ユニコーンに懐かれたのでダンジョン配信します……女装しないと言うこと聞いてくれないので、女装して。

８章 「ユズワールド」脱出と、新顔２匹／人と

２２８話 【悲報・ユズちゃん、バラされる】

「柚希先輩を寝取りに」
「ですから違います」

「嘘」
「本当です」

【草】
【疑いの理央様】
【そもそも理央様、ユズちゃんに……】
【言うな　　言うな】
【お前には人の心というものがないのか？】
【草】

「なら、どうして」

「ワタシの種族は、人族からの少々の魔力をいただくことで生存が可能となるのです。　――こうして、カメラ越しでも、です」

ぱちっ。

カメラに向かい、上半身をくねらせながらウィンクをするエリー。

【！？】
【なにこのかわいいの】
【痴女だよ？】
【魔族だが】

【サキュバスって言ったもん！！】
【えっちなお姉さんだもん！】
【草】
【なぁにこれぇ……】
【あの、周囲、激戦……】

「ふぅ……こうして『さまざまな感情からほとばしる魔力』を、少しだけ皆様からいただきまして」

【！？】
【お前ら】
【だってしょうがないじゃん！！】
【痴女がウィンクしてるんだもん！】

【そうだぞ、見知らぬ女の子と目が合うだけでもときめくのが俺たちなんだぞ！】
【それは自慢にならないぞ？】
【草】

「――このように、配信というシステムは、ワタシたちの種族にとってこの上なく相性が良い。　ですから、全員魅了スタイルでお披露目しただけです。　人族の雄と雌――男性と女性の好みに合わせて」

【悲報・サキュバス、画面越しでも精気吸ってくる】
【痴女ちゃんにならいいや……】
【そうそう、かわいいし……】
【おっぱいもほどよいサイズだし……】
【お前ら……】

【いや、これやばい情報なんだけど？　サキュバスって種族、こういうカッコして配信に映ってるだけで魔力吸い上げてくってことで】

【あっ】
【草】
【やべぇ最強か】
【確かに配信時代と相性が良すぎる】
【なぁにこれぇ……】

【もしかして:配信してるだけで勝手に強くなってく種族】
【なぁにそれぇ……】
【それって、ユズちゃんと仮契約？してなければ】
【……人類のこと、簡単に倒せるんじゃ……？】

【えっちな配信とかしてがんがん吸えば……】
【ASMRに紛れてことごとく……】
【この情報さえなければ、ツノと尻尾もコスプレって言い張っとけばだれも違和感持たないしなぁ】

【人類はおしまい！】
【マジで終わりそうで草】
【単純な暴力より、こういう搦め手の方が手強いよね】

【でも、えっちでかわいい子たちに搾取されて管理されるなら……】
【もしもし反逆者？】
【お？　内通？　魔王軍に内通か？】

【※現在ほぼ全ての国で、魔王軍への内通と思われる行為は即時拘束＆情報吐き出させたら裁判不要で公開処刑されるようになってるので冗談でも止めましょう、本当に止めましょう、ネット上も全部監視されてます、特に海外で視聴して書き込んでる人はやばいです】

【ひぇっ】
【あー、１１年前にそういう法律できてたなぁ……】
【あのときからこういう事態も想定してたってわけか……】

「それで、柚希先輩を籠絡しようとは」
「計算のうちでもあります」

「そう………………………………計算……」

「り、理央さんっ！？　抑えて、抑えて！！　今、戦況は」
「分かってます、優さん」

「ひなた、なんにも聞こえないよー」
「ひなたさんはそのままで良いんです」

【こわいよー】
【理央様がお怒りだ！】
【ひなたちゃんだけが癒やし】
【ユズちゃんを捧げよ！】
【草】

【ユズちゃん……どこぉ……？】
【シルバースライムの中ですやすや寝てるよ】
【かわいいね】
【かわいいね】
【んにゃぴ……】
【あーあ】
【ユズちゃんを認識したとたんにこれよ……】

「理央様？」
「……何ですか」

「おひとつ、お耳に入れたいことが」
「何ですか」

「！　理央さん、そんなに近づいたら危ない！」

「大丈夫です優さん、いざとなったらストレート入れますから。　……それで？」

かつん。

とん。

さらに１歩ずつ近づいた彼女たち。

理央は――まるで、ガンつけ合っている不良同士のような形相だったが、幸いにして配信カメラには映らず。

「――ワタシたちは、ターゲットにする相手に合わせ、姿形をある程度変化させられます」
「それで？」

「ですので、しばらくユズ様を観察させて頂いた結果――この格好にしてあります」
「それで？」

【悲報・理央様、臨戦態勢】
【めっちゃドス利いてる】
【もう爆発寸前っぽい】
【顔が見えない分こわいよー】

【月岡……お前はよくやったよ……】
【あ、ひなたちゃんとあやちゃんを守ってからやられてね】
【草】
【巻き添えになる前提で草】

【あれ？　でも、ユズちゃんを誘惑しようとして痴女の格好って……】

【！！？？】
【！？！？】
【ガタタッ】
【キマシ？】

【この痴女様は素敵な痴女様ですわ！】
【報奨として次の同人誌はユズ様×エリー様に致しますわ！】
【草】
【えぇ……】

「――このバストサイズとお尻のサイズ、そして顔の幼さ具合は、ユズ様が心動くお相手のものです」
「それで？」

「ワタシ自身の元の身長に合わせ、少々大きくはなっていますが」
「それで？」

「理央様？」
「何でしょう」

「――よくお聞きくださいませ。　『このサイズ』と『この顔の印象』は、ユズ様が自然に目で追っている――恐らくは恋愛対象として意識する要素、なのです」

「………………………………」

【朗報・ユズちゃんの個人情報だだ漏れ】
【草】
【まさか、全世界にユズちゃんの好きな属性が暴露されるとは】
【しかもすやすや寝てるのに……】
【草】

【すやすやなのは……ちょうちょだからかなぁ……】
【ま、まあ、本人は気にしないだろうし……？】
【ユズちゃんだからきょとんとしそう】
【分かる】

【多分全世界に知られてもへっちゃらだよね】
【だってちょうちょだもん】
【そうだよ、異種族に趣味がバレたところでな】
【ひでぇ】