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8章 「ユズワールド」脱出と、新顔2匹/人と
241話 脱出した先は僕の家
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「まぁユズちゃん自身はごく普通のおと――めだしな!」
「そうそう、ふつうの男――子を軽ーく魅了する程度のな!」
「あっぶえ!? 気をつけろ!」
「抜けてるところはあるけど普通に勉強もできるし、提出物は出せるし」
「本当、魅力が高くなければ問題なかったんだけどなぁ」
「そうそう、ユズちゃんがかわいすぎて、特にユズちゃんと接点の無かった生徒とか保護者とかが接触すると大惨事に――うわぁ!?」
「人間様、急ぎますよ!」
「やべぇ、俺、サキュバスのおっぱいで死ぬわ」
「あ……やばい、この子の胸板痺れるわ」
「ブーメラン……膨らみが、すぐそばに……」
「もう死んでもいいや」
「生涯独身でも良いって思ってたけど、今からがんばろ……」
「あっあっ、イケメンインキュバスのささやきASMR……」
【草】
【草】
【草】
【なんだこいつら……】
【ユズちゃん親衛隊だよ?】
【あ、ちゃんと配信者コメントに書いてあるな ユズちゃんとは小学校からの付き合いだって】
【あー、親衛隊はみんな何年生からって書いてるなぁ】
【おい、幼稚園からの猛者もいるぞ】
【草】
【ああ、それなら諦めるしかないわなぁ……】
【何年もユズワールドに取り込まれてきたんだもんな……】
【だからこんな命の危険でもこんなにダメな感じに……】
【やはりユズワールドは伝染するのか……】
上空の攻撃は――太陽が出現した瞬間に周囲のモンスターを飲み込み。
直後に、熱の力から闇の力へと変異し――今度は地上の味方をも飲み込もうとしている。
【あのさ】
【うん】
【これ、言っていいか分かんないけど】
【うん】
【大丈夫、みんな思ってる】
【だよね? これ……魔王の自爆から逃げた女神様たちの光景が完全デジャヴなんだけど】
【もしかして:ユズちゃん、魔王】
【所業はまさしく】
【自爆するところまでおんなじか……】
【草】
【もう魔王で良いよ……】
【大丈夫? ぽんこつ魔王だよ??】
【その方が安心できるじゃん?】
【味方にこれぶっ放す魔王様だぞ?】
【もうだめだ……】
【敵でも味方でも厄介すぎて、敵と味方が共闘する展開かな?】
【まさか、ユズちゃんの配信でユズちゃんを助けに来たのにユズちゃんと敵対する展開とはな……】
【草】
【ユズちゃんのせいで何もかもめちゃくちゃだよ!!】
人間たちはことごとくに優翼種たちに救助され、全員で極大魔法から遠ざかるも――膨張しながら迫り来る吸引力の前に、ものの数分なのは誰が見ても明らか。
「おやびん様! 皆様! 真正面、そのままブレスを!」
「ユズ様は! ユズ様だけは加減なされて、それ以外は全力で!」
「よろしいですか!? ユズ姫様だけはお加減を!」
「おやびん様も!」
【草】
【みんなに念押しされてて草】
【だって……】
【ねぇ……?】
【この状況作り出したのが……】
【うん……】
彼らは数百の塊となり、ワイバーンたちがいっせいにブレスを吐く体制に入り。
「ユズ様!」
「………………………………」
けれど、柚希はただ視線をさまよわせるだけ。
【ああ、ちょうちょ状態に……】
【ユズちゃんだからね……】
【これで危機感を共有しないってやばない??】
【やばいから親衛隊が爆誕してるんだろ】
【やばいから魔族が仲間になったんだろ】
【草】
【にげてー!!】
『――――――――』
「そこに、居るの?」
彼は、「その声」に手を延ばし――――――――
「――柚希先輩!」
「?」
その手の先へ――ワイバーンとサキュバスにすべてを預け、理央が身を乗り出して。
