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恋ふらく
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◆◆◆◆◆
「何を考えているんですか!」
怒声を浴びせる相手は、学習院からの学友であり、晃子の弟にあたる泰臣だ。
瀬戸物町で思わぬことを知り、そのまま飛び出し、たどり着いたのが尾井坂男爵邸なのは、当然の成り行きと云える。
テーブルを叩きつける勢いの光留に対して、冷めた様子で「うるさい」と告げる泰臣は、腕を組み、そっぽを向く。なかなか横着な態度だ。
「ああ、そうだ。お姉様の鬼怒川行きを進めたのは、俺だよ。別にいいだろう? お父様が鬼怒川の事業へ、羽倉崎さんを呼んだんだ。なかなか行ける所でもなし、2人でお父様に会いに行っては?と」
「嘘をおっしゃい! 君は、男爵へ手を回したでしょう!? 」
「何だ、そんなことまで知っているのか。そうだ。羽倉崎さんに言っても、父の指図がないのに姉を連れ出せるわけがない。そして、あの女も行かないだろう。だが、父に呼ばれたら行かざるを得ない」
「何故、そんな真似をしたのです!? 君は、咲さんの件で羽倉崎さんに、良い感情を持ってないと思ってました」
光留は 以前、里から聞いていた。従妹である咲を妾として囲ったことに、泰臣が激怒したと。今にして思えば、矛盾点もなく鵜呑みにしたことを後悔した。チッ――と、憎々しげに鳴る舌打ちに、泰臣は軽く笑い声を上げると「そうそう……」と、言葉を紡ぐ。
「良い感情を持つわけがない。2つ年下の咲は、物心ついた頃から一緒だった。妾などではなく、それなりの家の正妻として嫁がせることは、造作もない。俺は、尾井坂家の跡取りとして此処に居るのだから。だが……光留、俺は、其なりに根に持っているんだ」
低く声を落とし、ベルベットの背もたれから、身を離す泰臣の射抜く視線は、晃子に良く似ている。ただ、皮肉げに歪む唇は、似ても似つかない。「早く先を」光留は、さっさと結論を出したいと急いた。
「勲功で爵位を授かったのは、明治17年。俺は12歳、下町で母と暮らしていた頃だった。男爵になったはいいが、正妻には跡継ぎがいない。当然ながら、俺は迎え入れられた。母が亡くなったのは、その直前だった」
「……君、想像で大それたことを言うものじゃありません」
先走って止めた光留に、泰臣は肩を震わせると「失敬」と、カップに唇を寄せた。一口含む珈琲が喉を鳴らす。
「円山芸者だった母は、本来、気風が良い人だったらしい。それが貶められ、住まいの周りにも手を回され、陰口を叩かれていくうちに、引きこもり塞ぎ混む日が増えていったと。男の子を産んだばかりに、夫人の憎しみを受けてしまった。そんな母にとって里は 無論、咲の存在は拠り所だっただろう。しかし咲は、妾となった……俺は、母のようになることを案じ、又、羽倉崎さんに対して怒りを覚えた……だがな、光留、一つ良いことがあった」
一旦、句切るとニッコリと微笑む
「何だと思う?」即座に返ってきたのは「知りませんよ」という光留の一言。
期待はずれの返答だったのだろう。泰臣は、あからさまに眉を寄せると、溜め息をついた。おそらく呆れを表す、最大の嫌味として。
「泰臣君、正直、君には興味がないんです。良いことがあれば、結構なことで。としか言いようがない」
「急く気持ちは分かるが……まあ、いい。良いこと、それは咲がお姉様の許嫁の妾だということ。全く関係ない男の妾ならば、腹立ちしかないが、これは良い意趣返しだと」
「はぁ!? 」
とんでもないことを、言い出した学友の真意は、何処にあるのか?それを覗こうと試み、褐色の瞳を眇めてみせるが、今にも口笛を吹きそうな程、ご機嫌露な表情の本音など、見たまんまのような気がする。
「君、正気? それで、今回の鬼怒川行きですか? 結果、身重の咲さんは辛い思いをする」
「そんなの身から出た錆びだ。妾ならば正妻の影になるのは、うちの母を見て知っていた筈」
