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6章 庭のダンジョンと衝撃

190話 お母さんがモンスター飼いたがってる

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「KYUU-N、KYUU-N……」
「NYAN! NYAN!」

「ゆず、あげても良い?」
「ダメ」

「でも、ゆずはテイマーさんなんでしょう? だったら」
「何千匹も家で飼う余裕ないよお母さん」

「んー、でもあのつぶらな瞳がねぇ……」
「数匹なら良いけど、でもちょっとおっきすぎるし怖すぎるし」

「家の庭なら……3、4匹くらいは」
「ムリだと思うよ? 見た目的にも」

【悲報・ユズママ、モンスターを飼いたがる】
【悲報・モンスターたち、野生を失い始める】
【そらそうよ……】
【なんか最前列のモンスターたちがかわいく見えてきた……】

【※映ってるモンスターたちはどれも、上級者が数人で対峙するレベルと推定されてます】
【※大半が新種のモンスターです】

【なぁにこれぇ……なぁにこれぇ……】
【それを飼おうとしてるユズママよ……】
【ユズちゃんの上位互換だからね】
【まさかのユズちゃんツッコミとか】

かちゃかちゃと、食べ終わった食器をお盆に載せる。

野菜、たくさんありすぎるから食べきれないよねぇ……しかもでっかいし。

確かにこれなら、食料には困らないかも。
いや、でもさすがに水道が使えないのは困るかなぁ。

「早く冷蔵庫使えるようにならないと、せっかくのお野菜が腐っちゃうわ」
「あ、大丈夫、ダンジョン化した庭で生えたのは基本腐らないって」

「雨とか降っても?」
「んー、どうだろ。 でも、家に入れるにしても多すぎるし……」

「ここって湿気があるものねぇ」
「きのことか生えたらどうしよう……」

「むしって食べたら?」
「お母さん、きのこは危ないんだよ?」

庭の奥には、チョコが根こそぎ抜き取ってくれたお野菜が、まるで冬国の薪みたいに高々と積まれている。

まあね、大根さんとか1本1本がぶっとくてでっかいから……意外とサクッと切れるから鍋に入れられたけども、それでも2人分で3分の1くらいしか食べきれなかったからなぁ。

【お前ら、飲み込まれないようにがんばれ】
【もうむり】
【抵抗できない】
【ユズちゃんたち、上位種だって絶対!】
【こうもたやすく戦意と常識と正気を失わせてくるからなぁ……】

【もしかして:ユズちゃんたち、魔王軍側】
【草】
【ひでぇ】
【でもそうとしか思えないこの惨状よ】
【せめて……せめてツッコミを……常識人からのツッコミを……】

【もしかして:魔族の襲撃、ただの内紛】
【草】
【いやいや……いやいや】
【ない……とは言い切れなくなったな……】

【大丈夫? 理央様でも狂わない??】
【狂ったから百合に染まってああなったんだろ】
【草】

【それもそれでひでぇ】
【脳を焼かれちゃったのね、理央様……】
【ほ、本人はしあわせそうだから……?】
【それ魅了とか幻惑とか洗脳って言わない??】

「あら、羽って便利ねぇ。 ゆず、見て見て! お庭、サンダルなくても足が汚れないわ!」

「お母さん、気をつけてよ? その鱗粉っぽいの、どんな効果あるか分からないんだから」

【違う、そうじゃない】
【草】
【一見ユズちゃんがマシに見えるけど、やっぱどっかズレてるっていうね】
【これでもユズちゃんがツッコミに回ってるんだよなぁ……】
【ツッコミ切れてない気がしますけど??】
【ユズちゃんだからね……】

羽をぱたぱた、ふよふよと、地面から20センチくらいのところを飛び回るお母さん。

「お母さん、スカート気をつけてね」
「そうね、なんだかすーすーしてカゼ引きそうだものね」

【違う、そうじゃない】
【●REC】
【経産婦のおぱんつ……】
【もうここの視聴者たちはおしまい】
【何もリアルタイムで見る必要は無いんだぞ? 自分の精神状態を最優先だぞお前ら】
【草】

「キューン、キューン」
「ナーゴ! ナーゴ!」

【ごらんよ  モンスターたちが媚びているよ】
【えぇ……】
【こんなの初めて見た】
【多分世界初だと思う】

【11年モンスターの研究してるけど、本当に初めて見た……】
【草】
【やべぇ、本物のお墨付きが出たぞ!!】
【すごいね、この配信】
【だろ?】

「モンスターさんたちって、かわいいところあるのねぇ」
「確かに、おいしい匂いでここまでなるなんてね」

「……餌、あげちゃダメ?」
「ダメ。 家に飼う余裕はないよお母さん」

「そこをなんとか……ゆずぅ」
「僕相手にぶりっこは効かないよお母さん」

【ユズママ! ループしてるよユズママ!】
【ユズちゃんもさっきの会話忘れて繰り返してるね】
【かわいいね】
【かわいい(思考放棄】
【考えたら負けだと思う】

「ねぇ……だめぇ……?」
「僕におねだり攻撃は通用しないよお母さん」

「ゆずぅー……」
「すりすりしてもダメ」

きゃるんってあざとい仕草に顔つきで、ふらっと飛んできてのぞき込んでくるお母さん。

こういうところは女の子……じゃない、女の人って感じだよね。

理央ちゃんとかも、何かとこういうことしてくるもん。
もうすっかり慣れてるから軽くあしらえるけどさ。

【    】
【    】
【    】

【ユズママ! 見た目中学生の経産婦から放つおねだり攻撃は致命傷だよユズママ!】
【やべぇ、俺、ユズちゃんと同い年なのにきゅんと来た】
【えぇ……】

【小学生男子よ! 早まるな!】
【そうだぞ、世界中どこ探してもこんな条件満たす存在はユズママ以外にいないぞ!】
【早速小学生の性癖を破壊してて草】
【だってかわいいんだもん】

【ユズちゃんは普段から男の子勝りって感じだけど、ユズママはさすが経産婦で女の子らしいあざとさがあるからな……】
【どういう経緯かは分からないけど、一応男を堕とした存在だからな……】
【ユズちゃんの完全上位互換か……】

【つまり、男とくっついたユズちゃろろろろろ】
【草】
【俺、ユズちゃんからユズママに推し変しようかなぁ……】
【落ち着け、相手は経産婦だし、ユズパパがどうなってるか不明だぞ】

【なぁ  ロリ未亡人とかロリ人妻って……良いよな……】
【良くない】
【その需要はほとんど供給がないぞ、正気に返れ】
【多分世界に1人だけだぞ、ムリだぞ、戻って来い】
【なんならアプローチしても逮捕されるレベルだぞこの見た目】

【大丈夫? ひょっとしてユズパパ、ユズママに手ぇ出して刑務所暮らしとかじゃない??】
【草】
【マジでありそうなのが……】
【ユズママが学生時代に手ぇ出したならガチであり得そうで】

【悲報・ユズパパ、無事生きてて娑婆に居たとしても絶対表に出てこられなくなった】
【草】
【大惨事で草】
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