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蚊遣り火
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「大宮伯爵家とのご婚約は、正式な許可がおりている案件ですが、鹿鳴館に花を添えるお手伝いをして頂きたいと宮内大臣、及び宗秩寮総裁からのお願いです」
光留は、テーブルに投げ捨てていた封書を指で滑らせ、泰臣に差し出した。
今回の舞踏会は、縁談相手をと打診があった家は勿論、年頃の子息、子女をもつ家に通達がいっていた。泰臣は、相手は決まっているが出席を促された所謂、サクラ要員としての打診であった。
「勿論、泰臣君は伯爵令嬢とお話をされれば良いと思います」
「あの人とは、話が噛み合わない」
「それでは、良い機会ではないですか。是非、一曲と」
「あの人は、踊れない」
「……は?」
「あの人は、赤子の時に伯爵家から里子に出され、下町の下駄屋で育てられたらしく最近、本邸に入られたらしい。全く話が合わないし、踊れないから顔を合わせても……」
呆気にとられた光留は、チラリと晃子に視線を流した。冗談でもないのだろう、晃子までもが頷いてみせた。
生活に困窮する堂上華族は、産まれた子を乳母などの実家に里子に出すことは、よくあった。今回の伯爵家と男爵家の縁談も、お互いの利害一致から組まれたものだから、里子に出していた姫様を引き取り、嫁がせることにしたのだろう。
「ああ……良いことです。伯爵家の教えが染み込んでいないのなら、男爵家の家訓でも叩き込めばよろしい」
「お前は、物事を良い方に考えられて羨ましい」
あくまで事務的な光留に、泰臣は心底羨ましいとカップを唇に寄せ「お前も出るのだろう?」と尋ねた。
「はは!出るって、僕は宗秩寮の人間としてです。今回は、改まった舞踏会ではないので同伴もいりません。その場で出会うのが目的ですから。久我さんの御供に駆り出されなくて、ホッとしていますよ」
「久我……ああ、お前の従姉妹か」
「ええ、宮津子さんとおっしゃいます。僕は蚊遣り火ですよ」
自身を虫除けだという光留に、晃子は吹き出した。コロコロと鈴を転がす、楽しげな笑い声と共に「光留様が虫除けならば、他の虫は おいそれと宮津子様に、お近づきになれませんわね」という。
「ええ、意外と有能です。1度、試されますか? 虫除けどころか、虫を叩き潰して差し上げますよ」
「生憎、私に虫は寄ってこないのです。ふふふ!」
「ははっ!これは、ご謙遜」
光留は、自分が1番厄介な虫だと知っている。蚊遣り火の効果がない虫は、どうすればいいのか?無論、叩き潰すしか方法はない。
「はぁ――、泰臣君。大宮の駒子様とは、世間話をなさい。小難しいことや、華族の出来事などはダメです。下駄屋の娘ならば、下駄の話でもいいじゃないですか」
「下駄!? 」
「ええ、下駄の鼻緒の柄は、どういったものがお好きですか?色は? そうですか、今度、それと似合う着物をあつらえ、お届けします――こう、仰ってみなさい」
「お前……、言い馴れてるな? 誰にでも言っているのか」
「馬鹿なことを。それでは、僕はこれで。お2人共、お見送りは結構です。ごきげんよう」
光留は、素早く立ち上がると、アッという間に部屋を出た。それでも、無視することが出来ない声が かかることを恐れ、廊下から表玄関まで駆け出した。
「アイツ……変でしたね?」
晃子が同席しているというのに、席を立つのが早いし、名残惜しそうにする素振りもなかったことに、泰臣は首を傾げた。
「そうですか?確かに、慌ただしい感じが致しましたが、お忙しいのでしょう。……それより、光留様は言い馴れているのですか?」
「え? ああ……少なくとも僕は、あんなことスラスラと出ませんが。下駄を贈るではなく、着物を贈る……もしかしたら、帯も締めてあげましょうとか言っているかもしれませんね」
