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3章 珍しいスライムさんをゲット

66話 みんなの前で脱がされた

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【悲報・ユズちゃんのユニコーン、反抗】
【朗報・困って泣き始めちゃったユズちゃんかわいい】
【かわいい】
【かわいそうなのがかわいい】
【ああ……!】

「もー! おまんじゅうってばー! 何が気に入らないのさぁー!? ……ぐすっ」
「ぎゅーいー!」

ひなたさんたちはいつの間にか戦いを終えてるのに、僕はずっとおまんじゅうと戦ってた。

だって、今まで全然手が掛からなかったのに、よりにもよってダンジョンに潜ってるっていうこのタイミングで、ぜんっぜん言うこと聞かなくなっちゃったんだもん。

「なんで機嫌悪いのぉ!? なんかやなことしたぁ!? ……うぇぇ……」
「ぎゅいっ」

何言ってもそっぽ向いて、絶対に僕のことを見て来ない。
すっごく良い子なのに、なんで。

むんずとつかんでこっち向かせても、すぐにぎゅるんってそっぽ向いちゃう。

【草】
【すごい勢いで草】
【ひたすらユズちゃんが不憫で草】
【かわいそうだけどかわいい】
【ユズちゃん泣いちゃってる】
【真っ赤になりながら困ってる】

「うぅ……おまんじゅうぅー……」

【モンスター倒しきったひなたちゃんとあやちゃんも、途方に暮れてる……】
【そらそうよ……】
【安全だとは言ってもダンジョンはダンジョンだしな】
【「どうしよう……」って顔してる】
【みんなかわいい】
【理央ちゃんもなんか呆れてて草】

なだめてもダメ、怒ってもダメ、泣いてもダメ、撫でてもダメ、揉みしだいてもダメ、揺すってもダメ、抱き方変えてもダメ。

何してもダメでダメダメで、みんなの視線も痛い。

うぅ……。

「ぐすっ……うぅぅ……すんっ、すんっ……」

【あー】
【ユズちゃん本格的に泣いちゃった】
【ユニコーン! 貴様ユズちゃん泣かせるとは!】
【偶蹄類! はやく泣き止ませろ!】
【いや、もうちょっと泣き顔を……】

【かわいい子が泣いてるのって、なんかぞくぞくするよね】
【分かる】
【通報しました】
【やめて】

【ユズちゃんの泣き方も子供で草】
【この前のひなたちゃんの方がおとなしい泣き方だったのに】
【泣き方で比べられるロリたち】
【だってロリだもん】

「うぇ……うぇぇ……」

どうしよう。

配信までしてるのに、みんなでがんばって初心者ダンジョンクリアするのを配信しようってしてたのに、僕のせいで大失敗。

せっかくパーティー組んでくれたみんななのに、もう顔も……。

「うぇぇぇぇぇん……」

【草】
【ユズちゃんガチ泣き】
【なかないで】
【でもかわいい】
【分かる】
【鼻水垂らして泣くとかやっぱ幼女でしょユズちゃん】
【この前のひなたちゃんよりも泣き方からして子供】

