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第2の章 終焉への階段
Ⅲ
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駅でタイトなジーパンに着替えて、ジャケットを羽織った。
肌寒くなってきたな、って最近よく思う。
慣れてきた繁華街も秋めいた装いが増えたけど、やっぱり季節感のない薄い生地の服が目立つ。
ネオンがひとつ、ふたつ灯しだしたころ、あたしは斜めにかけたポシェットの紐を握りながら喧騒の中を抜けた。
路地裏に入ったところで、人の話し声が聞こえた気がした。
普段、外の喧騒と真逆なほどに静かな路地裏。
珍しいなって、ちょっと気になってしまった。
引っ張られるように声のほうに近づいた。
「だって、好きだって言ったじゃない!」
叫んだのは女性の声だ。
目に入ったのは絡み合った男女。
女性は彼にしがみついて、怒りの声を上げている。
彼女はあたしに背を向けていたけど、男性の方は不意に目があった。
―――やばっ。
思ったのは、あたしだけだった。
彼はあたしと目があったのに、少しも戸惑うこともなく、ニコッと笑った。
「うん。好きだよ。君も、他の女の子たちもみんな、同じように好きだよ」
茶髪の王子様然とした彼は、笑顔で信じられないことを口にした。
あたしは唖然として、似非王子を見てしまった。
「もういい! もう二度と、お店には行かないから!」
女性は男の胸をドンッと押すと、あたしのほうにクルッと踵を返した。
踵を返した彼女に、あたしは逃げ場もなく、向かい合ってしまった。
最初、驚いた様子の彼女はすぐに、目をキッと吊り上げた。
「あんたも、恋の客? 精々、馬鹿な夢を見ることね。どうせ、そのうち裏切られるんだから!」
「はい?」
―――なんで、あたしが怒鳴られなきゃいけないの!?
驚いて声を失ったあたしに、彼女は足早にすれ違っていった。
「ごめんね。彼女、今日はちょっと機嫌が悪いみたいで」
似非王子があたしの傍に近づいてきた。
前髪を左よりに分けて、斜めに流した彼は、さらさらの髪を左手でかきあげた。
色素の薄い茶色の瞳に、スッと通った鼻筋。
耳にはサファイヤのような青いピアスがキラメていた。
「いや、機嫌が悪いっていうか―――」
似非王子の言葉が、彼女のテンションとあまりに差があるように感じた。
「ん? まぁ、よくあることだから」
怒鳴った彼女の言葉など少しも、似非王子には響いていないように見えた。
「たぶん、よくあることなんて言っちゃダメだと思いますよ。さっき泣いていた人は、あなたのことが好きで、その気持ちを分かってほしかったんだと思いますし」
つい、お節介な気持ちが込み上げてしまった。
彼女の怒りと悲しみがきっと、伝染してしまったんだ。
「ふーん」
「―――興味なさそうですね」
「興味っていうか」
似非王子は口元に手を当てて、ククッと笑った。
「あなたはさっきの数秒の出来事で、彼女が被害者、僕が加害者だと思っているみたいだけど」
「いや、そこまでは言ってないですけど―――」
似非王子は、あたしに向かって細く白い腕を伸ばしてきた。
あたしの頬に指先が触れた。
ぎょっとしたあたしは、一歩後退った。
「世の中、見えているものが真実とは限らない」
「―――あっ」
確かに。
あたしがわかった風に口にして、彼にぶつけた言葉は浅はかだったと思った。
「ごめ―――」
「謝らなくていい。あなたはきっと、真っ直ぐな人なんだろうね」
「えっ?」
似非王子は笑みを浮かべたまま、あたしに一歩、また一歩と近づいてくる。
時雨と同じように大人の色気を駄々洩れしている似非王子。
時雨からは感じたことのない恐怖を感じて、怖くなって一歩、また一歩、と後退ったあたしは、背後で壁にぶち当たった。
逃げ場が無くなったあたしは、似非王子を見上げた。
色素の薄い茶色瞳に、恐怖に青ざめたあたしが映し出されていた。
―――壁ドンって好きな人じゃない人にされると、こんなに気持ち悪いもんなんだ
「あなたの持つ真っ直ぐさや清純さは、若さの中で生まれる一瞬の美だね」
言葉を吐き出すような似非王子が息苦しそうに見えて、あたしは一瞬、油断をしてしまった。
固まったあたしに、彼の顔が迫った。
逃げなきゃと思ったと同時に、彼の唇があたしの唇に重なっていた。
―――なんで?!
