1 / 1
0で1.始まり。
しおりを挟む
21時。
夜中に入るのか入らないのか分からないような時間帯。
最近の日課は夜の町を散歩すること。
今日はいつもと違う方向へ歩いていくことにした。
今日の空は満月で綺麗な月明かりが空から降っている。
星は残念ながらあまりないけどとても散歩日和な夜ではないではないか。
空を見上げながら歩いていると少し先に公園を見つけた。公園は誰もいない。
まぁこんな夜中だし当たり前だけど…。
歩き始めて数十分、少し疲れてきたし公園のベンチでひと休み。
ひと休みしていると公園に入ってくる足音がした。
まぁ私以外にも来る人もいるよね、
そう思いながら月の観察を開始した。
観察をしてたら隣に誰か座ったのを感じた。
こんなにほかにもベンチがあるのにわざわざ隣に座るなんて…。
誰かと思い隣を見ると
スーツを着た男の人。
よく見るとほとんど寝ている気がする。
「あ、あの!」
「……ん?」
「こんなところで寝てると風邪引きますよ」
全然知らない人だけどこの人はもうすぐ死にそうなぐらい疲れてそうだったのでなんだか気になって声をかけてしまった。
「あ、すみません」
「いや、こちらこそ。」
「もし良かったらお話しませんか?」
なんだかこの人と話したくてそう聞くとその男の人は困ったように「はい…」と答えてくれた。確かにいきなりそんなこと言われたら困るよね。
「お兄さんはこんなところで何してるんですか?」
「…仕事帰りで。」
「なんの仕事してるんですか?」
「ただのサラリーマンだよ。」
そんなたわいもない質問をしていくとお兄さんがどんな人なのかある程度わかった気がする。
お兄さんは桜庭 晴香さん。
サラリーマンで普段は企画を担当しているらしい。会社からの帰り道にふらっとほぼ無意識にこの公園に来たらしい。
「桜庭さんは毎日楽しいですか?」
「…君は楽しくないの?」
「楽しいですよ?」
桜庭さんに楽しくないの?って聞かれて少し迷ってしまった。
確かに楽しいことに否定はしない。
だけど楽しいことより辛いこととかしんどいことが多いことも事実。
「俺は楽しくないよ」
「え?」
「…楽しいない。だって残業して怒られての繰り返し、君みたいに話しかけてくれる人がいないと人と話すことも少ない。
そんな人生楽しくないよ。」
「そうですよね。
私、楽しいけど辛いんですよね。」
桜庭さんが楽しくないそうはっきり言うてくれたから、私も話しても大丈夫だと小さなきっかけだけどそう思った。
「…何かあるなら俺でいいなら聞くよ。」
「何も無いかな、でも辛い。
学校にも友達はいるし、家族はあんまり仲良くないけど楽しいことは毎日ある。」
「そう、友達って本当の友達?」
「…分からない。」
本当の友達って何。
私はずっと考えてること。
学校の皆はなんだか友達という都合のいい人と固まっているように思えるでもそれの中に私が入ってるのも事実だし、抜けれるような強さなんか持っていない。
「僕もね、君みたいな歳の時、同じこと考えてたんだよ。
なんで毎日楽しいのにしんどいって思うんだろうってでも考えても分からないからもう考えなくなってた。
でもある日、知り合いの大人に言われたの、本当の友達はいる?って、
僕は本当の友達って考えても分からないからその人に聞いてみたの、そしたらその人は真剣なことを話してもふざけないで笑わないで聞いて真剣に考えてくれる人って言った。」
「私はそんな人に出逢えたことないかも。」
「俺もだよ。誰かにそんな真剣な話出来ないよね、親にも難しいのに。」
そうだよね。
親に真剣な話することすら話をそらされたり、笑われたりするって思うとできないのに、友達になんかそんなこと言えない。
「桜庭さんは笑いますか?」
「俺は笑わないよ。
その話を聞いてから真剣なことは真剣にって思ってるから。」
そういう桜庭さんを見て、私はこの人は信用できる人だって知り合って数十分なのにそう思ってしまった。
そんな人を自らの手で手放すなんてそんなもったいないのことはできない。
そして私はこの人の事持って知りたい、もっとこの人と色々話したいって思ったから。
「あの!」
「ん?」
「初対面だけど桜庭さんと最も話したいし最も知りたいって思ったのでまたあって貰えませんか?」
「…ふふ、いいよ。
じゃ連絡先交換しようか。」
そうして桜庭さんと連絡先を交換して、私はるんるんで家に帰った。
それからのお話はまた今度…。
夜中に入るのか入らないのか分からないような時間帯。
最近の日課は夜の町を散歩すること。
今日はいつもと違う方向へ歩いていくことにした。
今日の空は満月で綺麗な月明かりが空から降っている。
星は残念ながらあまりないけどとても散歩日和な夜ではないではないか。
空を見上げながら歩いていると少し先に公園を見つけた。公園は誰もいない。
まぁこんな夜中だし当たり前だけど…。
