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2章 ダンジョン配信、始めます
41話 おまんじゅうの収束攻撃
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「ふぅ……結構やっつけましたね!」
おまんじゅうと僕と、つられてのひなたさんとの応援でがんばったのか、それともこれが実力……なんだろうなぁ……とにかくも光宮さんがばっさばっさとモンスターたちをなぎ倒してしばらく。
「理央ちゃん、大丈夫!?」
「うん、大丈夫。 でも念のために……いい?」
いよいよ強いやつしか残らなくなったけども、戦闘音とか時間経過で新しくモンスターが廊下から姿を見せ始めて少し。
だからか、光宮さんから僕たちにも「自衛してね」って。
「危なくなってきたら即リストバンド!」って言う辺り……どう考えてもダンジョン、慣れてるよねぇ……。
「私は強くないモンスターが近寄ろうとして来たら魔法で先制攻撃です。 さらに近づいて来たらひなたさんが接近戦で。 理央さんの邪魔は致しません」
「で、りおちゃんが呼んだときは」
「はい、おまんじゅうの出番ですね」
そういうことになった。
あいかわらず応援するしかない僕たち。
……仕方ないよ、この子、範囲攻撃だもん。
僕?
僕は小学生のひなたさんよりずっと弱いけど?
おまんじゅうの運搬係兼、みんなの応援係だけど?
【やっぱこの子たち素直だし適性ありまくりだわ】
【怖くても冷静なのがすごいね】
【そのへんは都会暮らしよりも田舎暮らしの方がなぁ】
【肝座ってるよね】
【まぁこういうときって、大体女子パーティー>男子パーティー>>男女パーティーの女子ってなってるから……】
【ダンジョン内だと魔力の都合上、女子の方が強いことが多いのよね……】
【後は単純にメンタルが強い】
【同い年でもやっぱ女だわな】
【胆力ってやつか】
【ママぁ……】
【お前……】
【でも仲違いで崩壊するのもまた女子パーティー】
【やっぱ女だわな……】
【ああ……】
【嫉妬ってやつか】
【安心しろ 男女パーティーの方が崩壊するから】
【男女はねぇ……】
【男は無理するし、女はかよわいアピしようとしてな……】
【バランスは最高なんだけど、やっぱそこは男女のもつれでねぇ……】
そうして光宮さんががんばって、途中からは彼女の声に合わせて夢月さんがサポートしたりして。
――たくさん居たモンスターたちも、強いのは数体。
光宮さんのメインは、そいつらを遠くに吹っ飛ばしつつの削り。
そのへんの具合が難しいんだって。
「……ごめんね、みんな」
通路の先へモンスターを弾き飛ばした彼女が、何度目の謝罪をする。
「私、やっぱこのダンジョン、間違えちゃってたみたい……中級者ダンジョンだもん、この強さ」
【だな】
【さすがに理央ちゃんなら分かるか】
【そもそもモンハウとかいう、確率でリストバンド不可避なハプニングがないからこその初心者ダンジョンなんだし】
【でも守衛さんが止めなかったってことはさ、理央ちゃんなら一応何とかなりそうなレベルってことなんだろ?】
【実際、ここまでほぼ1人で倒したんだしな】
【モンハウ、しかも下の階層のを引かなきゃまず問題ないだろう実力だしな】
【理央ちゃんしゅごい】
「………………………………」
僕は、無力だ。
今だって理央ちゃん、そして近くの雑魚……って言っても充分強いけど、それらもひなたさんとあやさんにやっつけてもらってて。
僕はこうして、ただみんなの後ろで待っているだけ。
……いつもこうだ。
脚だって速くない、運動神経も壊滅、筋力も肺活量も中学女子並みで、動体視力だって……動きの速いゲームができないレベル。
やっぱり僕は――――
「――っ! 危ない、ゆずきちゃん!」
「え?」
ひなたさんの叫ぶ声で、ふと顔をなんとなくで後ろへ。
――そこには。
頭のずっと上に、でっかいクマさん。
体がすっごく大きくって、頭が天井に付きそうで。
そんなモンスターが、死の象徴が――僕の、真後ろで立っていた。
「……あ」
ぺたんっとお尻が地面についた感触。
今朝光宮さんと理央ちゃんに穿かせられた、お母さんのぱんつのせいで、ものすごく薄い布。
……つまり僕は、怖さのあまりに座り込んじゃったんだ。
【ふぁっ!?】
【ベア!?】
【なんでいきなり】
【そうか、この子たちのカメラ、1基ずつで全員前見てたから……】
【あぁ……】
【しかもこれ……さっき通路に吹っ飛ばされてたやつ】
【じゃあ3人じゃ無理だ】
【リストバンド! ユズちゃんリストバンド押してぇー!】
【左右どっちのでも良いから押して!!】
【ひなたちゃんもあやちゃんも! 理央ちゃんも押して!!】
「――――あ」
その、僕の頭もほどもありそうな長さの爪が光って――
「――――――――――――きゅいっ」
――ぴしゅんっ。
見上げてたクマさんの頭に、ちっちゃくて赤いのが光る。
「………………………………え?」
「きゅひっ」
「――――――――――グオォ……」
……どさっ。
「……え?」
【えっ】
【今なにが起きた!?】
【えっ、えっと、狙撃?】
【援軍か!?】
【一体誰だ】
【でも誰も居ないぞ】
【姿さらさずに狙撃で助けるなんて、あの気まぐれなロリ女神とかなわけないし……】
【じゃあ……もしかして】
「……おまんじゅう?」
「きゅい」
しゅううう。
……僕の胸元には、角から湯気みたいなのを出して「やってやったぜ」って顔してる、おまんじゅうが居た。
おまんじゅうと僕と、つられてのひなたさんとの応援でがんばったのか、それともこれが実力……なんだろうなぁ……とにかくも光宮さんがばっさばっさとモンスターたちをなぎ倒してしばらく。
「理央ちゃん、大丈夫!?」
「うん、大丈夫。 でも念のために……いい?」
いよいよ強いやつしか残らなくなったけども、戦闘音とか時間経過で新しくモンスターが廊下から姿を見せ始めて少し。
だからか、光宮さんから僕たちにも「自衛してね」って。
「危なくなってきたら即リストバンド!」って言う辺り……どう考えてもダンジョン、慣れてるよねぇ……。
「私は強くないモンスターが近寄ろうとして来たら魔法で先制攻撃です。 さらに近づいて来たらひなたさんが接近戦で。 理央さんの邪魔は致しません」
「で、りおちゃんが呼んだときは」
「はい、おまんじゅうの出番ですね」
そういうことになった。
あいかわらず応援するしかない僕たち。
……仕方ないよ、この子、範囲攻撃だもん。
僕?
