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ゴウキ・ファミリー
こんにちは物件候補
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煙草を口に咥えたまま、ゴウキが自分がやってきた目的地である、不法占拠されている物件が見えるところまでやってきた。
(あれが拠点候補になる物件か・・・)
言われていた通り確かにフォースギルドに近く、2区に近いために4区の中でも比較的治安は良さそうであり、浮浪者も少ない。立地としてはまぁまぁ良い方であった。
(しかし・・・)
ゴウキは遠目にもわかるほど、その物件は大き目だった。
二階建てであるが、窓は小さめで、横に広い構造になっている。聞くところによると、以前は高級な娼館であったらしかったが、娼館が『花の4区』に移転して空き物件になったとのことだった。
傍目には小綺麗な宿屋に見える。
『元高級娼館だから部屋それぞれに浴室があるし、間取りもうんと広いぞ。窓はちょっと小さめだが、それ以外は快適なはずだ』
ゴウキはディックが笑いながらそう言ってプッシュしてきたのを思い出す。
ディックはリノベーションして違う事業を始めるか、同じように娼館を始めるか、悩んでいた間に不法占拠が始まったらしいとのことだった。
「元娼館ってのがちょっとアレだが、まぁ良い物件じゃねぇか」
ゴウキはほくそ笑む。
女性陣さえOKが出るなら、すぐにここに決めても良いかなと思っていた。
だがしかし、その前にやらねばならぬことがある。
「それじゃ、とりあえず話合いに行きますかね」
不法占拠民と話をつけなければならない。ゴウキは物件に向けて足を踏み出した。
そして物件の敷地内にゴウキは足を踏み入れたときだ。
パンッ
突然、ゴウキの咥えていた煙草が爆ぜて散り散りになった。
「ほぉ」
ゴウキは動揺することなく、口元に残った煙草の残り片をペッと地面に噴き出した。
見ると地面に矢が刺さっており、その矢によってゴウキの咥えていた煙草が散らされたようだ。敷地内侵入のため、器用に煙草のみを矢で射っての警告したのだとゴウキは察する。中々の腕前の弓術師のようだ。
「よう不法占拠者よ!話合いに来たぜ!」
ゴウキは今だ誰一人姿を現さぬ建物に向かって声を張り上げた。
瞬間、ピリッと空気が緊張するのをゴウキは肌で感じる。
(2人・・・いや、3人か・・・)
刺すような視線を感じるが、場所まではわからない。だが間違いなく3人ほどの気配があり、自分を警戒している。
だがそれだけだ。気配が動く様子はない。ゴウキを警戒するあまり、向こうも出方を迷っているのだろうかとゴウキは考えた。
(このまま問いかけてもらちが明かないか?)
そう考え、ゴウキは警告を無視し、建物の入口に向かって歩き出した。
その直後、気配が一気に動き出したのをゴウキは感じた。
(あれが拠点候補になる物件か・・・)
言われていた通り確かにフォースギルドに近く、2区に近いために4区の中でも比較的治安は良さそうであり、浮浪者も少ない。立地としてはまぁまぁ良い方であった。
(しかし・・・)
ゴウキは遠目にもわかるほど、その物件は大き目だった。
二階建てであるが、窓は小さめで、横に広い構造になっている。聞くところによると、以前は高級な娼館であったらしかったが、娼館が『花の4区』に移転して空き物件になったとのことだった。
傍目には小綺麗な宿屋に見える。
『元高級娼館だから部屋それぞれに浴室があるし、間取りもうんと広いぞ。窓はちょっと小さめだが、それ以外は快適なはずだ』
ゴウキはディックが笑いながらそう言ってプッシュしてきたのを思い出す。
ディックはリノベーションして違う事業を始めるか、同じように娼館を始めるか、悩んでいた間に不法占拠が始まったらしいとのことだった。
「元娼館ってのがちょっとアレだが、まぁ良い物件じゃねぇか」
ゴウキはほくそ笑む。
女性陣さえOKが出るなら、すぐにここに決めても良いかなと思っていた。
だがしかし、その前にやらねばならぬことがある。
「それじゃ、とりあえず話合いに行きますかね」
不法占拠民と話をつけなければならない。ゴウキは物件に向けて足を踏み出した。
そして物件の敷地内にゴウキは足を踏み入れたときだ。
パンッ
突然、ゴウキの咥えていた煙草が爆ぜて散り散りになった。
「ほぉ」
ゴウキは動揺することなく、口元に残った煙草の残り片をペッと地面に噴き出した。
見ると地面に矢が刺さっており、その矢によってゴウキの咥えていた煙草が散らされたようだ。敷地内侵入のため、器用に煙草のみを矢で射っての警告したのだとゴウキは察する。中々の腕前の弓術師のようだ。
「よう不法占拠者よ!話合いに来たぜ!」
ゴウキは今だ誰一人姿を現さぬ建物に向かって声を張り上げた。
瞬間、ピリッと空気が緊張するのをゴウキは肌で感じる。
(2人・・・いや、3人か・・・)
刺すような視線を感じるが、場所まではわからない。だが間違いなく3人ほどの気配があり、自分を警戒している。
だがそれだけだ。気配が動く様子はない。ゴウキを警戒するあまり、向こうも出方を迷っているのだろうかとゴウキは考えた。
(このまま問いかけてもらちが明かないか?)
そう考え、ゴウキは警告を無視し、建物の入口に向かって歩き出した。
その直後、気配が一気に動き出したのをゴウキは感じた。
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