歩き始めて数十分、少し疲れてきたし公園のベンチでひと休み。
ひと休みしていると公園に入ってくる足音がした。
まぁ私以外にも来る人もいるよね、
そう思いながら月の観察を開始した。
観察をしてたら隣に誰か座ったのを感じた。
こんなにほかにもベンチがあるのにわざわざ隣に座るなんて…。
誰かと思い隣を見ると
スーツを着た男の人。
よく見るとほとんど寝ている気がする。
「あ、あの!」
「……ん?」
「こんなところで寝てると風邪引きますよ」
全然知らない人だけどこの人はもうすぐ死にそうなぐらい疲れてそうだったのでなんだか気になって声をかけてしまった。
「あ、すみません」
「いや、こちらこそ。」
「もし良かったらお話しませんか?」
なんだかこの人と話したくてそう聞くとその男の人は困ったように「はい…」と答えてくれた。確かにいきなりそんなこと言われたら困るよね。
「お兄さんはこんなところで何してるんですか?」
「…仕事帰りで。」
「なんの仕事してるんですか?」
「ただのサラリーマンだよ。」
そんなたわいもない質問をしていくとお兄さんがどんな人なのかある程度わかった気がする。
お兄さんは桜庭 晴香さん。
サラリーマンで普段は企画を担当しているらしい。会社からの帰り道にふらっとほぼ無意識にこの公園に来たらしい。
「桜庭さんは毎日楽しいですか?」
「…君は楽しくないの?」
「楽しいですよ?」
桜庭さんに楽しくないの?って聞かれて少し迷ってしまった。
確かに楽しいことに否定はしない。
だけど楽しいことより辛いこととかしんどいことが多いことも事実。
「俺は楽しくないよ」
「え?」
「…楽しいない。だって残業して怒られての繰り返し、君みたいに話しかけてくれる人がいないと人と話すことも少ない。
そんな人生楽しくないよ。」
「そうですよね。
私、楽しいけど辛いんですよね。」
桜庭さんが楽しくないそうはっきり言うてくれたから、私も話しても大丈夫だと小さなきっかけだけどそう思った。
「…何かあるなら俺でいいなら聞くよ。」
「何も無いかな、でも辛い。
学校にも友達はいるし、家族はあんまり仲良くないけど楽しいことは毎日ある。」
「そう、友達って本当の友達?」
「…分からない。」
本当の友達って何。
私はずっと考えてること。
学校の皆はなんだか友達という都合のいい人と固まっているように思えるでもそれの中に私が入ってるのも事実だし、抜けれるような強さなんか持っていない。
「僕もね、君みたいな歳の時、同じこと考えてたんだよ。
なんで毎日楽しいのにしんどいって思うんだろうってでも考えても分からないからもう考えなくなってた。
でもある日、知り合いの大人に言われたの、本当の友達はいる?って、
僕は本当の友達って考えても分からないからその人に聞いてみたの、そしたらその人は真剣なことを話してもふざけないで笑わないで聞いて真剣に考えてくれる人って言った。」
「私はそんな人に出逢えたことないかも。」
「俺もだよ。誰かにそんな真剣な話出来ないよね、親にも難しいのに。」
そうだよね。
親に真剣な話することすら話をそらされたり、笑われたりするって思うとできないのに、友達になんかそんなこと言えない。
「桜庭さんは笑いますか?」
「俺は笑わないよ。
その話を聞いてから真剣なことは真剣にって思ってるから。」
そういう桜庭さんを見て、私はこの人は信用できる人だって知り合って数十分なのにそう思ってしまった。
そんな人を自らの手で手放すなんてそんなもったいないのことはできない。
そして私はこの人の事持って知りたい、もっとこの人と色々話したいって思ったから。
「あの!」
「ん?」
「初対面だけど桜庭さんと最も話したいし最も知りたいって思ったのでまたあって貰えませんか?」
「…ふふ、いいよ。
じゃ連絡先交換しようか。」
そうして桜庭さんと連絡先を交換して、私はるんるんで家に帰った。
それからのお話はまた今度…。
0
お気に入りに追加
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
【6】冬の日の恋人たち【完結】
ホズミロザスケ
ライト文芸
『いずれ、キミに繋がる物語』シリーズの短編集。君彦・真綾・咲・総一郎の四人がそれぞれ主人公になります。全四章・全十七話。
・第一章『First step』(全4話)
真綾の家に遊びに行くことになった君彦は、手土産に悩む。駿河に相談し、二人で買いに行き……。
・第二章 『Be with me』(全4話)
母親の監視から離れ、初めて迎える冬。冬休みの予定に心躍らせ、アルバイトに勤しむ総一郎であったが……。
・第三章 『First christmas』(全5話)
ケーキ屋でアルバイトをしている真綾は、目の回る日々を過ごしていた。クリスマス当日、アルバイトを終え、君彦に電話をかけると……?
