題無かったのだ。
ーーー
「ふうっ・・・!」
200体は斬っただろうか、魔物の波が途切れると、クレアは一旦深呼吸をする。
まだ数は残っているが、魔物の群れは三分の一ほどに数を減らしていた。戦闘も後半戦となると、騎士達も大いに士気を上げたせいか掃討も進み、勝利が目前となった。
「いけるか・・・!?」
リフトが気持ち程度に口角を上げて、そう呟いた。
「いけるか」これを言ったときは大体いけてない、不吉な言葉だ。冒険者間では常識として忌むべき言葉とされているが、緊張のほぐれたリフトはついポロっとこの言葉を口にしてしまっていた。
「まだ油断しないで!」
クレアは一応そう一喝するが、彼女自身も勝利を目前としていくらか緊張が和らいでいた。
魔物は確かに見たこともない魔物だった。学校でも独学でも世界中の魔物のことを学び、知らない魔物などいないはずだったが、それでもクレアの記憶にあるどの魔物とも違う形をしている。
(新種・・・?いやこれは・・・)
ふと、一体の魔物の死骸に目をやると、その魔物はクレアの記憶に残っていた姿をしていたことに気付く。
魔物図鑑ではない、とある歴史書で見たことのある形の魔物だ。これは・・・
「古代種・・・?」
古代種。現代にはもう現れない、絶滅したはずの太古の魔物。クレアが目にしている魔物は、かつて歴史書で見たことのある古代種の魔物の姿絵とそっくりな姿をしていた。
「ご明察」
魔物が古代種であることに気付き、唖然とするクレアの耳に、突然若い男の声が入ってきた。
「!?誰・・・?」
思わず声のした方を見るクレア。
そこには、宙に浮いている一人の男の姿があった。
巨大な魔物に果敢に突っ込んで、クレアは持っていた剣を無数に走らせた。巨大な魔物は一瞬にしてバラバラになり、ただの肉塊と化す。血しぶきが飛び、返り血がクレアの身を汚した。
「・・・っ!!」
マリスも無言で縦横無尽に剣を振り回し、そのたびに魔物の首が飛ぶ。
「ふっ!!」
慎重に相手との距離を見極めながら、ミリアを守るように彼女に群がる敵を持前の瞬速の剣を繰り出すリフト。
クリスタルダンジョンで起こしたようなミスはしまいと、前に出過ぎることをやめた彼は、的確に襲い掛かってくる魔物を屠っていた。
ミリアの強化魔法を受けているクレア達は、未知なる魔物相手でも問題なく戦えていた。いや、むしろ快調過ぎるくらいの快進撃といえ、戦闘開始からややもしないうちにクレア達は100体を超える魔物を倒していた。
「凄い!流石勇者パーティーだ!!」
後方でその様子を見ながらサポートに徹する騎士団は、勇者パーティーの活躍を称えていた。尽きかけていた士気も向上し、クレア達の打ち漏らした敵を問題なく掃討していく。
騎士達の歓声を背中に受けながら、クレア達は順調に敵を倒し進んでいく。
魔物達は確かにクレア達の見たことのない魔物だったが、格別に強力というわけではなかった。未知の攻撃を仕掛けてこようと、相手が何かをする前に制してしまえば良いーー そんな単純明快な答えを持って、クレア達は危機に瀕することなく戦えていた。
騎士達は苦戦したが、元の実力が全然違うので戦術が出来ていなくてもクレア達には概ね問題無かったのだ。
ーーー
「ふうっ・・・!」
200体は斬っただろうか、魔物の波が途切れると、クレアは一旦深呼吸をする。
まだ数は残っているが、魔物の群れは三分の一ほどに数を減らしていた。戦闘も後半戦となると、騎士達も大いに士気を上げたせいか掃討も進み、勝利が目前となった。
「いけるか・・・!?」
リフトが気持ち程度に口角を上げて、そう呟いた。
「いけるか」これを言ったときは大体いけてない、不吉な言葉だ。冒険者間では常識として忌むべき言葉とされているが、緊張のほぐれたリフトはついポロっとこの言葉を口にしてしまっていた。
「まだ油断しないで!」
クレアは一応そう一喝するが、彼女自身も勝利を目前としていくらか緊張が和らいでいた。
魔物は確かに見たこともない魔物だった。学校でも独学でも世界中の魔物のことを学び、知らない魔物などいないはずだったが、それでもクレアの記憶にあるどの魔物とも違う形をしている。
(新種・・・?いやこれは・・・)
ふと、一体の魔物の死骸に目をやると、その魔物はクレアの記憶に残っていた姿をしていたことに気付く。
魔物図鑑ではない、とある歴史書で見たことのある形の魔物だ。これは・・・
「古代種・・・?」
古代種。現代にはもう現れない、絶滅したはずの太古の魔物。クレアが目にしている魔物は、かつて歴史書で見たことのある古代種の魔物の姿絵とそっくりな姿をしていた。
「ご明察」
魔物が古代種であることに気付き、唖然とするクレアの耳に、突然若い男の声が入ってきた。
「!?誰・・・?」
思わず声のした方を見るクレア。
そこには、宙に浮いている一人の男の姿があった。
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