『濁』なる俺は『清』なる幼馴染と決別する

はにわ

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追放後

ゴウキへの執着

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打ちのめされ、王城からトボトボと歩いて帰ってきたクレアを待っていたのは頭を下げるリフトとマリスだった。


「すまない!僕が確認を怠らなければ・・・!」


「申し訳ありません」


事の顛末をミリアから聞いたようで、彼らは自分達の確認不足によりゴウキの追放に加担してしまったということについて謝罪をしているようだとクレアは疲れた頭で察する。

一瞬、ほんの一瞬のことだが、クレアの中でこれまでに感じたこともないような感情が湧き上がった。それが疲れから来るものだと言うことにし、気の迷いだと頭を振ってその感情を振り払う。

その感情とは怒り。
だがリフト達にこの感情を抱くはお門違いであるとクレアが考えた。彼らはあくまでクレアの代行で行ってくれたに過ぎない。彼らの確認不足を責めるなら、そもそも自分が行けば良かったのだという話になる。


「いいえ。私が悪かったの」


クレアはそう言って首を横に振った。

国王も言っていた。一時脱退処分自体が間違っていたと。
そもそもその段階で自分は間違っていたのだ、とクレアは自分の愚かさを嘆く。
根本からしてそこから間違っていた。リフトの謀略によりゴウキの追放が為されたわけだが、それでもクレアが一時脱退処分など考えなければ起こらないことではあった。見ようによってはリフトはそれを利用したに過ぎない。


「これからどうしましょう」


憔悴した顔をしたミリアが訊ねる。
ミリアもクレアと同じくゴウキを追放する形になってしまったことに心を痛めていた。


「そうね。まずは・・・」


クレアは帰りに馬車にも乗らず、徒歩で拠点まで帰るまでにずっとそれを考えていた。
何をやってもゴウキを復帰させるのは絶望的であるが、その上で自分達が何をするべきか。出た結論は一つだけだった。


「まずはゴウキに事情を話し、謝罪しましょう。その上で、彼にパーティーに復帰してもらうわ」


ゴウキをパーティーに戻すことに時間がかかるとしても、それでも諦めきれない。クレアは時間をかけてでもゴウキを復帰させようと考えていた。


「復帰・・・では新しいメンバー加入については?」


「考えていないわ」


リフトの問いに対し、クレアは即答した。それを聞いてリフトの眉尻が僅かに上がる。
あくまでゴウキに固執するクレアに、リフトは憤りを感じるがそれは表に出さないように堪え凌ぐ。


「暫定的に入れるというのは・・・?」


あくまでゴウキは抜きでやっていきたい、そう考えるリフトが努めて冷静にそう提案するが、クレアは悩む様子もなく首を横に振る。


「考えていないわ。もう簡単にメンバーの増減はしないと決めたの」


政治的な思惑が関わっているとわかった以上、もう軽はずみなメンバーの入れ換えはしたくないとクレアは考えていた。場合によってはゴウキが復帰できなく、もしくはしづらい状態を引き起こすことになるかもしれないと。


「だけど僕たちにはもう一人仲間がいたほうがいいと思うんだ。暫定的にでも入れないと・・・」


「いいえ。新しくメンバーは入れないわ。今はゴウキを復帰させることを優先します」


なおも食い下がるリフトに対し、クレアはきっぱりと拒絶する。
お門違いだと自分でも理解していたはずのリフトへの怒りの感情が、クレアの中に僅かに沸き起こっていた。

こうしてクレアはゴウキの復帰に向けて動き出す。
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