煽っているのか?と思うほど、泰臣は冷静に言葉を継ぐ。反論のしようがない、逆の立場なら光留もそう答えるからだ。実に模範的で始末に終えない。苛立ちを見せると負けだろう、光留は無駄だと知りながらも、諭す言葉を繰り出した。
「咲さんに、選択肢はあったのですか?ないでしょう?学生である君の負担になる訳にはいかない。世話をやいてくれる羽倉崎さんから、甘言を囁かれたら? 断れないでしょう?」
「だから何だと言うんだ? 妾と正妻、それが咲と姉という事実だけで十分だろう。そして、今回 羽倉崎さんと姉は、鬼怒川まで。世間は、そう見るだろう。誰かさんが、裏で手を回して縁談を止めていても、世間の目にハッキリと映る事実だ。」
「行かせる気はありませんよ。晃子さんは、どちらに?」
「会わせると思うのか?」
「会わせない気ですか?」
「まさか、会わせたくても今、留守だ」
晃子が外出とは、珍しい――と、思いはするが、つまらない嘘をついて、面会させない手段を講じる必要はない為、本当だろう。
「留守? どちらへ」
「何処かは知らないが、入り用の物を揃えるとかで、出掛けている。日本橋付近じゃないか?お気の毒さま」
「なかなか、苛つく物言いをしますね?」
「ははは! ついでに、もう一つ。鬼怒川行きを計画したのは、お前には悪いが初恋成就を潰す為だ」
爽やかな朗笑と共に放たれた意味のある言葉に、今更驚くこともなく。さもありなん――と軽く頷いてみせるが、恨み言くらいは――と、憂いある面立ちを作ってみせた。
「ひどい人ですね。僕が、どんな思いで欧州に渡ったか、察してもくれないなんて」
「邪魔するのは、お前のではないよ」
「どういう意味です?」
「あの女の初恋を潰す。少々、不幸になってもバチは当たらないよ。未来の子爵夫人じゃなくても、貿易商の妻で十分だろう? 忌み嫌う妾つきの」
泰臣は、堪らないと吹き出すと無作法にも、光留の鼻先を指で差す。深い闇色の瞳は、ゆっくりと繊月を形作った。
「あの女の初恋は、お前だろ? 感謝しているんだ、これでも。妾のいる夫を持つ……、本来これだけだったのが、恋破れて……ときた。これ程、愉快なことはないよ。ありがとう、光留君。あの女を落としてくれて」
泰臣は、満面の笑みを浮かべ、右手を差し出した。
「何を考えているんですか!」
怒声を浴びせる相手は、学習院からの学友であり、晃子の弟にあたる泰臣だ。
瀬戸物町で思わぬことを知り、そのまま飛び出し、たどり着いたのが尾井坂男爵邸なのは、当然の成り行きと云える。
テーブルを叩きつける勢いの光留に対して、冷めた様子で「うるさい」と告げる泰臣は、腕を組み、そっぽを向く。なかなか横着な態度だ。
「ああ、そうだ。お姉様の鬼怒川行きを進めたのは、俺だよ。別にいいだろう? お父様が鬼怒川の事業へ、羽倉崎さんを呼んだんだ。なかなか行ける所でもなし、2人でお父様に会いに行っては?と」
「嘘をおっしゃい! 君は、男爵へ手を回したでしょう!? 」
「何だ、そんなことまで知っているのか。そうだ。羽倉崎さんに言っても、父の指図がないのに姉を連れ出せるわけがない。そして、あの女も行かないだろう。だが、父に呼ばれたら行かざるを得ない」
「何故、そんな真似をしたのです!? 君は、咲さんの件で羽倉崎さんに、良い感情を持ってないと思ってました」
光留は 以前、里から聞いていた。従妹である咲を妾として囲ったことに、泰臣が激怒したと。今にして思えば、矛盾点もなく鵜呑みにしたことを後悔した。チッ――と、憎々しげに鳴る舌打ちに、泰臣は軽く笑い声を上げると「そうそう……」と、言葉を紡ぐ。
「良い感情を持つわけがない。2つ年下の咲は、物心ついた頃から一緒だった。妾などではなく、それなりの家の正妻として嫁がせることは、造作もない。俺は、尾井坂家の跡取りとして此処に居るのだから。だが……光留、俺は、其なりに根に持っているんだ」
低く声を落とし、ベルベットの背もたれから、身を離す泰臣の射抜く視線は、晃子に良く似ている。ただ、皮肉げに歪む唇は、似ても似つかない。「早く先を」光留は、さっさと結論を出したいと急いた。
「勲功で爵位を授かったのは、明治17年。俺は12歳、下町で母と暮らしていた頃だった。男爵になったはいいが、正妻には跡継ぎがいない。当然ながら、俺は迎え入れられた。母が亡くなったのは、その直前だった」
