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ゴウキ・ファミリー

セントラルギルドの闇  その2

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「俺達は最初はセントラルギルドから信頼され、いろいろと定期的に仕事を請け負ってきました」


ドレークは元はいろいろな冒険者パーティーを渡り歩く冒険者だった。
暗器使いは基本的には斥候職である。優れた暗器使いであり斥候のスキルのあるドレークは引く手あまたで職にあぶれることはなかったが、それでもドレークの気質のせいか、あまり長く同じパーティーに居着いたことはない。
そんな彼も何年か冒険者として過ごすうちに、いつしか自分を慕う後輩を率いてパーティーを組むようになっていた。それがウルラ達だ。経験不足でまだ粗削りだが、素質は悪くないし何よりフィーリングが合った。

『疾風の牙』という名のパーティーを結成し、彼らはセントラルギルドで活動を開始する。

ドレーク自体はA級冒険者に手が届きそうなところまで実績を上げていたが、パーティーメンバーの成長のためにギルドから定期的に難度のそれほど高くない依頼を請け負っていた。定期的に依頼を受けることで収入は安定し、メンバーの成長もそこそこ見られてきて全てが順調に思っていたが、あるとき一つの依頼が彼らの運命を狂わせることになった。


とある村を襲うゴブリン退治。

冒険者が定期的に受ける仕事の定番中の定番だ。
ゴブリンは山賊のように人里や街道で人を襲う魔物だ。実力はそれほど高くないが、その代わりに繁殖力が高く、巣を潰さないと群れの一部を殲滅したくらいではまたすぐに数を戻してしまう。
非戦闘員の人間にしてみれば迷惑極まりない存在だが、皮肉にも冒険者ギルドにしてみれば定期的に討伐依頼を出して貰えるであった。

『疾風の牙』があるとき山岳部の村に出没したゴブリンの討伐の依頼を受けた。
村を襲撃するゴブリンを一定数狩ることが依頼内容で、その依頼そのものは即座に達成した。

だが、たまたまゴブリンの残党がいないか哨戒を行っていたドレークは、ゴブリンの巣を見つけた。
巣の規模からして討伐で削った数はすぐに再生され、間を置かず再び村を襲うことは安易に予想できたことで、ドレーク達は依頼には無かった巣の殲滅を実行した。

良かれと思ってやったことだったし、村民も大喜びでギルドに内緒で追加報酬を包んでくれた。

だが、この事がセントラルギルドに知れると、『疾風の牙』に対し厳重注意という処分を与えたのである。


「巣を潰してしまうと、その集落からは当面ゴブリンの討伐依頼が望めない。『疾風の牙』の行動はギルドに損失を与えるものである」


要約すると、このような内容の通知書が渡されたのである。
これに異議を唱えたドレークは、即座にセントラルギルドから謹慎処分を言い渡され、爪弾きにされることになったのであった。
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