頭の中が真っ白になって、同時に背筋がぞくっとした。
気味が悪くなって彼の胸をドンッと両腕に力を込めて押し返した。
彼はすぐにあたしから退いて、一歩退いた。
彼との間に隙間が生まれた瞬間、あたしは走って逃げた。
キス。
好きじゃない人とのキスがこんなにも気持ち悪いものだなんて思わなかった。
******************************
追いかけてくるわけないけれど、背中から恐怖が込み上げてくるような気がした。
今の出来事も、消えない恐怖も、振り切るように、走った。
乾燥した空気に息が切れる。
古びた階段も、走った勢いのまま駆け下りると、時雨の店に飛び込んだ。
「おや、どうかしましたか?」
客がいなかったようで、時雨はカウンターに腰を掛けていた。
立ち止まって大きく息を吸い込んだら、ワンルームの中に広がった煙臭さに気が付いた。
「あっ、すみませんね。君が来るときは控えていたんですが」
時雨は、人差し指と長い指で煙草を挟んで、フッと息を吐いていた。
―――時雨、タバコ、吸うんだ。
時雨がサッと、火を消そうとしたのを見て、慌てて「大丈夫だから!」と止めた。
煙草を片手に、笑う時雨はいつもよりも、リラックスしているように見えた。
少し気の抜けたような感じにキュンッと心臓が音を立てた。
「時雨は煙草を吸う人だったんだね」
「そうですね。ヘビースモーカーとは言わないですけどね」
高校生のあたしには、煙草一本とっても大人の証のように見えた。
煙の先にいる彼は、あたしよりもずっと先に階段を上がっている人だ。
「そんなに急いで、どうかしましたか?」
穏やかにほほ笑んだ時雨に、つい数分前の悪夢のような出来事なんて馬鹿みたいに思えた。
パッと世界が色鮮やかに、入れ替わる。
「大したことじゃないの。時雨の顔を見たら、忘れちゃった」
「おや、君も言うようになりましたね」
タバコを持つ手で口元を隠しながら、時雨は喉を鳴らすように笑った。
「ねぇ、時雨」
あたしはカウンターに近寄って、煙草を持っていない彼の手に触れた。
長い指先。
触れた瞬間、突如として高鳴る胸の音で、周りの音が遮断された。
「あたしにも煙草、吸わせて?」
近寄ったあたしに、時雨は少し目を見開いた。
だけど、すぐに口角をクイッと持ち上げてあたしを見る。
視線にとらわれて息をすることも忘れたあたしに、彼はゆったりとした仕草でもう一度煙草を口にくわえた。
時雨の仕草から目が離せなくて、黙って彼を見つめたあたし。
薄い唇の隙間から紫煙を吐き出しかと思うと、もろに顔に当たった。
ゴホッと息を吐き出したあたしに、時雨はふふっと笑った。
「高校生が何を、言っているんですか?」
「いいじゃない、少しぐらい。時雨だって、きっと成人する前から吸っているでしょう?」
「さぁ。私は君と違って、品行方正だったので」
決して品行方正に見えないのに、目に見える嘘をつく人。
あたしがチラッと睨んでみても、時雨は微笑むだけしかしてくれなかった。
肌寒くなってきたな、って最近よく思う。
慣れてきた繁華街も秋めいた装いが増えたけど、やっぱり季節感のない薄い生地の服が目立つ。
ネオンがひとつ、ふたつ灯しだしたころ、あたしは斜めにかけたポシェットの紐を握りながら喧騒の中を抜けた。
路地裏に入ったところで、人の話し声が聞こえた気がした。
普段、外の喧騒と真逆なほどに静かな路地裏。
珍しいなって、ちょっと気になってしまった。
引っ張られるように声のほうに近づいた。
「だって、好きだって言ったじゃない!」
叫んだのは女性の声だ。
目に入ったのは絡み合った男女。
女性は彼にしがみついて、怒りの声を上げている。
彼女はあたしに背を向けていたけど、男性の方は不意に目があった。
―――やばっ。
思ったのは、あたしだけだった。
彼はあたしと目があったのに、少しも戸惑うこともなく、ニコッと笑った。
「うん。好きだよ。君も、他の女の子たちもみんな、同じように好きだよ」
茶髪の王子様然とした彼は、笑顔で信じられないことを口にした。
あたしは唖然として、似非王子を見てしまった。
「もういい! もう二度と、お店には行かないから!」
女性は男の胸をドンッと押すと、あたしのほうにクルッと踵を返した。
踵を返した彼女に、あたしは逃げ場もなく、向かい合ってしまった。
最初、驚いた様子の彼女はすぐに、目をキッと吊り上げた。
「あんたも、恋の客? 精々、馬鹿な夢を見ることね。どうせ、そのうち裏切られるんだから!」
「はい?」
―――なんで、あたしが怒鳴られなきゃいけないの!?
