『濁』なる俺は『清』なる幼馴染と決別する

はにわ

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ゴウキ・ファミリー

鬼の狩り

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「狩りだ?なんだぁこのオッサン、頭おかしいんじゃねぇのか?」


「あ?」


ほとんど歳の差がないはずの若者に、おっさん呼ばわりされたゴウキの顔に青筋が浮かぶ。


「お前らが自分で言ったことだろ?自分が狩られるのは怖くて嫌か?ども」


怒りのオーラを滲ませ、そう言うゴウキに一部の者は怯む。だが今絡んでいる男はオーラに気付いていないのか威勢がいいのか、と言われたことに腹を立て、ナイフをゴウキに向けた。


「てめぇ、そんなふざけたこと言うんなら、それ相応の目に遭う覚悟は・・・いでぇぇぇぇぇ!!?」


ナイフを突きつける手をゴウキは取り、バキバキッと手首の骨を折りながら自らの持つナイフを顔に突き刺すように仕向ける。ナイフが頬に刺さるのと、手首を折られた痛みで男は悲鳴を上げた。
やがてあまりの痛みに失禁して泡を吹きながらその場に崩れ落ちる。


ドサッ

ピクピク


崩れ落ちた男は、痙攣しながら寝転がり、やがてそのまま動かなくなった。完全に気を失ったようである。



「悪さするんなら、それなりに痛い目に遭う覚悟は出来てるんだろうな?


年齢は3も離れてはいないが、おっさんと呼ばれたことをゴウキは引きずっていた。


「ちょっと懲らしめさせてもらうぜ。


「え、ええええ!!」


半グレの少年少女たちは悲鳴を上げる。
それからはゴウキの一方的な制圧だった。歯向かおうとした者は一瞬にして拳で顔面を粉砕され沈黙し、大人しくしていても頭にげんこつを落とされ悶絶した。


「俺が見るに堪えねぇ老け顔のおっさんだって言いやがったな!!同じように見るに堪えねぇ顔にしてやろうか!!」


「そ、そんなことは言ってない・・・!」


「確かに聞いたぞコラァ!!」


「ひぃぃぃぃ!!」


半グレ達は鬼と化したゴウキに蹂躙され、ひとしきり暴れ終わった後は無事な者は皆無だった。
ゴウキは一仕事終わったとばかりに煙草に火を着けると、半グレ達に向かって言った。


「俺の名はゴウキってんだ。文句があるなら、いつでも相手になってやるからよ?てめぇらのケツ持ちにしっかり伝えとくんだな」


頭にげんこつを落とした連中は痛さで呻いてはいるが意識がありゴウキの言葉を聞きとっただろうことを確認すると、ゴウキは踵を返して町の闇の中へ消えていった。

一人残された会長はそそくさと地面に落ちた金を回収するとその場を立ち去ったが、ゴウキの名だけはしかと記憶に刻みこむ。


「ゴウキか・・・いつか借りを返さねば・・・」


しかしなんだろう。自分を助けに来たというより、本当に彼が言うように単純に狩りに来たようにも見えるくらいだた暴れていっただけといった感じだが、一体何が目的だったのだろう・・・そんなことを会長は疑問に思ったが、とりあえず結果的に助けてもらった側なので疑問は胸に仕舞っておくことにした。






「さて、これからじゃんじゃん始めるぜ」


ゴウキそう言って煙草の煙を吐き出し、不敵に笑うのであった。
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