僕は小学生のひなたさんよりずっと弱いけど?
おまんじゅうの運搬係兼、みんなの応援係だけど?
【やっぱこの子たち素直だし適性ありまくりだわ】
【怖くても冷静なのがすごいね】
【そのへんは都会暮らしよりも田舎暮らしの方がなぁ】
【肝座ってるよね】
【まぁこういうときって、大体女子パーティー>男子パーティー>>男女パーティーの女子ってなってるから……】
【ダンジョン内だと魔力の都合上、女子の方が強いことが多いのよね……】
【後は単純にメンタルが強い】
【同い年でもやっぱ女だわな】
【胆力ってやつか】
【ママぁ……】
【お前……】
【でも仲違いで崩壊するのもまた女子パーティー】
【やっぱ女だわな……】
【ああ……】
【嫉妬ってやつか】
【安心しろ 男女パーティーの方が崩壊するから】
【男女はねぇ……】
【男は無理するし、女はかよわいアピしようとしてな……】
【バランスは最高なんだけど、やっぱそこは男女のもつれでねぇ……】
そうして光宮さんががんばって、途中からは彼女の声に合わせて夢月さんがサポートしたりして。
――たくさん居たモンスターたちも、強いのは数体。
光宮さんのメインは、そいつらを遠くに吹っ飛ばしつつの削り。
そのへんの具合が難しいんだって。
「……ごめんね、みんな」
通路の先へモンスターを弾き飛ばした彼女が、何度目の謝罪をする。
「私、やっぱこのダンジョン、間違えちゃってたみたい……中級者ダンジョンだもん、この強さ」
【だな】
【さすがに理央ちゃんなら分かるか】
【そもそもモンハウとかいう、確率でリストバンド不可避なハプニングがないからこその初心者ダンジョンなんだし】
【でも守衛さんが止めなかったってことはさ、理央ちゃんなら一応何とかなりそうなレベルってことなんだろ?】
【実際、ここまでほぼ1人で倒したんだしな】
【モンハウ、しかも下の階層のを引かなきゃまず問題ないだろう実力だしな】
【理央ちゃんしゅごい】
「………………………………」
僕は、無力だ。
今だって理央ちゃん、そして近くの雑魚……って言っても充分強いけど、それらもひなたさんとあやさんにやっつけてもらってて。
僕はこうして、ただみんなの後ろで待っているだけ。
……いつもこうだ。
脚だって速くない、運動神経も壊滅、筋力も肺活量も中学女子並みで、動体視力だって……動きの速いゲームができないレベル。
やっぱり僕は――――
「――っ! 危ない、ゆずきちゃん!」
「え?」
ひなたさんの叫ぶ声で、ふと顔をなんとなくで後ろへ。
――そこには。
頭のずっと上に、でっかいクマさん。
体がすっごく大きくって、頭が天井に付きそうで。
そんなモンスターが、死の象徴が――僕の、真後ろで立っていた。
「……あ」
ぺたんっとお尻が地面についた感触。
今朝光宮さんと理央ちゃんに穿かせられた、お母さんのぱんつのせいで、ものすごく薄い布。
……つまり僕は、怖さのあまりに座り込んじゃったんだ。
【ふぁっ!?】
【ベア!?】
【なんでいきなり】
【そうか、この子たちのカメラ、1基ずつで全員前見てたから……】
【あぁ……】
【しかもこれ……さっき通路に吹っ飛ばされてたやつ】
【じゃあ3人じゃ無理だ】
【リストバンド! ユズちゃんリストバンド押してぇー!】
【左右どっちのでも良いから押して!!】
【ひなたちゃんもあやちゃんも! 理央ちゃんも押して!!】
「――――あ」
その、僕の頭もほどもありそうな長さの爪が光って――
「――――――――――――きゅいっ」
――ぴしゅんっ。
見上げてたクマさんの頭に、ちっちゃくて赤いのが光る。
「………………………………え?」
「きゅひっ」
「――――――――――グオォ……」
……どさっ。
「……え?」
【えっ】
【今なにが起きた!?】
【えっ、えっと、狙撃?】
【援軍か!?】
【一体誰だ】
【でも誰も居ないぞ】
【姿さらさずに狙撃で助けるなんて、あの気まぐれなロリ女神とかなわけないし……】
【じゃあ……もしかして】
「……おまんじゅう?」
「きゅい」
しゅううう。
……僕の胸元には、角から湯気みたいなのを出して「やってやったぜ」って顔してる、おまんじゅうが居た。
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