・第四章 『Be with you』(全4話)
1/3は総一郎の誕生日。咲は君彦・真綾とともに総一郎に内緒で誕生日会を企てるが……。
※当作品は「カクヨム」「小説家になろう」にも同時掲載しております。(過去に「エブリスタ」にも掲載)
【9】やりなおしの歌【完結】
ホズミロザスケ
ライト文芸
雑貨店で店長として働く木村は、ある日道案内した男性から、お礼として「黄色いフリージア」というバンドのライブチケットをもらう。
そのステージで、かつて思いを寄せていた同級生・金田(通称・ダダ)の姿を見つける。
終演後の楽屋で再会を果たすも、その後連絡を取り合うこともなく、それで終わりだと思っていた。しかし、突然、金田が勤務先に現れ……。
「いずれ、キミに繋がる物語」シリーズ9作目。(登場する人物が共通しています)。単品でも問題なく読んでいただけます。
※当作品は「カクヨム」「小説家になろう」にも同時掲載しております。
人違いラブレターに慣れていたので今回の手紙もスルーしたら、片思いしていた男の子に告白されました。この手紙が、間違いじゃないって本当ですか?
石河 翠
恋愛
クラス内に「ワタナベ」がふたりいるため、「可愛いほうのワタナベさん」宛のラブレターをしょっちゅう受け取ってしまう「そうじゃないほうのワタナベさん」こと主人公の「わたし」。
ある日「わたし」は下駄箱で、万年筆で丁寧に宛名を書いたラブレターを見つける。またかとがっかりした「わたし」は、その手紙をもうひとりの「ワタナベ」の下駄箱へ入れる。
ところが、その話を聞いた隣のクラスのサイトウくんは、「わたし」が驚くほど動揺してしまう。 実はその手紙は本当に彼女宛だったことが判明する。そしてその手紙を書いた「地味なほうのサイトウくん」にも大きな秘密があって……。
「真面目」以外にとりえがないと思っている「わたし」と、そんな彼女を見守るサイトウくんの少女マンガのような恋のおはなし。
小説家になろう及びエブリスタにも投稿しています。
扉絵は汐の音さまに描いていただきました。
【完結】雨上がり、後悔を抱く
私雨
ライト文芸
夏休みの最終週、海外から日本へ帰国した田仲雄己(たなか ゆうき)。彼は雨之島(あまのじま)という離島に住んでいる。
雄己を真っ先に出迎えてくれたのは彼の幼馴染、山口夏海(やまぐち なつみ)だった。彼女が確実におかしくなっていることに、誰も気づいていない。
雨之島では、とある迷信が昔から吹聴されている。それは、雨に濡れたら狂ってしまうということ。
『信じる』彼と『信じない』彼女――
果たして、誰が正しいのだろうか……?
これは、『しなかったこと』を後悔する人たちの切ない物語。
大人な軍人の許嫁に、抱き上げられています
真風月花
恋愛
大正浪漫の恋物語。婚約者に子ども扱いされてしまうわたしは、大人びた格好で彼との逢引きに出かけました。今日こそは、手を繋ぐのだと固い決意を胸に。
三度目の庄司
西原衣都
ライト文芸
庄司有希の家族は複雑だ。
小学校に入学する前、両親が離婚した。
中学校に入学する前、両親が再婚した。
両親は別れたりくっついたりしている。同じ相手と再婚したのだ。
名字が大西から庄司に変わるのは二回目だ。
有希が高校三年生時、両親の関係が再びあやしくなってきた。もしかしたら、また大西になって、また庄司になるかもしれない。うんざりした有希はそんな両親に抗議すべく家出を決行した。
健全な家出だ。そこでよく知ってるのに、知らない男の子と一夏を過ごすことになった。有希はその子と話すうち、この境遇をどうでもよくなってしまった。彼も同じ境遇を引き受けた子供だったから。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる