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ファム・ファタール
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「変ですわね、私、それでも良いとさえ思います。だって長い年月、諦めずにいて下さるということでしょう?」
「もちろん。僕は諦めが悪い男なので……」
光留は、テーブル代わりに置かれた木箱の上から、切り高台のお猪口を手にすると「どうぞ」と手渡し、周辺をグルリと見渡した。
淡色を灯す灯籠だけの殺風景な庭に、紫色の可愛らしい花を見つける。石畳の隙間から咲く竜胆だ。
「うちにも、男爵家のように温室を作りますか?」
「いいえ、自然に咲く花が良いです……あ、私、お約束しておりましたのに」
「何をです?」
「オフイーリアです。こちらへお持ちすると」
欧州から帰国してすぐ、男爵邸を訪れた光留は『貴女のようだ』と、晃子に桃色の薔薇をねだった。Opheliaと呼ばれる花の言葉を「乙女のような可愛らしい人」と、訳したこともある。
「あら、お忘れでしたか?」
「いいえ。もう、お持ちいただきましたよ?」
光留は口許に拳を寄せ、肩を揺らした。笑う顔は、楽しくて仕方がないといった様子だ。
「どういうことです?」
「気高くて美しいOpheliaは、貴女のようですね、桃色の薔薇の花言葉に掛けて、可愛い人とも言いました。つまり、Opheliaを貴女に見立て話していたのです。僕は貴女が欲しいと。どうぞ」
絶句する晃子に、徳利を傾け酌をするが 改めて口にすると照れくさいのか、顔を背けゴホン!と咳払いをしてみせた。
「ハッキリ申し上げたら、きっと皆様にも?と、相手にされなかったでしょう?結構、気落ちするんですよ、あの返しは」
「申し訳ありません……」
「悪いと思います?」
「ええ。あの頃は、ふざけてらっしゃると思っておりましたから……」
「本当に悪いと?」
秋の夜風が、ひんやりと撫でることで、熱をもつ頬を強く意識せざるを得ない。染まる肌の理由は、怪しいと言わんばかりに眇められた褐色の瞳のせいか、あの日の言葉を思い出したからか。早鐘を打つ心臓を落ち着かせるべく、一呼吸し、深く頷いた。
「よろしいでしょう。お流れを頂戴させて頂けたら信じましょう」
「そのようなこと……」
快諾の返事として、華やかな笑みを浮かべる口許は、クイッと一気に飲み干した。親指を軽く滑らせると、恭しく返盞する。
「ありがたく」左手を高台に揃える光留は、まるで上役から頂戴するといった体だ。
何処と無く可笑しく思いながらも、徳利に腕を伸ばした。
即席の木箱のテーブルには、朱の敷物がひかれ、明かりを灯すのはランプではなく、風情ある竹灯籠。
徳利の貫入が、柔らかく浮かび上がり、素朴であり 上品にも見えるのは、子爵家が由緒ある家柄ゆえか、簡素であるが、風流な宴席のせいか。
例え、同じ物が尾井坂家にあっても、印象は大きく違うだろう。
その時、ふと、止まった指先を檜皮の重色目が遮った、光留の大袖だ。
ぼんやりと魅入ったことで、間が空いてしまったのかもしれない。
「あ!申し訳ありません、ぼんやりとしておりました……」
「いえ、酌は不要です」
光留は お猪口を盆に戻し、行き先を失った晃子の手を握る。
「……ああ、やはり気が利くと評判の奈緒さんですね、あ。このまま振り返らないで」
母屋には、奈緒が控えており、光留から見れば対面しているので窺うことが出来るが、晃子からすれば背を向けており、何のことかわからない。戸惑い、視線を泳がせると離れに控える宵が、微動だにせず座している姿が映った。視線が合ったようにも思えたが、そのことを伝える前に、仄かな明かりが遮られ、鼻先が触れる程に光留の整った顔が寄せられた。
「奈緒は、こちらに背を向けています」
「よ、宵さんは こちらを……!」
「あの人の無粋は治りません。諦めましょう」
「い、いえ!そういう訳には……!」
「お流れを頂戴いたします」
「お流れ……ッ!?」
終わらない内に触れた柔和な花弁により、意味を問う言葉を呑み込み、ギュッと瞼を綴じた。頬を撫でるのは、そよぐ秋風により 揺れるお日様色の一髪であり、光留そのものとも思える甘く、華やかな香りに陶然とし、酔いしれる。
離された唇から漏れたのは、微笑みと「美味でございました」という一言。
