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第3章 冒険者活動
第1話 最強新人現わる!
しおりを挟むワイ…ワイ…ガヤ…ガヤ…
「穏やかな日々だね~。アラン君…」
「何言ってんだよ。国王のくせに。あはは」
「ねぇ!今日から転入生入ってくるんだって?」
キャンドラとアルミスが話をしている。
「以前話してた、ダークエルフ?」
アルミスからそんな言葉が聞こえた。
バッ!と振り向き、反応するユウマ達。
「チョット!何でそこで反応するのですか?」
キャンドラが顰めっ面で尋ねる。
「「だって、ボン!キュン!ボン!」」
バチーン!!「「不潔!!」」
二人でハモって、ユウマとアランにビンタする。
あれから、国の統合・官僚の再編等の政が山ほどあったユウマ・フォン・シャルル国王だが、貴族・枢機卿から投票で首相を、他の必要なポストも選挙で選び国営を任せる方針を打ち出し、また冒険者登録を一年前倒しして11歳からにした。
それが、出来たのもの前回の汚職解明と今回の戦果と対応。使徒であることだった。
もうすぐ、誕生日を迎えるユウマ、アランは、興奮を隠せない。
「「他のメンバーどうしようか?」」
「っ、ハモンなよ」楽しそうなユウマたちを見てキャンドラの胸は、苦しくなる。
もう、1ヶ月早く産まれれば…
そんな時
カーン♫カーン♫カーン♫
と授業を開始する金が鳴る。
そして、ルイザ先生と一緒に入ってきたのは、ハイエルフの国、エストニア王国の第一王女
ガーラ・フォン・エストニアであった。
…誰が、ダークエルフだって?…
ユウマがボソッとキャンドラに言う。
ハイエルフが貴族だとしたら、ダークエルフは、森をかける獣ような存在で引き締まった体に、肌の色が重なりとても魅力的に見える。また、髪の色は、バラバラで各自特徴がある。
取り敢えず、軽く鑑定するユウマ…そんな!…あり得ない?…俺の苦労は、何だったんだ?…基本スペックの魔力が変わらない。そんな事が
…………。それにスキルとユニーク、弓士スキル…化物だろう…。
「気に入って貰えましたか?シャルル国王?」
見透かしたように尋ねるガーラに
「とても、素晴らしい能力をお持ちですね…」
息が詰まるような声を出し、答えるユウマ。
「皆様、改めまして。ガーラ・フォン・エストニアでございます。この学園では、変わった授業が行われていると叔父より聞きまして、転入致しました。一年ですが宜しくお願い致します。」
完璧なスピーチを行うとユウマとアランの間の席に座る。
憤りを隠せないキャンドラとアルミスだったが、そこは、貴族と侍女…。笑顔で挨拶して対応する。
「あら?可愛い半妖精をテイムしているのですね?うふっ…。」小声で喋っているが、ガーラに見つかり焦るユウマとモッフ。
授業は、魔法構文の座学であっと言う間に終わり、沢山の生徒がガーラに詰めかける。
ユウマとアランは、屋上へと退避した。
「何が視えたんだ?」
「神の伴侶候補…。」
呆れたように答えるユウマに
「はぁー!!なにそれ!」
驚くアラン。使徒の恋人とか伴侶なら理解できる。だが…神の伴侶って【女神アーリスト様】の…?