「理央ちゃん?」
「早く! 正面! ……えっと、50%のブレスを、おやびんさんと!」
「あ、うん。 おやびんさん、ブレスですって」
「へへっ……照れるぜ」
――彼は「その声」のことを忘れた。
◇
「けほっけほっ」
もくもくとした煙を通る。
……なんかぼーっとしてたから良く覚えてないあとに理央ちゃんから言われたとおりにして、おやびんさんにブレス吐いてもらって。
「そのまま突っ込んでください!」って言うからその通りにしてるけども……何も見えない。
「エリーさん、これ……あ、家だ」
【抜けたー!】
【ユズちゃんちだ】
【ここへ脱出してきたのか】
【え? でもあのブラックホール、同じフロアなんじゃ】
「あの空間はこちらとは隔離されていますので……とりあえずは安全です。 ユズ様、着地致しましょう」
それなりに広かったはずのダンジョンの中――僕の家がなぜか入っちゃってた部屋は、さっきまでの場所に比べるととたんに狭く感じる。
「たすかったー!」
「良かったです……ええ、本当に……」
「理央さん……大丈夫かい……?」
「もう胃液しか出なくなったので大丈夫です!」
左右にはひなたちゃん、あやさん、優さんに理央ちゃん。
さっきまでとは違って、言ってることも聞き取れる。
【理央様……】
【何気にタフな理央様】
【でもゲロインだよ?】
【ユ、ユズちゃんが引き取ってくれるから……】
【でもそのユズちゃん、好意を認識してないよ?】
【お前には人の心がないのか】
【草】
「おー、中学のときお邪魔した以来だ」
「私は小学校以来かなぁ」
「家と敷地だけって違和感すごいな」
ワイバーンさんたちに乗ってる僕たちよりも早く地面に降りて行くのは、痴女さんたちと痴漢さんたちにハグされながら飛んでたらしい同級生上級生下級生その他近所の人たち。
「でもさ……」
「うん……」
「配信の先のみんな? この表札……やっぱ、見えちゃってるよねぇ……」
「個人情報は保護される配信のはずなのにねぇ……」
僕の家に、知り合いの人たち。
なんだかほっとするね。
「そうそう、ふつうの男――子を軽ーく魅了する程度のな!」
「あっぶえ!? 気をつけろ!」
「抜けてるところはあるけど普通に勉強もできるし、提出物は出せるし」
「本当、魅力が高くなければ問題なかったんだけどなぁ」
「そうそう、ユズちゃんがかわいすぎて、特にユズちゃんと接点の無かった生徒とか保護者とかが接触すると大惨事に――うわぁ!?」
「人間様、急ぎますよ!」
「やべぇ、俺、サキュバスのおっぱいで死ぬわ」
「あ……やばい、この子の胸板痺れるわ」
「ブーメラン……膨らみが、すぐそばに……」
「もう死んでもいいや」
「生涯独身でも良いって思ってたけど、今からがんばろ……」
「あっあっ、イケメンインキュバスのささやきASMR……」
【草】
【草】
【草】
【なんだこいつら……】
【ユズちゃん親衛隊だよ?】
【あ、ちゃんと配信者コメントに書いてあるな ユズちゃんとは小学校からの付き合いだって】
【あー、親衛隊はみんな何年生からって書いてるなぁ】
【おい、幼稚園からの猛者もいるぞ】
【草】
【ああ、それなら諦めるしかないわなぁ……】
【何年もユズワールドに取り込まれてきたんだもんな……】
【だからこんな命の危険でもこんなにダメな感じに……】
【やはりユズワールドは伝染するのか……】
上空の攻撃は――太陽が出現した瞬間に周囲のモンスターを飲み込み。
直後に、熱の力から闇の力へと変異し――今度は地上の味方をも飲み込もうとしている。
【あのさ】
【うん】
【これ、言っていいか分かんないけど】
【うん】
【大丈夫、みんな思ってる】
【だよね? これ……魔王の自爆から逃げた女神様たちの光景が完全デジャヴなんだけど】
【もしかして:ユズちゃん、魔王】
【所業はまさしく】
【自爆するところまでおんなじか……】
