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ゴウキ・ファミリー
規格外
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ドレークが河川敷までゴウキを連れてきた理由・・・それは、戦いに仲間を巻き込まないため、そして自分達が居座る拠点が戦闘の影響により破壊されないためだ。
最初からドレークはゴウキと決着をつけるために河川敷まで移動したのである。
ドレークがポケットに突っ込んでいた手を抜き出すと、その手に持っていたのは小さな玉のようなものだった。
両手に持っていたその二つの玉をぽいっとゴウキの方へ放り出したその瞬間、その玉が爆発した。
ドォォン
派手な音とともにゴウキが爆発に巻き込まれる。
爆発は人一人が爆ぜる程度の小さなものだったが、ゴウキはもろにその直撃を受けた。
ドレークが使ったのは鉱山の採掘などに使われる、爆薬を殺傷用に改良していた爆弾である。バルジ王国でも冒険者用として普及しているが、あくまで対魔物用・・・それも魔法が使えないパーティーがその場しのぎで使う程度の物であった。ドレークはそれを対人に躊躇いなく使う。
爆発に晒されたゴウキだが、タフな彼には致命傷にはならない。傷を負いながらもゴウキは怯むことなく、蹴りをドレークに向かって放った。
「っ!」
ドレークはそれをギリギリで躱す。
そしてすぐさまゴウキと距離と取ろうと素早く後退した・・・が
「なっ」
驚くほどの素早さでゴウキは後退したドレークとの距離を詰めていた。
ーー追いつかれる!
瞬時にそう判断したドレークは、後退をやめて踏みとどまった。瞬間、ゴウキの大振りの拳がドレークの顔面目掛けて振り回される。それもドレークはギリギリで何とか躱し、転がりこんで再びゴウキと距離を取る。
ドォォン
しかしドレークも逃げているだけではない。ゴウキの攻撃を回避、距離を取るという行動の中にも爆弾をゴウキの元に残していた。
残された爆弾は爆発し、またもゴウキが爆炎に包まれる。だがこれでゴウキを倒せるとはドレークも思ってはいない。案の定、ゴウキにダメージをいくらか与えたようだが、彼は流れる血などものともしないようにドレークに向かってくる。それも物凄い速さであった。
「はは・・・」
ドレークの口から乾いた笑いが漏れる。
複数の小型の投げナイフをゴウキに向かって投げるが、防御する素振りすら見せない。刺さったナイフによってサボテンのような姿になってもゴウキはドレークに対して攻撃を続けた。
ブゥンッ!
風を切る音が大きく聞こえるほどのゴウキの剛腕。当たれば一撃で頭が粉砕するだろう重すぎる拳。バルドーはあんなものをまともに食らっていたのかとドレークは背筋が凍る。
投げナイフには毒が仕込んであった。
即効性の毒で、体が痺れ、戦闘など続行できないはずだった。
ドレークが戦った相手は、誰であろうと毒でこの段階で既に膝を地につけていた。
だがゴウキは意にも介せず蹴りを見舞ってくる。それがドレークの体をかすめた。
ドレークは全身で感じていた。もうゴウキに勝つことなどできないと。自分の持てるものを全て出しても、ゴウキは止まらないと。
なんてことはない、自分も不出来を嘆いたはずの仲間達と同じだった。相手の実力量り間違え、してはいけない勝負を挑んでしまったーー そう思った瞬間、ドレークの脇腹にゴウキの拳がめり込んでいた。
最初からドレークはゴウキと決着をつけるために河川敷まで移動したのである。
ドレークがポケットに突っ込んでいた手を抜き出すと、その手に持っていたのは小さな玉のようなものだった。
両手に持っていたその二つの玉をぽいっとゴウキの方へ放り出したその瞬間、その玉が爆発した。
ドォォン
派手な音とともにゴウキが爆発に巻き込まれる。
爆発は人一人が爆ぜる程度の小さなものだったが、ゴウキはもろにその直撃を受けた。
ドレークが使ったのは鉱山の採掘などに使われる、爆薬を殺傷用に改良していた爆弾である。バルジ王国でも冒険者用として普及しているが、あくまで対魔物用・・・それも魔法が使えないパーティーがその場しのぎで使う程度の物であった。ドレークはそれを対人に躊躇いなく使う。
爆発に晒されたゴウキだが、タフな彼には致命傷にはならない。傷を負いながらもゴウキは怯むことなく、蹴りをドレークに向かって放った。
「っ!」
ドレークはそれをギリギリで躱す。
そしてすぐさまゴウキと距離と取ろうと素早く後退した・・・が
「なっ」
驚くほどの素早さでゴウキは後退したドレークとの距離を詰めていた。
ーー追いつかれる!
瞬時にそう判断したドレークは、後退をやめて踏みとどまった。瞬間、ゴウキの大振りの拳がドレークの顔面目掛けて振り回される。それもドレークはギリギリで何とか躱し、転がりこんで再びゴウキと距離を取る。
ドォォン
しかしドレークも逃げているだけではない。ゴウキの攻撃を回避、距離を取るという行動の中にも爆弾をゴウキの元に残していた。
残された爆弾は爆発し、またもゴウキが爆炎に包まれる。だがこれでゴウキを倒せるとはドレークも思ってはいない。案の定、ゴウキにダメージをいくらか与えたようだが、彼は流れる血などものともしないようにドレークに向かってくる。それも物凄い速さであった。
「はは・・・」
ドレークの口から乾いた笑いが漏れる。
複数の小型の投げナイフをゴウキに向かって投げるが、防御する素振りすら見せない。刺さったナイフによってサボテンのような姿になってもゴウキはドレークに対して攻撃を続けた。
ブゥンッ!
風を切る音が大きく聞こえるほどのゴウキの剛腕。当たれば一撃で頭が粉砕するだろう重すぎる拳。バルドーはあんなものをまともに食らっていたのかとドレークは背筋が凍る。
投げナイフには毒が仕込んであった。
即効性の毒で、体が痺れ、戦闘など続行できないはずだった。
ドレークが戦った相手は、誰であろうと毒でこの段階で既に膝を地につけていた。
だがゴウキは意にも介せず蹴りを見舞ってくる。それがドレークの体をかすめた。
ドレークは全身で感じていた。もうゴウキに勝つことなどできないと。自分の持てるものを全て出しても、ゴウキは止まらないと。
なんてことはない、自分も不出来を嘆いたはずの仲間達と同じだった。相手の実力量り間違え、してはいけない勝負を挑んでしまったーー そう思った瞬間、ドレークの脇腹にゴウキの拳がめり込んでいた。
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