「多分だけど、女神以外にも神が居るんじゃないかな?」
ユウマが想像を口にする。
想像できないし、知識にも無い。予想しようが無い。
確定している事実しか信用しないユウマ。
それ故の、未来予知能力から来る行動を取ってきた。
だが…それが通用しない。しかも視えたステータスは、ユウマに取って衝撃だった。
ステータスは、基本スペック100をマックスに(+表示される)のが当たり前だ。人種が違っても、魔族や悪魔、魔獣でない限り例外は無い。だから、ある種の職業レベルを上げて(+※※※)と表示される。
然しながら、ガーラは自然に600台を表示していた。そして、称号に神の伴侶。魔法は、全部持ち。スキルは、エルフの好きな弓関係と身体強化、限界突破。神格状態。
ユニークには、神からの恩恵と記されていた。
どんなスキルかは、解らない。
一通りの情報をアランに共有させる。アランには、隠密系のスキル忍術がある。東帝国で訓練された人造人間。ある程度の情報はあるかも知れない。
「小さい時、巫女様と言う少女にあった事がある。神々しく神様だと思った。そしたら、神の嫁さんだと言っていた気がする。」
遠くを見ながら、少し震えるアラン。
軽く肩を叩いて「行くか?」と歩き出す。
元々一般人の軽く二倍のステータスを隠し持っていたアラン。それに負けないくらいの魔力量のキャンドラ。
そして、何故か豪運あるのアルミス。そして、鍛錬を重ね、皆んな、現在のステータス値を得た。レベル700を目指すユウマに取って、とんでもない存在となったガーラ。既に賢者に至っている…。これは、内緒だ。キャンドラがきっと傷つくだろう…。
数値で言えば、350~400の運が最高のアルミス。380~500魔力が最高のキャンドラ。450~580素早さが最高のアラン。そして全て650付近のユウマ。そこに魔力700超えの少女の出会い。偶然か?
次の授業は、魔法実技だった。男の先生がガーラを名指しして撃つように促す。
「全力で構いませんの?」
ガーラが尋ねる。
「ユウマ様ですら耐えられるのだから大丈夫!」
…バカ野郎!何言ってんだよ。コイツ!
「チョット!待って…」
ユウマが止めに入ろうとした時には、
「得意の究極火魔法を…ニュクリア・エクスプロ…」
ガーラが全身を金色に染め魔法を放つタイミングだった。
「マジック・キャンセル!!」
「タイム・ドロー!!」
ユウマが魔眼を発動して瞬間的に止めた。
そして、ガーラもキャンセルをかける。
「バカ野郎!!国を吹き飛ばすつもりか?!」
息も絶え絶えのユウマ。
バダン!!仰向きに倒れて息を整える。
殆どの生徒が理解できない。
「どの程度の方か、お手並みを拝見いたしました。」
「勘弁してくれ…。」
小声で呟くユウマの発言に
「一応、合格としておきましょう!」
ガーラが笑みを浮かべ後ろに下がる。
「何だよ?それって…。テスト?」
魔力を一気に使い疲労の大きいユウマは、【マナポーション】を飲み、キャンドラから【ハイヒール】を受ける。
男性の先生は理解できずに尋ねる。
「あのー…一体どういう事でしょう?」
「僕は、手を抜いて授業を受けてたんですよ。学園を壊さないように。そして、それ以上の魔法を彼女…ガーラ嬢は、放てるのです。Sクラスの冒険者のように…。」
〈少年Aの感想〉
話を聞いて青ざめる先生。周りの生徒は、落ち着いて理解している。ユウマが嘗て指導してくれた戦前。今よりも、無学無知で全然弱い自分達が第1騎士団や魔法師団等と寝言を言っていたと。共にレベリングして理解した。上には上がいる。
今になれば、自然に防御魔法が出せる位になっているのに、やはり、上には上がいると感じ又、自分達の才能の限界も徐々に認めて行くのである
。勿論、将来の伸びを加えても、この人達には、届かないと…。
あの、ユウマ様ですらガーラ嬢の魔法に対処が遅れた。間一髪に視えた。これも、指導してくれたユウマを師と仰ぎ、卓越した数々の技を匠の如く使い分け、師匠として受け入れ学ぶ事を選んだ結果だと理解している。
そして、授業は、淡々と進められる。その中に、二人の少女が気概を構え取り組もうとしていた。キャンドラとアルミスである。
真っ赤な魔力に覆われたキャンドラから放たれた中級火炎魔法 ファイヤーアローは、4962点。確かに目覚ましい進歩であるが届かない。ユウマ様どころかガーラにすら…座り込むキャンドラにユウマが【魔女の瞳】を渡す。
ダンジョン産Aランクの魔力増幅魔導具である。
努力を決して怠らない。だからこそ預けられる。ユウマは、そう判断した。
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