蚊遣り火に例えた鹿鳴館。これ程、愚かな感情はないと想いを語った光留に、嘘偽りはなかったと晃子の双眸は、霞がかった。
「……あれ?驚かせてしまいましたか?嫌でしたか?」
「いいえ、違います」
「嬉し涙ですか?そんなにご好評なら もう一度」
「違います!! もう、ふふ……違うのです」
重色目の絹衣から覗く指先が、隠すように伏せられた顔を引き上げた。顎先から 頬を撫でるのは、涙のあとを辿っているのだろう。
「私が参ったせいで、こちらに大変迷惑をお掛けすると思います」
「迷惑? 僕は貴女から、掛けられる厄介事を迷惑とは思いませんよ」
「光留様は、そうでも……」
「ああ、うちですか。そうですね……まあ、少々騒ぎ立てられるかも知れませんが、それが何だというのです。父も母も、わかっておりますよ。多少、陰口を叩かれても仕方がないと。何故か わかりますか?」
頭を振る晃子に、光留は真面目な顔つきを作ってみせると、わざとらしく声を落とす。
「馬鹿な子爵家の従五位は、一人息子でしてね? それなのに一目惚れしたご令嬢を諦められずに、有難い縁談を断る始末。結局、その方しか妻にする気がないのですから、子爵も夫人も迷惑をかけられようが、受け入れるしかないのですよ。大袈裟な話、醜聞で家が潰れることはありませんが、跡継ぎ不在で潰れることはあります」
「まあ、悪い御嫡男ですこと」
「一歩間違えたら晃子さんは、ファム・ファタールですね。しかし、僕は破滅なんてしません。貴女は 僕の運命の人です。だから、何も心配いりません。極端な例を上げます。僕が廃嫡され、華族の身分を失っても金には困りません。うちは銅山への投資や銀行の株で儲けていますから、その点もご心配なく」
2人して声をあげ笑う、リンリンと鳴く 虫の音に耳を傾け「蚊遣り火なんて、もう必要ありませんね。僕はもう、貴女を捕まえました」
こう囁く声は、限りなく甘い。
返答に困る晃子は、苦し紛れに「宵さんが見ています」と、うつむいた。
「困った人ですね。僕には、晃子さんしかいませんので、1番も2番もないのですが、貴女の次に誰か挙げるとしたら、間違いなく宵さんが僕の大切な人なのです。本日の無礼も水に流して頂けたら嬉しい」
「そんな……気にしておりません」
「良かった。さあ、冷えてまいりました。お手をどうぞ」
「もちろん。僕は諦めが悪い男なので……」
光留は、テーブル代わりに置かれた木箱の上から、切り高台のお猪口を手にすると「どうぞ」と手渡し、周辺をグルリと見渡した。
淡色を灯す灯籠だけの殺風景な庭に、紫色の可愛らしい花を見つける。石畳の隙間から咲く竜胆だ。
「うちにも、男爵家のように温室を作りますか?」
「いいえ、自然に咲く花が良いです……あ、私、お約束しておりましたのに」
「何をです?」
「オフイーリアです。こちらへお持ちすると」
欧州から帰国してすぐ、男爵邸を訪れた光留は『貴女のようだ』と、晃子に桃色の薔薇をねだった。Opheliaと呼ばれる花の言葉を「乙女のような可愛らしい人」と、訳したこともある。
「あら、お忘れでしたか?」
「いいえ。もう、お持ちいただきましたよ?」
光留は口許に拳を寄せ、肩を揺らした。笑う顔は、楽しくて仕方がないといった様子だ。
「どういうことです?」
「気高くて美しいOpheliaは、貴女のようですね、桃色の薔薇の花言葉に掛けて、可愛い人とも言いました。つまり、Opheliaを貴女に見立て話していたのです。僕は貴女が欲しいと。どうぞ」
絶句する晃子に、徳利を傾け酌をするが 改めて口にすると照れくさいのか、顔を背けゴホン!と咳払いをしてみせた。
「ハッキリ申し上げたら、きっと皆様にも?と、相手にされなかったでしょう?結構、気落ちするんですよ、あの返しは」
「申し訳ありません……」
「悪いと思います?」
「ええ。あの頃は、ふざけてらっしゃると思っておりましたから……」
「本当に悪いと?」
秋の夜風が、ひんやりと撫でることで、熱をもつ頬を強く意識せざるを得ない。染まる肌の理由は、怪しいと言わんばかりに眇められた褐色の瞳のせいか、あの日の言葉を思い出したからか。早鐘を打つ心臓を落ち着かせるべく、一呼吸し、深く頷いた。
「よろしいでしょう。お流れを頂戴させて頂けたら信じましょう」
「そのようなこと……」