「……君、想像で大それたことを言うものじゃありません」
先走って止めた光留に、泰臣は肩を震わせると「失敬」と、カップに唇を寄せた。一口含む珈琲が喉を鳴らす。
「円山芸者だった母は、本来、気風が良い人だったらしい。それが貶められ、住まいの周りにも手を回され、陰口を叩かれていくうちに、引きこもり塞ぎ混む日が増えていったと。男の子を産んだばかりに、夫人の憎しみを受けてしまった。そんな母にとって里は 無論、咲の存在は拠り所だっただろう。しかし咲は、妾となった……俺は、母のようになることを案じ、又、羽倉崎さんに対して怒りを覚えた……だがな、光留、一つ良いことがあった」
一旦、句切るとニッコリと微笑む
「何だと思う?」即座に返ってきたのは「知りませんよ」という光留の一言。
期待はずれの返答だったのだろう。泰臣は、あからさまに眉を寄せると、溜め息をついた。おそらく呆れを表す、最大の嫌味として。
「泰臣君、正直、君には興味がないんです。良いことがあれば、結構なことで。としか言いようがない」
「急く気持ちは分かるが……まあ、いい。良いこと、それは咲がお姉様の許嫁の妾だということ。全く関係ない男の妾ならば、腹立ちしかないが、これは良い意趣返しだと」
「はぁ!? 」
とんでもないことを、言い出した学友の真意は、何処にあるのか?それを覗こうと試み、褐色の瞳を眇めてみせるが、今にも口笛を吹きそうな程、ご機嫌露な表情の本音など、見たまんまのような気がする。
「君、正気? それで、今回の鬼怒川行きですか? 結果、身重の咲さんは辛い思いをする」
「そんなの身から出た錆びだ。妾ならば正妻の影になるのは、うちの母を見て知っていた筈」
煽っているのか?と思うほど、泰臣は冷静に言葉を継ぐ。反論のしようがない、逆の立場なら光留もそう答えるからだ。実に模範的で始末に終えない。苛立ちを見せると負けだろう、光留は無駄だと知りながらも、諭す言葉を繰り出した。
「咲さんに、選択肢はあったのですか?ないでしょう?学生である君の負担になる訳にはいかない。世話をやいてくれる羽倉崎さんから、甘言を囁かれたら? 断れないでしょう?」
「だから何だと言うんだ? 妾と正妻、それが咲と姉という事実だけで十分だろう。そして、今回 羽倉崎さんと姉は、鬼怒川まで。世間は、そう見るだろう。誰かさんが、裏で手を回して縁談を止めていても、世間の目にハッキリと映る事実だ。」
「行かせる気はありませんよ。晃子さんは、どちらに?」
「会わせると思うのか?」
「会わせない気ですか?」
「まさか、会わせたくても今、留守だ」
晃子が外出とは、珍しい――と、思いはするが、つまらない嘘をついて、面会させない手段を講じる必要はない為、本当だろう。
「留守? どちらへ」
「何処かは知らないが、入り用の物を揃えるとかで、出掛けている。日本橋付近じゃないか?お気の毒さま」
「なかなか、苛つく物言いをしますね?」
「ははは! ついでに、もう一つ。鬼怒川行きを計画したのは、お前には悪いが初恋成就を潰す為だ」
爽やかな朗笑と共に放たれた意味のある言葉に、今更驚くこともなく。さもありなん――と軽く頷いてみせるが、恨み言くらいは――と、憂いある面立ちを作ってみせた。
「ひどい人ですね。僕が、どんな思いで欧州に渡ったか、察してもくれないなんて」
「邪魔するのは、お前のではないよ」
「どういう意味です?」
「あの女の初恋を潰す。少々、不幸になってもバチは当たらないよ。未来の子爵夫人じゃなくても、貿易商の妻で十分だろう? 忌み嫌う妾つきの」
泰臣は、堪らないと吹き出すと無作法にも、光留の鼻先を指で差す。深い闇色の瞳は、ゆっくりと繊月を形作った。
「あの女の初恋は、お前だろ? 感謝しているんだ、これでも。妾のいる夫を持つ……、本来これだけだったのが、恋破れて……ときた。これ程、愉快なことはないよ。ありがとう、光留君。あの女を落としてくれて」
泰臣は、満面の笑みを浮かべ、右手を差し出した。
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