「まあ!泰臣さん!! 失礼ですよ」
「はい、はい。下世話なことを言いました」
泰臣は、封書を懐へしまうと呼び鈴を鳴らす。やって来た家令に「大宮伯爵家の駒子さんが、鹿鳴館で召されるドレスを作る手配を」と告げた。
「あら、気がきくこと」
「みすぼらしい姿で来られても、僕が恥をかくし、光留から嫌味を言われそうですからね」
「確かに、大変気が回られる光留様の目から見たら貴方は、粗忽者でしょうね」
「お姉様の光留への評価は、大変高いと感じますが……」
仲の悪い2人は、静かに喧嘩をする。泰臣は、下衆の勘繰りを露に、目を眇めてみせる。無論、晃子を不快に思わせる魂胆だということは、晃子自身にもわかっていた。
スッと背筋を伸ばし、いつもの如くツンと顎を上げる晃子の言葉は、馬鹿なことばかり仰らないで――だろう。
泰臣は、早くも簡単に予想がつく言葉に、さも可笑しいと肩を竦めたのだが、耳朶を掠めたのは、違う言葉だった。
「ええ、大変素敵な方だと思っております。駒子様も、貴方ではなく光留様ならお幸せだったでしょうに」
「……お姉様は?」
晃子の答えに、泰臣はボソリと漏らした。所詮、何となく漏らした言葉だったので晃子の返答など期待もしていない。例え、聞こえていたとしても当たり障りのない答えだろう。
案の定、モゴモゴと動かした唇からの声音は、向かいに座る晃子には届いていなかったようだ。
「何と言いました?」
「いいえ、何でもありません。お姉様、総裁からのお手紙には、泰臣様、晃子様とあります。もしご出席ならドレスをあつらえた方がよろしいのでは?」
「私は、去年の物があるわ」
「あれは、色合いが冬ではなかったですか?」
「構わないでしょう」
「そうですか、お姉様がよろしいのなら。まあ、その方が良いかもしれませんね。光留も『これは、蚊遣り火も必要ない』と納得するでしょう」
「何ですって!」
気色ばむ晃子は、腰を浮かす。計画通りに苛立たせることに成功した泰臣は「羽倉崎さんに、見立てて頂いたらどうです?」と、捨て台詞を残し、声高に笑い声をあげ立ち去った。
光留は、テーブルに投げ捨てていた封書を指で滑らせ、泰臣に差し出した。
今回の舞踏会は、縁談相手をと打診があった家は勿論、年頃の子息、子女をもつ家に通達がいっていた。泰臣は、相手は決まっているが出席を促された所謂、サクラ要員としての打診であった。
「勿論、泰臣君は伯爵令嬢とお話をされれば良いと思います」
「あの人とは、話が噛み合わない」
「それでは、良い機会ではないですか。是非、一曲と」
「あの人は、踊れない」
「……は?」
「あの人は、赤子の時に伯爵家から里子に出され、下町の下駄屋で育てられたらしく最近、本邸に入られたらしい。全く話が合わないし、踊れないから顔を合わせても……」
呆気にとられた光留は、チラリと晃子に視線を流した。冗談でもないのだろう、晃子までもが頷いてみせた。
生活に困窮する堂上華族は、産まれた子を乳母などの実家に里子に出すことは、よくあった。今回の伯爵家と男爵家の縁談も、お互いの利害一致から組まれたものだから、里子に出していた姫様を引き取り、嫁がせることにしたのだろう。
「ああ……良いことです。伯爵家の教えが染み込んでいないのなら、男爵家の家訓でも叩き込めばよろしい」
「お前は、物事を良い方に考えられて羨ましい」
あくまで事務的な光留に、泰臣は心底羨ましいとカップを唇に寄せ「お前も出るのだろう?」と尋ねた。
「はは!出るって、僕は宗秩寮の人間としてです。今回は、改まった舞踏会ではないので同伴もいりません。その場で出会うのが目的ですから。久我さんの御供に駆り出されなくて、ホッとしていますよ」
「久我……ああ、お前の従姉妹か」
「ええ、宮津子さんとおっしゃいます。僕は蚊遣り火ですよ」