快諾の返事として、華やかな笑みを浮かべる口許は、クイッと一気に飲み干した。親指を軽く滑らせると、恭しく返盞する。
「ありがたく」左手を高台に揃える光留は、まるで上役から頂戴するといった体だ。
何処と無く可笑しく思いながらも、徳利に腕を伸ばした。
即席の木箱のテーブルには、朱の敷物がひかれ、明かりを灯すのはランプではなく、風情ある竹灯籠。
徳利の貫入が、柔らかく浮かび上がり、素朴であり 上品にも見えるのは、子爵家が由緒ある家柄ゆえか、簡素であるが、風流な宴席のせいか。
例え、同じ物が尾井坂家にあっても、印象は大きく違うだろう。
その時、ふと、止まった指先を檜皮の重色目が遮った、光留の大袖だ。
ぼんやりと魅入ったことで、間が空いてしまったのかもしれない。
「あ!申し訳ありません、ぼんやりとしておりました……」
「いえ、酌は不要です」
光留は お猪口を盆に戻し、行き先を失った晃子の手を握る。
「……ああ、やはり気が利くと評判の奈緒さんですね、あ。このまま振り返らないで」
母屋には、奈緒が控えており、光留から見れば対面しているので窺うことが出来るが、晃子からすれば背を向けており、何のことかわからない。戸惑い、視線を泳がせると離れに控える宵が、微動だにせず座している姿が映った。視線が合ったようにも思えたが、そのことを伝える前に、仄かな明かりが遮られ、鼻先が触れる程に光留の整った顔が寄せられた。
「奈緒は、こちらに背を向けています」
「よ、宵さんは こちらを……!」
「あの人の無粋は治りません。諦めましょう」
「い、いえ!そういう訳には……!」
「お流れを頂戴いたします」
「お流れ……ッ!?」
終わらない内に触れた柔和な花弁により、意味を問う言葉を呑み込み、ギュッと瞼を綴じた。頬を撫でるのは、そよぐ秋風により 揺れるお日様色の一髪であり、光留そのものとも思える甘く、華やかな香りに陶然とし、酔いしれる。
離された唇から漏れたのは、微笑みと「美味でございました」という一言。
蚊遣り火に例えた鹿鳴館。これ程、愚かな感情はないと想いを語った光留に、嘘偽りはなかったと晃子の双眸は、霞がかった。
「……あれ?驚かせてしまいましたか?嫌でしたか?」
「いいえ、違います」
「嬉し涙ですか?そんなにご好評なら もう一度」
「違います!! もう、ふふ……違うのです」
重色目の絹衣から覗く指先が、隠すように伏せられた顔を引き上げた。顎先から 頬を撫でるのは、涙のあとを辿っているのだろう。
「私が参ったせいで、こちらに大変迷惑をお掛けすると思います」
「迷惑? 僕は貴女から、掛けられる厄介事を迷惑とは思いませんよ」
「光留様は、そうでも……」
「ああ、うちですか。そうですね……まあ、少々騒ぎ立てられるかも知れませんが、それが何だというのです。父も母も、わかっておりますよ。多少、陰口を叩かれても仕方がないと。何故か わかりますか?」
頭を振る晃子に、光留は真面目な顔つきを作ってみせると、わざとらしく声を落とす。
「馬鹿な子爵家の従五位は、一人息子でしてね? それなのに一目惚れしたご令嬢を諦められずに、有難い縁談を断る始末。結局、その方しか妻にする気がないのですから、子爵も夫人も迷惑をかけられようが、受け入れるしかないのですよ。大袈裟な話、醜聞で家が潰れることはありませんが、跡継ぎ不在で潰れることはあります」
「まあ、悪い御嫡男ですこと」
「一歩間違えたら晃子さんは、ファム・ファタールですね。しかし、僕は破滅なんてしません。貴女は 僕の運命の人です。だから、何も心配いりません。極端な例を上げます。僕が廃嫡され、華族の身分を失っても金には困りません。うちは銅山への投資や銀行の株で儲けていますから、その点もご心配なく」
2人して声をあげ笑う、リンリンと鳴く 虫の音に耳を傾け「蚊遣り火なんて、もう必要ありませんね。僕はもう、貴女を捕まえました」
こう囁く声は、限りなく甘い。
返答に困る晃子は、苦し紛れに「宵さんが見ています」と、うつむいた。
「困った人ですね。僕には、晃子さんしかいませんので、1番も2番もないのですが、貴女の次に誰か挙げるとしたら、間違いなく宵さんが僕の大切な人なのです。本日の無礼も水に流して頂けたら嬉しい」
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