【草】
【もう魔王で良いよ……】
【大丈夫? ぽんこつ魔王だよ??】
【その方が安心できるじゃん?】
【味方にこれぶっ放す魔王様だぞ?】
【もうだめだ……】
【敵でも味方でも厄介すぎて、敵と味方が共闘する展開かな?】
【まさか、ユズちゃんの配信でユズちゃんを助けに来たのにユズちゃんと敵対する展開とはな……】
【草】
【ユズちゃんのせいで何もかもめちゃくちゃだよ!!】
人間たちはことごとくに優翼種たちに救助され、全員で極大魔法から遠ざかるも――膨張しながら迫り来る吸引力の前に、ものの数分なのは誰が見ても明らか。
「おやびん様! 皆様! 真正面、そのままブレスを!」
「ユズ様は! ユズ様だけは加減なされて、それ以外は全力で!」
「よろしいですか!? ユズ姫様だけはお加減を!」
「おやびん様も!」
【草】
【みんなに念押しされてて草】
【だって……】
【ねぇ……?】
【この状況作り出したのが……】
【うん……】
彼らは数百の塊となり、ワイバーンたちがいっせいにブレスを吐く体制に入り。
「ユズ様!」
「………………………………」
けれど、柚希はただ視線をさまよわせるだけ。
【ああ、ちょうちょ状態に……】
【ユズちゃんだからね……】
【これで危機感を共有しないってやばない??】
【やばいから親衛隊が爆誕してるんだろ】
【やばいから魔族が仲間になったんだろ】
【草】
【にげてー!!】
『――――――――』
「そこに、居るの?」
彼は、「その声」に手を延ばし――――――――
「――柚希先輩!」
「?」
その手の先へ――ワイバーンとサキュバスにすべてを預け、理央が身を乗り出して。
「理央ちゃん?」
「早く! 正面! ……えっと、50%のブレスを、おやびんさんと!」
「あ、うん。 おやびんさん、ブレスですって」
「へへっ……照れるぜ」
――彼は「その声」のことを忘れた。
◇
「けほっけほっ」
もくもくとした煙を通る。
……なんかぼーっとしてたから良く覚えてないあとに理央ちゃんから言われたとおりにして、おやびんさんにブレス吐いてもらって。
「そのまま突っ込んでください!」って言うからその通りにしてるけども……何も見えない。
「エリーさん、これ……あ、家だ」
【抜けたー!】
【ユズちゃんちだ】
【ここへ脱出してきたのか】
【え? でもあのブラックホール、同じフロアなんじゃ】
「あの空間はこちらとは隔離されていますので……とりあえずは安全です。 ユズ様、着地致しましょう」
それなりに広かったはずのダンジョンの中――僕の家がなぜか入っちゃってた部屋は、さっきまでの場所に比べるととたんに狭く感じる。
「たすかったー!」
「良かったです……ええ、本当に……」
「理央さん……大丈夫かい……?」
「もう胃液しか出なくなったので大丈夫です!」
左右にはひなたちゃん、あやさん、優さんに理央ちゃん。
さっきまでとは違って、言ってることも聞き取れる。
【理央様……】
【何気にタフな理央様】
【でもゲロインだよ?】
【ユ、ユズちゃんが引き取ってくれるから……】
【でもそのユズちゃん、好意を認識してないよ?】
【お前には人の心がないのか】
【草】
「おー、中学のときお邪魔した以来だ」
「私は小学校以来かなぁ」
「家と敷地だけって違和感すごいな」
ワイバーンさんたちに乗ってる僕たちよりも早く地面に降りて行くのは、痴女さんたちと痴漢さんたちにハグされながら飛んでたらしい同級生上級生下級生その他近所の人たち。
「でもさ……」
「うん……」
「配信の先のみんな? この表札……やっぱ、見えちゃってるよねぇ……」
「個人情報は保護される配信のはずなのにねぇ……」
僕の家に、知り合いの人たち。
なんだかほっとするね。
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