驚いて声を失ったあたしに、彼女は足早にすれ違っていった。
「ごめんね。彼女、今日はちょっと機嫌が悪いみたいで」
似非王子があたしの傍に近づいてきた。
前髪を左よりに分けて、斜めに流した彼は、さらさらの髪を左手でかきあげた。
色素の薄い茶色の瞳に、スッと通った鼻筋。
耳にはサファイヤのような青いピアスがキラメていた。
「いや、機嫌が悪いっていうか―――」
似非王子の言葉が、彼女のテンションとあまりに差があるように感じた。
「ん? まぁ、よくあることだから」
怒鳴った彼女の言葉など少しも、似非王子には響いていないように見えた。
「たぶん、よくあることなんて言っちゃダメだと思いますよ。さっき泣いていた人は、あなたのことが好きで、その気持ちを分かってほしかったんだと思いますし」
つい、お節介な気持ちが込み上げてしまった。
彼女の怒りと悲しみがきっと、伝染してしまったんだ。
「ふーん」
「―――興味なさそうですね」
「興味っていうか」
似非王子は口元に手を当てて、ククッと笑った。
「あなたはさっきの数秒の出来事で、彼女が被害者、僕が加害者だと思っているみたいだけど」
「いや、そこまでは言ってないですけど―――」
似非王子は、あたしに向かって細く白い腕を伸ばしてきた。
あたしの頬に指先が触れた。
ぎょっとしたあたしは、一歩後退った。
「世の中、見えているものが真実とは限らない」
「―――あっ」
確かに。
あたしがわかった風に口にして、彼にぶつけた言葉は浅はかだったと思った。
「ごめ―――」
「謝らなくていい。あなたはきっと、真っ直ぐな人なんだろうね」
「えっ?」
似非王子は笑みを浮かべたまま、あたしに一歩、また一歩と近づいてくる。
時雨と同じように大人の色気を駄々洩れしている似非王子。
時雨からは感じたことのない恐怖を感じて、怖くなって一歩、また一歩、と後退ったあたしは、背後で壁にぶち当たった。
逃げ場が無くなったあたしは、似非王子を見上げた。
色素の薄い茶色瞳に、恐怖に青ざめたあたしが映し出されていた。
―――壁ドンって好きな人じゃない人にされると、こんなに気持ち悪いもんなんだ
「あなたの持つ真っ直ぐさや清純さは、若さの中で生まれる一瞬の美だね」
言葉を吐き出すような似非王子が息苦しそうに見えて、あたしは一瞬、油断をしてしまった。
固まったあたしに、彼の顔が迫った。
逃げなきゃと思ったと同時に、彼の唇があたしの唇に重なっていた。
―――なんで?!
頭の中が真っ白になって、同時に背筋がぞくっとした。
気味が悪くなって彼の胸をドンッと両腕に力を込めて押し返した。
彼はすぐにあたしから退いて、一歩退いた。
彼との間に隙間が生まれた瞬間、あたしは走って逃げた。
キス。
好きじゃない人とのキスがこんなにも気持ち悪いものだなんて思わなかった。
******************************
追いかけてくるわけないけれど、背中から恐怖が込み上げてくるような気がした。
今の出来事も、消えない恐怖も、振り切るように、走った。
乾燥した空気に息が切れる。
古びた階段も、走った勢いのまま駆け下りると、時雨の店に飛び込んだ。
「おや、どうかしましたか?」
客がいなかったようで、時雨はカウンターに腰を掛けていた。
立ち止まって大きく息を吸い込んだら、ワンルームの中に広がった煙臭さに気が付いた。
「あっ、すみませんね。君が来るときは控えていたんですが」
時雨は、人差し指と長い指で煙草を挟んで、フッと息を吐いていた。
―――時雨、タバコ、吸うんだ。
時雨がサッと、火を消そうとしたのを見て、慌てて「大丈夫だから!」と止めた。
煙草を片手に、笑う時雨はいつもよりも、リラックスしているように見えた。
少し気の抜けたような感じにキュンッと心臓が音を立てた。
「時雨は煙草を吸う人だったんだね」
「そうですね。ヘビースモーカーとは言わないですけどね」
高校生のあたしには、煙草一本とっても大人の証のように見えた。
煙の先にいる彼は、あたしよりもずっと先に階段を上がっている人だ。
「そんなに急いで、どうかしましたか?」
穏やかにほほ笑んだ時雨に、つい数分前の悪夢のような出来事なんて馬鹿みたいに思えた。
パッと世界が色鮮やかに、入れ替わる。
「大したことじゃないの。時雨の顔を見たら、忘れちゃった」
「おや、君も言うようになりましたね」
タバコを持つ手で口元を隠しながら、時雨は喉を鳴らすように笑った。
「ねぇ、時雨」
あたしはカウンターに近寄って、煙草を持っていない彼の手に触れた。
長い指先。
触れた瞬間、突如として高鳴る胸の音で、周りの音が遮断された。
「あたしにも煙草、吸わせて?」
近寄ったあたしに、時雨は少し目を見開いた。
だけど、すぐに口角をクイッと持ち上げてあたしを見る。
視線にとらわれて息をすることも忘れたあたしに、彼はゆったりとした仕草でもう一度煙草を口にくわえた。
時雨の仕草から目が離せなくて、黙って彼を見つめたあたし。
薄い唇の隙間から紫煙を吐き出しかと思うと、もろに顔に当たった。
ゴホッと息を吐き出したあたしに、時雨はふふっと笑った。
「高校生が何を、言っているんですか?」
「いいじゃない、少しぐらい。時雨だって、きっと成人する前から吸っているでしょう?」
「さぁ。私は君と違って、品行方正だったので」
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