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追放後
優柔不断
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パーティーが結成できることの喜びに浸り、酒が進む中、ゴウキは少し外の空気が吸いたいと一人外に出る。
おもむろに煙草を口にくわえて火を着け、ぼうっと夜空を眺める。
(いよいよ本当に再出発になっちまったな)
当初考えていた計画とは違うが、何はともあれ冒険者として新しいスタートを切ることが出来た。
バタバタしていたせいか考えることもなかったが、今になってこうして落ち着いてみると、今更になって勇者パーティーを外され、再出発した事実を自覚するようになる。
(今頃何してるかな)
ゴウキは元仲間のクレア達のことを考える。
また取材で見栄えの良い演出を意識しながら冒険ごっこをしているのだろうか。それともたまには強敵と戦っているのだろうか。
いずれにせよ今のゴウキには関係の無い話だが、今のクレア達が魔物との戦闘になったとき、自分がいなくなった分これまでとは違う戦術を考える必要があるわけだが、その辺はどのようにやっているのだろうかとゴウキはそこが少し気になった。自分に変わるタフな壁役を見つけたのだろうか。
「ゴウキ」
クレア達についてあれこれ考えていると、いつの間にか隣にデニスが立っていた。相も変わらず気配が感じなかったので、驚きのあまりくわえていた煙草を思わず地面に落としてしまう。
「・・・考え事かい?」
そう訊いてくるデニスは、どこかクレア達のことを考えているゴウキの頭の中を見透かしてきているような気がした。
「いや、ちょっと顔がヒリヒリするからよ。夜風で冷ましたくてな」
なんとなく適当にそう言って誤魔化すゴウキ。未練があるようにクレア達のことを考えていたことを悟られたくなかった気持ちが彼の中に少しあったからだ。
「あぁ、中々酷い目にあったね」
ゴウキの顔は超回復で大分治ってはいるが、まだ少し頬の痣は残っている。
「けど・・・今日のことはゴウキも悪いよ」
デニスにしては珍しく、ゴウキを責める口調だった。ゴウキはデニスのそんな一面にギョッとする。
「ゴウキが彼女達に対して曖昧な態度ばかり取り続けるから、ああいうことになるんだ」
デニスは表情も口調も穏やかなはずだったが、それでも明らかにゴウキを責めている雰囲気は伝わってきた。
雰囲気もそうだが、デニスの言うことも尤もなのでゴウキには返す言葉が無かった。
「ゴウキはどうも近しい人間との関係には優柔不断になるときがあるね。けど、きちんと気持ちの整理はつけて、割り切れるものは割り切らないと駄目だと思うよ」
デニスはそれだけ言って店の中へ戻っていった。
ゴウキはデニスの言葉を頭の中で反芻させる。今の言葉はスミレ達とのことだけでなく、クレア達のことについても言われているような気がして、ゴウキは大きく溜め息をついた。
「そうだよな、割り切るものは割り切る。まずはこれからだな」
そう言ってゴウキは新たに一本煙草を取り出し、口にくわえたまま店に入った。
これ以降、ゴウキがクレア達のことを考える機会は少しだけ減った。
おもむろに煙草を口にくわえて火を着け、ぼうっと夜空を眺める。
(いよいよ本当に再出発になっちまったな)
当初考えていた計画とは違うが、何はともあれ冒険者として新しいスタートを切ることが出来た。
バタバタしていたせいか考えることもなかったが、今になってこうして落ち着いてみると、今更になって勇者パーティーを外され、再出発した事実を自覚するようになる。
(今頃何してるかな)
ゴウキは元仲間のクレア達のことを考える。
また取材で見栄えの良い演出を意識しながら冒険ごっこをしているのだろうか。それともたまには強敵と戦っているのだろうか。
いずれにせよ今のゴウキには関係の無い話だが、今のクレア達が魔物との戦闘になったとき、自分がいなくなった分これまでとは違う戦術を考える必要があるわけだが、その辺はどのようにやっているのだろうかとゴウキはそこが少し気になった。自分に変わるタフな壁役を見つけたのだろうか。
「ゴウキ」
クレア達についてあれこれ考えていると、いつの間にか隣にデニスが立っていた。相も変わらず気配が感じなかったので、驚きのあまりくわえていた煙草を思わず地面に落としてしまう。
「・・・考え事かい?」
そう訊いてくるデニスは、どこかクレア達のことを考えているゴウキの頭の中を見透かしてきているような気がした。
「いや、ちょっと顔がヒリヒリするからよ。夜風で冷ましたくてな」
なんとなく適当にそう言って誤魔化すゴウキ。未練があるようにクレア達のことを考えていたことを悟られたくなかった気持ちが彼の中に少しあったからだ。
「あぁ、中々酷い目にあったね」
ゴウキの顔は超回復で大分治ってはいるが、まだ少し頬の痣は残っている。
「けど・・・今日のことはゴウキも悪いよ」
デニスにしては珍しく、ゴウキを責める口調だった。ゴウキはデニスのそんな一面にギョッとする。
「ゴウキが彼女達に対して曖昧な態度ばかり取り続けるから、ああいうことになるんだ」
デニスは表情も口調も穏やかなはずだったが、それでも明らかにゴウキを責めている雰囲気は伝わってきた。
雰囲気もそうだが、デニスの言うことも尤もなのでゴウキには返す言葉が無かった。
「ゴウキはどうも近しい人間との関係には優柔不断になるときがあるね。けど、きちんと気持ちの整理はつけて、割り切れるものは割り切らないと駄目だと思うよ」
デニスはそれだけ言って店の中へ戻っていった。
ゴウキはデニスの言葉を頭の中で反芻させる。今の言葉はスミレ達とのことだけでなく、クレア達のことについても言われているような気がして、ゴウキは大きく溜め息をついた。
「そうだよな、割り切るものは割り切る。まずはこれからだな」
そう言ってゴウキは新たに一本煙草を取り出し、口にくわえたまま店に入った。
これ以降、ゴウキがクレア達のことを考える機会は少しだけ減った。
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