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1.オスカー伯爵家

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実家を出てから止まることなく揺れ動いていた馬車が止まった。
きっとオスカー伯爵家に着いたのだろう

コンコン
「オスカー伯爵家に到着致しました」

「ありがとうございます」

馬車の扉が開き、出迎えてくれたのは家来の方ではなく、礼服を着たとても顔の整っている男性だった。

「お手を」

「ありがとうございます」

馬車からおり、屋敷へエスコートされる

「ようこそオスカー家へ」

屋敷の中には家来が並んで出迎えてくれた

「初めまして、オスカー家当主そして王国騎士団隊長も務めております。フィリック・オスカーと申します」

案内してくれた男性は私の婚約者となる人だった。アンジェから聞いていた話とは全く違う人だったので安心した

良くても執事の方が一人いるぐらいだと思っていたのでフィリック様本人が迎えてくれるとは思っていなかった

「挨拶が遅くなり申し訳ございません。
アルケルト子爵家が長女のスティーナ・アルケルトと申します。この度はこのようなお話をありがとうございます。これよりよろしくお願い致します」

やり慣れていないカテーシーを行う
幼少期でのレッスン以降していないので見るのも耐えないものだろう

そんなことフィリック様は気にしていないのかこれからの予定を話す

「本日少し仕事が溜まっており、案内は執事長を務めているハリスに任せます。では夕食の時にまた会いましょう」

そう言ってフィリック様は仕事へ行った

完全に姿が見えなくなってからもう一度残った皆様へ挨拶をした

その後ハリス様に屋敷を案内してもらった

「こちらが庭園になっております」

「ハリス様……」

「スティーナ様、私共へ様はいりません敬語も同様です。私のことはハリスとお呼びください」

「はい、すみません」

それから庭園の中そして最後には私室へ案内してもらった

それからトランス一つに詰められた荷物を解いているとコンコンと扉をノックされる

「はい」

「失礼致します。これよりスティーナ様に仕えさせて頂くものです」

「どうぞ」

入ってきた侍女は一人で名はシンシア

「これからよろしくお願いします。
スティーナと申します」

「スティーナ様。そのように使用人へ遜られては当主婚約者として他のものに示しがつきません」

「申し訳ございません。気をつけます」

「……謝るのも辞めましょう」

「……はい」

見た目によらずシンシアははっきりと言ってくれるので変に思われるかもしれないけれど嬉しく思う
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