頭の中がぐちゃぐちゃ。
泣いちゃダメだって分かってるのに、やっぱり泣いちゃう。

だからいつも光宮さんと田中君に迷惑掛けてるんだ。
どうしても泣くの、止められないから。

「……柚希先輩」
「ぐす……理央ちゃん……」

そっと抱きしめてくれる光宮さん。

……これじゃ、ちっちゃいころと何にも変わってないじゃん……僕、男なのに、年下の女の子に泣きついてからかわれてた小学校までと……。

「ずび……」

そっと鼻水をすする。
慰め慣れてるから、これだけはできるんだ。

「先輩。 おまんじゅうちゃん、言うこと聞かせる方法、私なら多分分かります」

「すんっ……ほんとぉ? 理央ちゃん……」

「う゛っ」

【草】
【理央ちゃん、今すごい声出さなかった?】
【あっ……】
【あっ(尊死】
【やべぇぞ、理央ちゃんのカメラ】
【どうした】

【理央ちゃんの視点からだとな? ユズちゃんが真っ赤な顔で泣きはらして、上目遣いでっていう……極めてセンシティブな感じになってる】

【!!!!】
【草】
【永久保存版だな】
【ああ……】
【ド迫力で見てるだろう理央ちゃんが変な声出すのもしゃあなしな威力】

【むしろ理央ちゃんだからこそ……な】
【俺、4窓してて良かった】
【ちくしょう、こんなときにスマホで見てた俺の馬鹿!】

【お前ら、ユズちゃんが泣いてるのにひでぇ】
【じゃあ観なくて良いぞ】
【いや、それとこれとは話が別だ】
【草】

【子供みたいに泣き散らしてるのに、色気たっぷりのユズちゃん……しちゃいけないのにどきどきする……】
【分かる】
【ロリ相手に抱く、この気持ちと罪悪感が良いんだ】
【お巡りさんこっちです】

「……理央ちゃん……?」
「……ん゛ん゛っ! じゃ、ちょっと片脚あげてください」

泣きすぎて頭の中がぼーっとしてる僕は、言われるままに片足をちょっと上げる。

「……はーい、じゃあ下ろしてー。 んで逆の脚をーそうそう」

「すんっ。 ……?」

【理央ちゃんは何をしてるんだ】
【なぜスカートを?】
【分からん】
【ユズちゃん、もうズボン穿いてるのに】
【……なるほど  策士だな、理央ちゃん】
【あ……そういうことか】

【俺たちをも上回る、ユズちゃんへの理解力……さすがは理央ちゃんだ……!】
【一生着いて行きますぜ、理央ちゃんの姉御】
【おい、姉御は止めておけ  奴らが来るぞ】
【呼んだ?】
【ひぇっ】

腰の辺りに抱きつかれてもぞもぞされてるけども、もう涙を拭うのでよく分かんない。

「きゅっきゅっ」
「君ぃ……こういうときくらい我慢しなよ……え? 無理? じゃあしょうがないねぇ」
「きゅいっ!」

下の方で、ちょっと機嫌良くなったらしいおまんじゅうの鳴き声。

……本当、光宮さんってすごいね。
なんでもできるんだ。

「じゃあー、せーので下ろしますからねー」
「? う、うん……」

悲しいのが取れてきた僕は、ちょっと元気になった。

けども、一体何をしたらおまんじゅうが――

ぱちっと目を開けた僕。

僕の真ん前、真下で光宮さんが僕の……ズボンのベルトをかちゃかちゃと外している。

「?」

「……これだから心配なんですよ。 視聴者の人たちも良いですかー? 町で柚希先輩見かけたら、自然な感じでボディガードしてくださいよー?」

【●REC】
【りょ】
【はい! 理央様!】
【確かに理央ちゃん相手とは言え、ここまでされて分かってない顔……そら心配だわな】

【心配すぎてやらしい気持ちすら起きない】
【ほんとぉ?】
【ごめん  めっちゃどきどきしてる】
【無知シチュで興奮する】
【分かる】
【素直でよろしい】

ふと目線を上げてみると……ちょっと離れたところで、なぜか両手で顔を覆ってるのに目だけがこっち見てるあやさんとひなたさんが居る。

「?」

【ユズちゃん……】
【ひなたちゃんでも赤くなってるのに】
【まるで分かっていない……】
【もしかして:要保護対象】
【要護衛対象な】

「じゃあ――――――それっ」

――がばっ。

いきなりふとももがすーってして――ズボン下ろされたぁ!?

「えっ………………………………きゃあああっ!?」

【●REC】
【●REC】
【●REC】
【●REC】

【¥5000 ありがたやありがたや】
【¥15000 スカート穿かせてのズボン下ろしとか、BANされないギリギリを攻める理央ちゃん姉御、まじぱねーっす】

【¥10000 まさか健全配信でここまで攻めるとは】
【¥40000 これで次は水着シチュでぐへへ】
【¥100000 あ、課金限界解除されてた 理央ちゃん理央ちゃん、ぜひぜひユズちゃんと薄着で……】

【怒濤の課金】
【そりゃまあ課金に値するコンテンツだし】
【今の映像だけで……ふぅ……】
【背徳感がすごくて……いいね】
【ばかばっか】

……僕、みんなの前で……理央ちゃんにズボン、脱がされた。

僕、もう、お嫁に行けない。

………………………………。

じゃない、もうお婿に行けない……。
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