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追放後
どっちが被害者?
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ズルズル・・・
日の沈みかかった王都の往来で、一つの冒険者パーティーが注目を浴びている。
「なぁ、コイツって賞金首か何かか?ギルドに持っていけば金になるかな?」
ズルズル・・・
そう言ってラーハルトを引きずり続けるゴウキに、道行く人々は奇異の目を向ける。
注目を浴びているのは王都に帰還したゴウキ・ファミリーの面々であった。
「コイツは多分、懸賞金はかかってなかったと思う。きっと目撃者が少なすぎてコイツの起こした事件そのものが目立って無かったからじゃねーかな」
スミレは少しばかり記憶を探った後にそう言った。
「んじゃ、直接憲兵に持っていけばいいか。で、どこに持っていけばいいんだ?」
ゴウキはラーハルトを憲兵の詰所に持っていけばいいのか王城の騎士団に持っていけば良いのか悩んでいたが、そこへ渡りに船で巡回中の憲兵二人が血相変えて走ってやってきた。
「き、貴様らっ!一体何の騒ぎだこれはっ!?」
往来で半殺しの大男を引きずって歩いていれば当然目にもつくし事件性が疑われる。
駆け付けてきた憲兵達はゴウキ達に質問しつつ、手に持つ槍を構えていた。
「冒険者狩りってやつらしい。俺達が黒鉄のダンジョンで襲われたんだ」
ゴウキはそう言ってラーハルトをぽいっと憲兵に突き出すように放る。
ドサッ
あまりの巨漢なので、憲兵二人はラーハルトを受け止めきれずに地面に落としてしまう。
ゴウキによって半殺しにされているので、それだけのことがあってもラーハルトは目を覚ますことはなかった。
「冒険者狩りぃ?襲われただと・・・?」
地面に伏したラーハルトを見て、憲兵が怪訝な顔をする。
ゴウキを見る。額の古傷以外はすっきり無傷。
そして再度ラーハルトを見る。肌着のみで体には何も防具を纏っていない、顔面ぐしゃぐしゃの見るも無残な半殺し。
「嘘をつけぇ!どう考えてもこちらの男のほうが被害者ではないか!!」
ラーハルトが甲冑を着込んだままであればまた別であっただろうが、とても冒険者狩りには見えないその服装ではゴウキ達が逆に追いはぎをしたようにしか憲兵には見えなかった。
「コイツは自分で甲冑を抜いだ」と言っても信じてはもらえないだろうなとゴウキは内心溜め息をつく。
ダンジョンの入口で待っていた猫耳女を含む遭難冒険者達と王都の入口で別れたことを少し悔いる。彼らがこの場にいれば証言してもらえただろうに、と。
「めんどくせーな。もう身柄は引き渡した(?)んだしさっさとトンズラすりゃ良くね?」
呆れたようにそう提案するスミレの案を一瞬だけ承諾しそうになったゴウキ。
ーーーだが、その時一人の男がそこにやってきたことで流れが変わった。
「何をやっておるか?」
揉めているゴウキ達の所へ、低く厳かな声とともに、上品な髭を生やした40歳前後と思われる細身の男が現れた。
出で立ちからすると貴族のようである。後ろには侍従と思わしき者が控えていた。
「ら、ラルグス副騎士団長・・・!」
憲兵がその男の姿を認めると、二人とも弾かれたように直立してビシッと敬礼をする。
「副騎士団長・・・?」
騎士というよりはどこか優男に感じるその男は、訝しむゴウキを微笑を浮かべ、目を細めて見つめていた。
日の沈みかかった王都の往来で、一つの冒険者パーティーが注目を浴びている。
「なぁ、コイツって賞金首か何かか?ギルドに持っていけば金になるかな?」
ズルズル・・・
そう言ってラーハルトを引きずり続けるゴウキに、道行く人々は奇異の目を向ける。
注目を浴びているのは王都に帰還したゴウキ・ファミリーの面々であった。
「コイツは多分、懸賞金はかかってなかったと思う。きっと目撃者が少なすぎてコイツの起こした事件そのものが目立って無かったからじゃねーかな」
スミレは少しばかり記憶を探った後にそう言った。
「んじゃ、直接憲兵に持っていけばいいか。で、どこに持っていけばいいんだ?」
ゴウキはラーハルトを憲兵の詰所に持っていけばいいのか王城の騎士団に持っていけば良いのか悩んでいたが、そこへ渡りに船で巡回中の憲兵二人が血相変えて走ってやってきた。
「き、貴様らっ!一体何の騒ぎだこれはっ!?」
往来で半殺しの大男を引きずって歩いていれば当然目にもつくし事件性が疑われる。
駆け付けてきた憲兵達はゴウキ達に質問しつつ、手に持つ槍を構えていた。
「冒険者狩りってやつらしい。俺達が黒鉄のダンジョンで襲われたんだ」
ゴウキはそう言ってラーハルトをぽいっと憲兵に突き出すように放る。
ドサッ
あまりの巨漢なので、憲兵二人はラーハルトを受け止めきれずに地面に落としてしまう。
ゴウキによって半殺しにされているので、それだけのことがあってもラーハルトは目を覚ますことはなかった。
「冒険者狩りぃ?襲われただと・・・?」
地面に伏したラーハルトを見て、憲兵が怪訝な顔をする。
ゴウキを見る。額の古傷以外はすっきり無傷。
そして再度ラーハルトを見る。肌着のみで体には何も防具を纏っていない、顔面ぐしゃぐしゃの見るも無残な半殺し。
「嘘をつけぇ!どう考えてもこちらの男のほうが被害者ではないか!!」
ラーハルトが甲冑を着込んだままであればまた別であっただろうが、とても冒険者狩りには見えないその服装ではゴウキ達が逆に追いはぎをしたようにしか憲兵には見えなかった。
「コイツは自分で甲冑を抜いだ」と言っても信じてはもらえないだろうなとゴウキは内心溜め息をつく。
ダンジョンの入口で待っていた猫耳女を含む遭難冒険者達と王都の入口で別れたことを少し悔いる。彼らがこの場にいれば証言してもらえただろうに、と。
「めんどくせーな。もう身柄は引き渡した(?)んだしさっさとトンズラすりゃ良くね?」
呆れたようにそう提案するスミレの案を一瞬だけ承諾しそうになったゴウキ。
ーーーだが、その時一人の男がそこにやってきたことで流れが変わった。
「何をやっておるか?」
揉めているゴウキ達の所へ、低く厳かな声とともに、上品な髭を生やした40歳前後と思われる細身の男が現れた。
出で立ちからすると貴族のようである。後ろには侍従と思わしき者が控えていた。
「ら、ラルグス副騎士団長・・・!」
憲兵がその男の姿を認めると、二人とも弾かれたように直立してビシッと敬礼をする。
「副騎士団長・・・?」
騎士というよりはどこか優男に感じるその男は、訝しむゴウキを微笑を浮かべ、目を細めて見つめていた。
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