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ゴウキ・ファミリー
セントラルの狂気
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ゴウキとディックが飲み終える頃には、日が沈みかけていた。
「っと、すっかり飲み過ぎちまったな」
顔を真っ赤にしたディックが時計を見て言った。
「そうだな。昼間から飲み過ぎたか」
ゴウキも随分と飲んだが、体質のせいで素面だ。
「そろそろ俺はギルドに戻るよ。それじゃ、業者の件はギルド長に伝えておくから、決まったら頼んだぜ」
そう言ってゴウキが立ち上がったときだった。
「あ、そうだ。そういえばお前のことを尾行してるやつがいたみたいだぜ。半グレ以外に」
思い出したようにディックが言う。
それを言われてゴウキも思い出した。
「そういえば二組に尾行されてたな・・・」
「気付いてたのかよ・・・流石だな。で、その半グレとは別にいたやつな、どうやらセントラルギルドの手先だったみたいだぞ」
「えっ?」
予想だにしていなかった言葉にゴウキは呆然とした。
「セントラルギルドに雇われて兄弟のことを尾行していたらしい斥候職の女だったよ。半グレに絡まれていたくらいのときに、離れて兄弟のこと見ていたところを浮浪者に後ろから襲われて強姦されてたみたいだぜ。ウチのもんが一応兄弟の関係者かと思って事が済んだ後で保護したらゲロった」
「そりゃまぁ・・・」
運が無いなとゴウキは女のことを哀れに思った。女が一人地理もわからず4区を歩くのは危険なのだ。
ゴウキが4区に入ったときに尾行を躊躇したのは多分斥候職とやらの女のほうだったのだろうと予想する。4区という地に不慣れなので戸惑ったが、それでも仕事を完遂しようとゴウキの尾行を続行した。その結果不注意から不幸に見舞われたと。
「女が言うには兄弟の動向を監視して、フォースギルドと取引しそうな新たな業者を見つけそうだったら報告しろとか、そういった依頼を受けていたらしい。結構目の敵にされてるみたいだな」
「は・・・?」
ゴウキはゾワリと寒気を感じた。
セントラルギルドの執念が狂気じみている。そこまでしてやるかと。
「ちなみに兄弟だけじゃなく、お仲間全員に尾行がついてるみたいだぜ」
「・・・は?」
ますます狂気じみている。ゴウキはセントラルギルドに対して得体の知れない恐怖に近いものを感じた。
「セントラルギルドのマスターはプライドが高いって有名だからな。兄弟がフォースギルドに属して活躍しているのが気に入らないんじゃないか?」
「ったく、最初に蔑ろにしてくれたのは向こうだぜ」
確かにセントラルに睨まれるようなことをやってきたかもしれないが、それでも最終的にゴウキを蔑ろにし、フォースギルドに移る原因を作ったのはセントラルだ。恨まれる筋合いはないとゴウキはあきれ返る。
「兄弟ならそんなに心配いらねぇと俺は考えているけどよ。それでもあそこのマスターは何するかわからないやつだぜ。気を付けろよ」
ディックの忠告を受け、ゴウキは溜め息をついた。
「半グレの後はセントラルを潰すことになるんじゃないだろうな?」などと冗談をゴウキは言ったが、あながち冗談にならんかもしれんなとディックは考える。
そしてそれは予感通り本当に冗談にならなかったのである。
「っと、すっかり飲み過ぎちまったな」
顔を真っ赤にしたディックが時計を見て言った。
「そうだな。昼間から飲み過ぎたか」
ゴウキも随分と飲んだが、体質のせいで素面だ。
「そろそろ俺はギルドに戻るよ。それじゃ、業者の件はギルド長に伝えておくから、決まったら頼んだぜ」
そう言ってゴウキが立ち上がったときだった。
「あ、そうだ。そういえばお前のことを尾行してるやつがいたみたいだぜ。半グレ以外に」
思い出したようにディックが言う。
それを言われてゴウキも思い出した。
「そういえば二組に尾行されてたな・・・」
「気付いてたのかよ・・・流石だな。で、その半グレとは別にいたやつな、どうやらセントラルギルドの手先だったみたいだぞ」
「えっ?」
予想だにしていなかった言葉にゴウキは呆然とした。
「セントラルギルドに雇われて兄弟のことを尾行していたらしい斥候職の女だったよ。半グレに絡まれていたくらいのときに、離れて兄弟のこと見ていたところを浮浪者に後ろから襲われて強姦されてたみたいだぜ。ウチのもんが一応兄弟の関係者かと思って事が済んだ後で保護したらゲロった」
「そりゃまぁ・・・」
運が無いなとゴウキは女のことを哀れに思った。女が一人地理もわからず4区を歩くのは危険なのだ。
ゴウキが4区に入ったときに尾行を躊躇したのは多分斥候職とやらの女のほうだったのだろうと予想する。4区という地に不慣れなので戸惑ったが、それでも仕事を完遂しようとゴウキの尾行を続行した。その結果不注意から不幸に見舞われたと。
「女が言うには兄弟の動向を監視して、フォースギルドと取引しそうな新たな業者を見つけそうだったら報告しろとか、そういった依頼を受けていたらしい。結構目の敵にされてるみたいだな」
「は・・・?」
ゴウキはゾワリと寒気を感じた。
セントラルギルドの執念が狂気じみている。そこまでしてやるかと。
「ちなみに兄弟だけじゃなく、お仲間全員に尾行がついてるみたいだぜ」
「・・・は?」
ますます狂気じみている。ゴウキはセントラルギルドに対して得体の知れない恐怖に近いものを感じた。
「セントラルギルドのマスターはプライドが高いって有名だからな。兄弟がフォースギルドに属して活躍しているのが気に入らないんじゃないか?」
「ったく、最初に蔑ろにしてくれたのは向こうだぜ」
確かにセントラルに睨まれるようなことをやってきたかもしれないが、それでも最終的にゴウキを蔑ろにし、フォースギルドに移る原因を作ったのはセントラルだ。恨まれる筋合いはないとゴウキはあきれ返る。
「兄弟ならそんなに心配いらねぇと俺は考えているけどよ。それでもあそこのマスターは何するかわからないやつだぜ。気を付けろよ」
ディックの忠告を受け、ゴウキは溜め息をついた。
「半グレの後はセントラルを潰すことになるんじゃないだろうな?」などと冗談をゴウキは言ったが、あながち冗談にならんかもしれんなとディックは考える。
そしてそれは予感通り本当に冗談にならなかったのである。
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