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ゴウキ・ファミリー
なりふり構わぬギルドマスター
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「・・・と、以上になります」
セントラルギルドのマスター、フミオンは部下の報告を聞き、満足そうに頷いた。
「そうか、ご苦労。下がっていいぞ」
今日のフミオンは上機嫌だった。報告を終えた部下もホッと安堵した表情を浮かべながら退室する。
昨日までのフミオンの機嫌は最悪も最悪だった。それというのも全てゴウキのせいだ。
まずゴウキがセントラルギルドの冒険者資格の凍結の解除を待たずして、別の冒険者ギルドに登録したことにフミオンは憤慨した。それもセントラルに反目しているフォースギルドにである。
だがここでフミオンはジャックの叱責を思い出して一旦冷静になり、「ここはこちらが大人になってやろう」とセントラルギルドへの専属契約に同意することで許してやろうと考えた。
ところがゴウキはこれを突っぱねた。
当時ゴウキに接触した職員は「この無能が!」とフミオンに張り倒され、不幸にもギルドをクビになる。
そしてタイミング悪く、ギルド界隈では史上最高の査定額をつけるほどの宝物を持ち帰った優秀な冒険者ゴウキのことがひっそりと裏で話題に上がった。フォースギルドはゴウキの才能を見抜いていたと、セントラルは逆に見抜けなかった無能だと、フミオンのいないところで皆が噂したのである。
これを聞きつけたフミオンは激昂した。
「どうなるか思い知らせてやる!」
フミオンはジャックによる指導のことがすっぽり頭から抜け落ち、ゴウキとフォースギルドに対する制裁措置を決める。
フォースギルドと取引のある業者を調べ上げ、徹底的に圧力をかけた。これによりフォースギルドは実質冒険者ギルドとして運営が困難なほどに追いやれたはずだ。自然とゴウキも冒険者活動ができなくなる。
そして、実際に現在そのような流れになっているとフォースギルドの動向を調べ上げた部下から報告を受け、フミオンはご満悦になっているのである。
ゴウキのことについて叱責を受けたばかりの今、このような横暴をしているのがバレればただではおかない。
だが、フミオンはプライドの高い男だった。舐められたらやり返す。
まずは何より優先してゴウキ達に制裁を科す、それしか頭に無かった。
「いつ頭を下げに来るかな・・・」
絶対的強者である故の自信。ゴウキ達が平伏しに来たら許してやっても良い。
フミオンは上機嫌でほくそ笑んだ。
それまでは徹底的に圧力をかけ続けてやると。
だが、その圧力の効果も長くは続かないことはこの当時フミオンが知るはずもなかった。
セントラルギルドのマスター、フミオンは部下の報告を聞き、満足そうに頷いた。
「そうか、ご苦労。下がっていいぞ」
今日のフミオンは上機嫌だった。報告を終えた部下もホッと安堵した表情を浮かべながら退室する。
昨日までのフミオンの機嫌は最悪も最悪だった。それというのも全てゴウキのせいだ。
まずゴウキがセントラルギルドの冒険者資格の凍結の解除を待たずして、別の冒険者ギルドに登録したことにフミオンは憤慨した。それもセントラルに反目しているフォースギルドにである。
だがここでフミオンはジャックの叱責を思い出して一旦冷静になり、「ここはこちらが大人になってやろう」とセントラルギルドへの専属契約に同意することで許してやろうと考えた。
ところがゴウキはこれを突っぱねた。
当時ゴウキに接触した職員は「この無能が!」とフミオンに張り倒され、不幸にもギルドをクビになる。
そしてタイミング悪く、ギルド界隈では史上最高の査定額をつけるほどの宝物を持ち帰った優秀な冒険者ゴウキのことがひっそりと裏で話題に上がった。フォースギルドはゴウキの才能を見抜いていたと、セントラルは逆に見抜けなかった無能だと、フミオンのいないところで皆が噂したのである。
これを聞きつけたフミオンは激昂した。
「どうなるか思い知らせてやる!」
フミオンはジャックによる指導のことがすっぽり頭から抜け落ち、ゴウキとフォースギルドに対する制裁措置を決める。
フォースギルドと取引のある業者を調べ上げ、徹底的に圧力をかけた。これによりフォースギルドは実質冒険者ギルドとして運営が困難なほどに追いやれたはずだ。自然とゴウキも冒険者活動ができなくなる。
そして、実際に現在そのような流れになっているとフォースギルドの動向を調べ上げた部下から報告を受け、フミオンはご満悦になっているのである。
ゴウキのことについて叱責を受けたばかりの今、このような横暴をしているのがバレればただではおかない。
だが、フミオンはプライドの高い男だった。舐められたらやり返す。
まずは何より優先してゴウキ達に制裁を科す、それしか頭に無かった。
「いつ頭を下げに来るかな・・・」
絶対的強者である故の自信。ゴウキ達が平伏しに来たら許してやっても良い。
フミオンは上機嫌でほくそ笑んだ。
それまでは徹底的に圧力をかけ続けてやると。
だが、その圧力の効果も長くは続かないことはこの当時フミオンが知るはずもなかった。
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