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第3章 冒険者活動

第10話 魔獣スキルの取得

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キャンドラに聖女スキルが発動したことにより、ほぼ全員がある一定のステータスを得た事になる。人間としての基本ステータス100を超え(+※※※)により、700近くのステータスを手に入れた。ガーラに関しては、これに当たらないが…

ユウマは、覚悟を決め銀の指輪から、アイテムを取り出す。【特殊スキルキャンディー】赤・青・緑の色をした飴である。

「「何だそれ?(ですの?)」」
皆んなが不思議そうに顔を見合う。

「余り、使いたくは無いんだが基本的肉体能力は、人間種として限界に近い。そこで魔獣特有のスキルを奪い能力を更にアップするマル秘アイテムだ。」
ユウマが軽く説明する。

「そんなの有るなら、初めから配れば能力がすぐにアップして強く慣れたんじゃないか?」
アランが実に簡単に質問する。

ユウマは頭を捻り答える。
「もし、肉体的能力が低いまま魔獣特有のスキルを使ったら如何なるでしょう?」

キャンドラが答える
「筋肉や骨が耐えきれず、魔力も足りないから使い物になりませんわ。」

「正解!実はお祖父様も、この飴を手に入れた時、それ程強くなかったらしい。だから使わずステータスアップポーションと魔眼鑑定で観察を行い、使い始めたのはステータス100(+500)からだそうだ。とても甘い香りがするが危険なアイテムだ。気をつけてくれ。」

ユウマは、初めてお祖父様から教わった事をそのまま伝えた。

「なるほどね。知らずに使うと身を滅ぼすってやつか!よくよく考えると怖いな。」
アランも理解し、皆も納得してる。

「でも、それを何故今使おうと判断したんだ?」
アランの問いにユウマは、情けなさそうに

「俺達の今の力では、7大巨塔のダンジョンは、攻略できない。どころか魔族にも負ける。使徒である俺。聖女に至ったキャンドラに神の伴侶ガーラ、アランとアルミスが居てもだ。お祖父様が言っていたレベル700とは、ステータス値だと思っていた俺が甘かったのだが火の塔で思い知らされた。基礎能力と特殊武器だけでは勝てないと!お祖父様の言っていたレベル700とは、魔獣スキルを加えての事だと気がついた。」

反省しきりのユウマに、

「気がついたユウマが凄いよ。そして、やはりSランクに達したガロン様もね。宜しく頼む。」

アランが頭を下げる。

「「「お願いします。ついていきます。」」」
女性陣もやる気満々だ。

「よし、軽く説明する。赤は定着、青は消去、緑は、融合だ。」

「ちょっと、まて!赤、青は理解したが緑の融合って何だよ」

「緑の融合は、同じ種類のスキルを融合して更にパワーアップしスキルを増大させる。例えば、俊敏150と俊敏200を結合すると俊敏350となる。力、体力、魔力等基本的人間が持つ能力だ。赤は、魔獣しかないステータス、ブレスとか毒生成だな。極端だが!」

「おっと、赤はそこまで出来るのか?かなり優秀だな!」
アランの問いに

「甘い!よく考えないと死ぬぞ!例えば、毒耐性が無いのに毒生成を使えば死ぬ!」
ユウマが当たり前のように答える。

「使いこなすには、ステータスが基本になるのか!やはり…ヤバイ薬だな。それ!」

「あぁ!だから、これも皆んなに渡しておく。【片眼鏡】だ。基本鑑定が出来るからステータスを確認して、定着か除去を選んでくれ。」

「はいはい!如何やって定着やら除去をするの?オーク肉を食べても平気なのに?」
アルミスが当たり前のように質問する。

「よく気がついたな。答えは魔石だ!魔力の中にスキル要素が有る。魔獣は、全て魔石を通し力を使う。だから魔石を鑑定して吸収し取捨選択をする。滅多にお目にかかれないスキルがあれば何度でも挑戦して融合する。基本だ。」

ユウマが伝えた事を理解して処理する能力は、皆んなに付いている。低魔獣の魔石に価値が無いことすら話さなくても解る。

「これからは、討伐が楽しくなりそうね。」
ガーラが興味津々で発言すると皆んな、同じ気持ちのようだ。

「飽く迄も使用は自由だ。個性を伸ばすも平均を選ぶも自分の判断に任せる。」
ユウマが締めくくり話が終わる。

「大分、待たせたかな?ユウマなら既に魔獣化しててもおかしくないぜ。」
アランの質問は愚問だ。

「オイオイ。俺が国王になり今年から11歳に冒険者資格を与えたんだぜ。それが無ければ、1年間違いなく遅れていた。戦争に勝ってくれた皆んなに有り難うを言いたいくらいだ。」

ユウマは、照れながら明日からのプランを考えている。いずれ、水の塔に行くにしても今のままでは足りない。何処か良い所が無いか…。

「また、お一人でお考えですか?ユウマ様。私達も居るのですから情報は、共有しましょう。」
明るくなったキャンドラに叱られる。夢か幻か。

「いきなり、強敵に当たっても困るし、低級じゃ意味がない。使いどころに困ってる。」

ユウマは、本心を語る。

「その為のギルドでは無いですか?ユウマ様。」
アルミスの言葉に頷き、ギルドマスターへ会いに行く。

「くれぐれも、アイテムの事は、秘密にしてくれ!お祖父様の遺産だ。大事に使いたい。」

「勿論さ(ですわ)」
「戴くのに気が引けます。」
全員が同じ気持ちだろう。ユウマでさぇ、ガロンがSランク冒険者で世界中を旅して無ければ手に入らなかった品物だ。孫として誇りに思うし感謝もしている。 



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