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追放後
剣風戦鬼デニス
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「この先250メートル先、左方向に大きな広間がありそうですが、そこに多くの魔物が屯ってます。これは・・・モンスターホームですね」
索敵について担当することになったリノアが魔法で検知して言った。ちなみに索敵魔法の名前は『索敵』としたらしい。
魔物の気配は察知できるものの、未発動で隠れたままの罠の存在までは把握できないので、斥候は変わらずスミレが受け持つことになっている。「アタシの影が少し薄くなったぞ・・・いや、忍者だから本来それでいいのか?」などとスミレはブツブツ言っていた。
「モンスターホーム?」
リノアの言葉に聞いたことにない単語が出たので、ダンジョンに馴染みの無いデニスが聞き返す。
モンスターホームとはダンジョン内にて築かれている魔物の集落のことを指す。その数は100に及ぶこともあり、当然ながら多くの魔物を一度に相手にすることになるので危険度が高い。だが、ここに魔物が自分達の持っている宝物を寄せ集めて保管するという謎の習慣があり、そのお宝を目当てに会えてモンスターホームを襲撃する冒険者達もいる。
「そうか・・・そのモンスターホームとやら、俺に任せてみてくれないか」
モンスターホームについて説明を受けたデニスが、唐突にそんなことを言いだした。
「・・・任せる?おい、まさか一人でやるのか?」
流石にゴウキもこれには驚愕する。
「俺も少しは良いところを見せたいからね・・・」
どうやらデニスはスミレ達の活躍に触発されたようだった。
「魔物の数は・・・ちょっと少な目で35体ほどですね。万が一には私の魔法で焼き払える範囲です」
「35体か・・・。もし万が一打ち漏らしたら頼む」
しれっとまたとんでも能力を晒すリノアに対し、早くも馴染んだのかデニスは驚愕するでもなく普通にフォローをお願いする。むしろ(ゴウキのパーティーメンバーであるなら、やはり普通じゃないくらいじゃないとね)などと勝手なことを考えていた。
「一人で35体か。ちょっと骨が折れそうだが、無茶はするなよ?」
ゴウキもゴウキで一般人が聞いたら驚愕するようなことをしれっと言ってのける。
「任せてくれ。すぐに終わらせる」
デニスはそう言ってモンスターホームの近くまで歩き、そこで立ち止まって構えた。抜刀の構えである。
「往生せぇやぁぁぁぁ!!」
普段の物静かな雰囲気とは裏腹に、突然そう叫ぶとその場で横なぎに一閃、刀を振り抜いたかと思うと、「パチン」と音を立てて一瞬で納刀を終えていた。
「四式、ハヤテ」
納刀を終えた直後に、デニスがボソッと呟いた。
その直後、モンスターホームのあるらしきところから、何やらドタドタと音がする。
一瞬魔物達がデニスに気付いて動き始めたのかとゴウキは思ったが、音はすぐに止み静寂が辺りを包んだ。
「ん・・・終わり?」
ポカンとするゴウキ達。デニスはモンスターホームに踏み込むことなく、ただ横なぎに素振りして終わっただけに見える。
だが、違った。
その後「もう終わったようだ」とデニスがいうので様子を見に行くと、モンスターホームにいる魔物の全てが横一文字に斬られ真っ二つになっていたのである。
素振りによって発生した真空刃によって起きた現象であったが、ゴウキは「俺のキャラ、このパーティーの中じゃ一番薄いのでは」と困惑していた。
索敵について担当することになったリノアが魔法で検知して言った。ちなみに索敵魔法の名前は『索敵』としたらしい。
魔物の気配は察知できるものの、未発動で隠れたままの罠の存在までは把握できないので、斥候は変わらずスミレが受け持つことになっている。「アタシの影が少し薄くなったぞ・・・いや、忍者だから本来それでいいのか?」などとスミレはブツブツ言っていた。
「モンスターホーム?」
リノアの言葉に聞いたことにない単語が出たので、ダンジョンに馴染みの無いデニスが聞き返す。
モンスターホームとはダンジョン内にて築かれている魔物の集落のことを指す。その数は100に及ぶこともあり、当然ながら多くの魔物を一度に相手にすることになるので危険度が高い。だが、ここに魔物が自分達の持っている宝物を寄せ集めて保管するという謎の習慣があり、そのお宝を目当てに会えてモンスターホームを襲撃する冒険者達もいる。
「そうか・・・そのモンスターホームとやら、俺に任せてみてくれないか」
モンスターホームについて説明を受けたデニスが、唐突にそんなことを言いだした。
「・・・任せる?おい、まさか一人でやるのか?」
流石にゴウキもこれには驚愕する。
「俺も少しは良いところを見せたいからね・・・」
どうやらデニスはスミレ達の活躍に触発されたようだった。
「魔物の数は・・・ちょっと少な目で35体ほどですね。万が一には私の魔法で焼き払える範囲です」
「35体か・・・。もし万が一打ち漏らしたら頼む」
しれっとまたとんでも能力を晒すリノアに対し、早くも馴染んだのかデニスは驚愕するでもなく普通にフォローをお願いする。むしろ(ゴウキのパーティーメンバーであるなら、やはり普通じゃないくらいじゃないとね)などと勝手なことを考えていた。
「一人で35体か。ちょっと骨が折れそうだが、無茶はするなよ?」
ゴウキもゴウキで一般人が聞いたら驚愕するようなことをしれっと言ってのける。
「任せてくれ。すぐに終わらせる」
デニスはそう言ってモンスターホームの近くまで歩き、そこで立ち止まって構えた。抜刀の構えである。
「往生せぇやぁぁぁぁ!!」
普段の物静かな雰囲気とは裏腹に、突然そう叫ぶとその場で横なぎに一閃、刀を振り抜いたかと思うと、「パチン」と音を立てて一瞬で納刀を終えていた。
「四式、ハヤテ」
納刀を終えた直後に、デニスがボソッと呟いた。
その直後、モンスターホームのあるらしきところから、何やらドタドタと音がする。
一瞬魔物達がデニスに気付いて動き始めたのかとゴウキは思ったが、音はすぐに止み静寂が辺りを包んだ。
「ん・・・終わり?」
ポカンとするゴウキ達。デニスはモンスターホームに踏み込むことなく、ただ横なぎに素振りして終わっただけに見える。
だが、違った。
その後「もう終わったようだ」とデニスがいうので様子を見に行くと、モンスターホームにいる魔物の全てが横一文字に斬られ真っ二つになっていたのである。
素振りによって発生した真空刃によって起きた現象であったが、ゴウキは「俺のキャラ、このパーティーの中じゃ一番薄いのでは」と困惑していた。
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