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ゴウキ・ファミリー
あまりに予想外
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「追いはぎするにしてもよ、お前らいくら何でも段取り悪すぎねぇか?」
ゴウキはそう言って服の胸ポケットから煙草の箱を取りだし、一本咥えて火を着ける。
「あ?何言ってんだお前?一人でイキってハッタリか?」
リーダー男が笑う。
それを見てゴウキはまた大きく溜め息をついた。
「あのさ、こんな白昼堂々に顔を隠さずに人がいるところで追いはぎなんて、馬鹿がやることだとわからねぇか?」
そう言ってゴウキは路肩で寝そべっている浮浪者を顎で示す。
「もう少し先に行けばもっと人気の無いところがあるのによ。浮浪者だったら目撃者のうちに入らねぇとでも思ったか?事件の通報は小銭だが恩賞が出るから、浮浪者はすぐ通報するぜ。こういうの馬鹿だからわからねぇか?」
「・・・あぁ?」
気まずさを誤魔化すためなのか、リーダー男は怒りで顔を歪ませる。
「あとさ、さっきから俺ずっと隙だらけだぜ?問答無用で襲って身ぐるみ剥いでもいいくらいなのに、どうしてさっきからぼけっと話なんかしてんだ?なぁ、お前なんか今の隙に攻撃魔法の詠唱とか出来たんじゃねぇの?」
ゴウキに指を指された黒魔法士の女はビクッと肩を震わせる。
「なぁ、ここまで教えてやってるのに、どうして何もしてこないんだ?本当は怖くて戦いたくないから話し合いで終わらせたかったのか?」
ぷはぁーっとわざと音を立てて煙草の煙を吐き出すゴウキ。煙草の煙がリーダー男にかかる。
リーダー男は怒りでプルプルと震えていた。
「で、お前らなんなんだよ。ただ俺と話したかっただけか?」
リーダー男は少しの間俯いたあと
「・・・もういいわ、やっぱ殺すわ」
据わった目で呟くようにそう言った。そんなリーダー男を見て
「え、やるのか?金だけって話じゃなかったか?」
大男は少しばかり焦ったように言う。それを見ながらゴウキは煙草を地面に落とし、靴で火を踏み消した。
「で、やるのかやらねーのか。いつまで待ってりゃいいんだ?もう一本吸う時間貰えるのか?それとも殺すってのは口だけか?」
呆れたように言うゴウキにリーダー男が激昂する。
「やってやらぁ!」
リーダー男の叫びに反応し、大男も身構える。黒魔法士も詠唱を開始する。白魔法士はただ成り行きを見守っていた。
未熟ーー 冒険者としても強盗団としてもあまりにも未熟。
連携も何もない、ただ各々が思い思いに戦うだけの集団。それで能力が高いならいざ知らず、動きはてんで素人で死ぬほど遅い。だが殺すと言われた以上、ゴウキは手加減するつもりはない。
ズンッ
リーダー男の腹がゴウキのフックで潰れる。くの字に屈んだ体制のまま、リーダー男は後方に吹き飛び悶絶して転がりまわる。
大男は大剣を振り上げようとするが、その動作を終える間もなく顔面がゴウキの拳によって潰された。顔面を窪ませ、膝をついてそのまま動かなくなる。
その様子を見ていた黒魔法士は、恐怖のあまり詠唱をやめてペタリと座り込んだ。ついでに失禁している。それは白魔法士の男も同じだった。
(な、なんだぁ?この馬鹿みてぇに弱い奴らは・・・)
強盗団のあまりの弱さに、ゴウキは呆れかえった。
ゴウキはそう言って服の胸ポケットから煙草の箱を取りだし、一本咥えて火を着ける。
「あ?何言ってんだお前?一人でイキってハッタリか?」
リーダー男が笑う。
それを見てゴウキはまた大きく溜め息をついた。
「あのさ、こんな白昼堂々に顔を隠さずに人がいるところで追いはぎなんて、馬鹿がやることだとわからねぇか?」
そう言ってゴウキは路肩で寝そべっている浮浪者を顎で示す。
「もう少し先に行けばもっと人気の無いところがあるのによ。浮浪者だったら目撃者のうちに入らねぇとでも思ったか?事件の通報は小銭だが恩賞が出るから、浮浪者はすぐ通報するぜ。こういうの馬鹿だからわからねぇか?」
「・・・あぁ?」
気まずさを誤魔化すためなのか、リーダー男は怒りで顔を歪ませる。
「あとさ、さっきから俺ずっと隙だらけだぜ?問答無用で襲って身ぐるみ剥いでもいいくらいなのに、どうしてさっきからぼけっと話なんかしてんだ?なぁ、お前なんか今の隙に攻撃魔法の詠唱とか出来たんじゃねぇの?」
ゴウキに指を指された黒魔法士の女はビクッと肩を震わせる。
「なぁ、ここまで教えてやってるのに、どうして何もしてこないんだ?本当は怖くて戦いたくないから話し合いで終わらせたかったのか?」
ぷはぁーっとわざと音を立てて煙草の煙を吐き出すゴウキ。煙草の煙がリーダー男にかかる。
リーダー男は怒りでプルプルと震えていた。
「で、お前らなんなんだよ。ただ俺と話したかっただけか?」
リーダー男は少しの間俯いたあと
「・・・もういいわ、やっぱ殺すわ」
据わった目で呟くようにそう言った。そんなリーダー男を見て
「え、やるのか?金だけって話じゃなかったか?」
大男は少しばかり焦ったように言う。それを見ながらゴウキは煙草を地面に落とし、靴で火を踏み消した。
「で、やるのかやらねーのか。いつまで待ってりゃいいんだ?もう一本吸う時間貰えるのか?それとも殺すってのは口だけか?」
呆れたように言うゴウキにリーダー男が激昂する。
「やってやらぁ!」
リーダー男の叫びに反応し、大男も身構える。黒魔法士も詠唱を開始する。白魔法士はただ成り行きを見守っていた。
未熟ーー 冒険者としても強盗団としてもあまりにも未熟。
連携も何もない、ただ各々が思い思いに戦うだけの集団。それで能力が高いならいざ知らず、動きはてんで素人で死ぬほど遅い。だが殺すと言われた以上、ゴウキは手加減するつもりはない。
ズンッ
リーダー男の腹がゴウキのフックで潰れる。くの字に屈んだ体制のまま、リーダー男は後方に吹き飛び悶絶して転がりまわる。
大男は大剣を振り上げようとするが、その動作を終える間もなく顔面がゴウキの拳によって潰された。顔面を窪ませ、膝をついてそのまま動かなくなる。
その様子を見ていた黒魔法士は、恐怖のあまり詠唱をやめてペタリと座り込んだ。ついでに失禁している。それは白魔法士の男も同じだった。
(な、なんだぁ?この馬鹿みてぇに弱い奴らは・・・)
強盗団のあまりの弱さに、ゴウキは呆れかえった。
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