自身を虫除けだという光留に、晃子は吹き出した。コロコロと鈴を転がす、楽しげな笑い声と共に「光留様が虫除けならば、他の虫は おいそれと宮津子様に、お近づきになれませんわね」という。
「ええ、意外と有能です。1度、試されますか? 虫除けどころか、虫を叩き潰して差し上げますよ」
「生憎、私に虫は寄ってこないのです。ふふふ!」
「ははっ!これは、ご謙遜」
光留は、自分が1番厄介な虫だと知っている。蚊遣り火の効果がない虫は、どうすればいいのか?無論、叩き潰すしか方法はない。
「はぁ――、泰臣君。大宮の駒子様とは、世間話をなさい。小難しいことや、華族の出来事などはダメです。下駄屋の娘ならば、下駄の話でもいいじゃないですか」
「下駄!? 」
「ええ、下駄の鼻緒の柄は、どういったものがお好きですか?色は? そうですか、今度、それと似合う着物をあつらえ、お届けします――こう、仰ってみなさい」
「お前……、言い馴れてるな? 誰にでも言っているのか」
「馬鹿なことを。それでは、僕はこれで。お2人共、お見送りは結構です。ごきげんよう」
光留は、素早く立ち上がると、アッという間に部屋を出た。それでも、無視することが出来ない声が かかることを恐れ、廊下から表玄関まで駆け出した。
「アイツ……変でしたね?」
晃子が同席しているというのに、席を立つのが早いし、名残惜しそうにする素振りもなかったことに、泰臣は首を傾げた。
「そうですか?確かに、慌ただしい感じが致しましたが、お忙しいのでしょう。……それより、光留様は言い馴れているのですか?」
「え? ああ……少なくとも僕は、あんなことスラスラと出ませんが。下駄を贈るではなく、着物を贈る……もしかしたら、帯も締めてあげましょうとか言っているかもしれませんね」
「まあ!泰臣さん!! 失礼ですよ」
「はい、はい。下世話なことを言いました」
泰臣は、封書を懐へしまうと呼び鈴を鳴らす。やって来た家令に「大宮伯爵家の駒子さんが、鹿鳴館で召されるドレスを作る手配を」と告げた。
「あら、気がきくこと」
「みすぼらしい姿で来られても、僕が恥をかくし、光留から嫌味を言われそうですからね」
「確かに、大変気が回られる光留様の目から見たら貴方は、粗忽者でしょうね」
「お姉様の光留への評価は、大変高いと感じますが……」
仲の悪い2人は、静かに喧嘩をする。泰臣は、下衆の勘繰りを露に、目を眇めてみせる。無論、晃子を不快に思わせる魂胆だということは、晃子自身にもわかっていた。
スッと背筋を伸ばし、いつもの如くツンと顎を上げる晃子の言葉は、馬鹿なことばかり仰らないで――だろう。
泰臣は、早くも簡単に予想がつく言葉に、さも可笑しいと肩を竦めたのだが、耳朶を掠めたのは、違う言葉だった。
「ええ、大変素敵な方だと思っております。駒子様も、貴方ではなく光留様ならお幸せだったでしょうに」
「……お姉様は?」
晃子の答えに、泰臣はボソリと漏らした。所詮、何となく漏らした言葉だったので晃子の返答など期待もしていない。例え、聞こえていたとしても当たり障りのない答えだろう。
案の定、モゴモゴと動かした唇からの声音は、向かいに座る晃子には届いていなかったようだ。
「何と言いました?」
「いいえ、何でもありません。お姉様、総裁からのお手紙には、泰臣様、晃子様とあります。もしご出席ならドレスをあつらえた方がよろしいのでは?」
「私は、去年の物があるわ」
「あれは、色合いが冬ではなかったですか?」
「構わないでしょう」
「そうですか、お姉様がよろしいのなら。まあ、その方が良いかもしれませんね。光留も『これは、蚊遣り火も必要ない』と納得するでしょう」
「何ですって!」
気色ばむ晃子は、腰を浮かす。計画通りに苛立たせることに成功した泰臣は「羽倉崎さんに、見立てて頂いたらどうです?」と、捨て台詞を残し、声高に笑い声をあげ立ち去った。
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