42 / 45
賢者とお姫様、聖女と対峙する
しおりを挟む
タール村に着いた俺達は案内役の人を探すことにした。なんでも聖女を案内してから行方がわからなくなってるのだとか。
聖女という言葉で呼ばれているのはこの世界には今1人しかいない。間違いなくティーナが何かをしたことだけはわかる。
「間違いなく、ティーナが絡んでいますね」
「俺もそう思います。ここは手分けしてティーナの居場所を探るのがいいかと」
「それがいいでしょうね。マギ、近接戦闘はなるだけ控えてください」
「わかりました!」
ラナさんは村の中を俺は森の中をノアさんは村郊外の遺跡をそれぞれ調べることにした。
森の中を走っていた時突然鑑定眼が作動し、体が真っ二つになっている未来が見えた。
咄嗟に体に捻り右方向へと進行方向を変更する。
「マギさん避けないでくださいよ。当たらないじゃないですか」
「ティーナはしばらく会わない間に随分性格が過激になりましたね」
「私は選ばれましたから」
「選ばれた?」
「ええ。アルデバラン様に私は選ばれたのです!」
全く意味がわからない。神に選ばれるというのはどういうことなのだろう。俺にはさっぱりだ。
「そうですか。でも俺を襲うのはやめておいた方が良かったと思いますよ」
それまでこちらを斬る気満々だったティーナの動きが少し止まる。
「それはどうしてでしょう?貴方はアルデバラン様の教えに反き尚且つアルカイドの側についているというではありませんか!」
アルカイドとは誰なのか皆目検討もつかない。誰のことなのだろうか。ティーナがまともに話せる状態ではないのがよくわかった。
「というわけで死んでもらいます。マギさんは近接戦闘が苦手でしたね」
そういい一気に距離をこちらに詰めてくるティーナ。速度が速すぎて反応しきれない。
数秒後自分が切られている姿が瞳に映る。
「ノアさんすいません。俺ここまでみたいです」
そう呟きゆっくり目を瞑る。思えばノアさんやエルに出会えたこと以外ロクでもない人生だったと思いながら。
1秒2秒3秒とすぎても剣が体を斬る感覚が伝わってこない。
「マギ早く目を開けて魔法をかけてください」
聞き覚えのある声が聞こえ、目を開くとそこにはティーナの剣を受け止めているノアさんがいた。
この人はいつでも俺の救世主だ。
急いで起き上がった俺はノアさんに支援魔法をかける。
【プロテクション】
【アンチマジック】
【属性付与火】
【身体能力強化】
「なんだがこの付与は初めてマギと戦った時を思い出しますね」
「ええ。俺もそう思っていたところです」
「なに人の剣受け止めた挙句ラブコメを始めてるんですか?さっさと死んでください」
ティーナから鋭い斬撃が飛んでくる。俺に放ったものとは段違いだ。
だけどノアさんならきっとあれを受け止められるという自信があった。何故なら俺の支援魔法が掛かっているから。
ティーナの斬撃華麗に弾き返したノアさんはとても美しい。
「まさか今のが弾かれるとは予想外です」
「まあそうですね。正直私1人では貴女に勝てないと思います」
ですがとノアさんは言葉を続ける。
「私は貴女方が不要と言い追い出したパートナーが居ますので。マギと一緒に戦う私は無敵ですよ?」
「それがアイだというのですか?」
「それは分かりかねますが少なくとも貴女とその背後にいる悪神よりは愛があるのではないですか?」
ティーナとアルデバランを挑発するようにノアさんが告げる。
『よく言ったな小童』
ティーナの持っている聖剣から声が聞こえてくる。
大方あれがアルデバランなのだろう。
『貴様とそこの男は殺すだけでは足りぬ。死して尚地獄を味合わせてやる』
その言葉を区切りに徐々にティーナの体が変化していく。今までは普通の人間だったが今は異形の悪魔か何かだ。
「さてマギ、私達はあれに負けられません。やれますか?」
「愚問ですね。さっきあんな啖呵切ったにしてはノアさんこそちょっと腰引けてませんか?」
「そんなわけないでしょう。ささっと倒して帰りますよ」
「はい、そうしましょう。エルも待ってますし」
こうして俺達の最終決戦が始まった。
聖女という言葉で呼ばれているのはこの世界には今1人しかいない。間違いなくティーナが何かをしたことだけはわかる。
「間違いなく、ティーナが絡んでいますね」
「俺もそう思います。ここは手分けしてティーナの居場所を探るのがいいかと」
「それがいいでしょうね。マギ、近接戦闘はなるだけ控えてください」
「わかりました!」
ラナさんは村の中を俺は森の中をノアさんは村郊外の遺跡をそれぞれ調べることにした。
森の中を走っていた時突然鑑定眼が作動し、体が真っ二つになっている未来が見えた。
咄嗟に体に捻り右方向へと進行方向を変更する。
「マギさん避けないでくださいよ。当たらないじゃないですか」
「ティーナはしばらく会わない間に随分性格が過激になりましたね」
「私は選ばれましたから」
「選ばれた?」
「ええ。アルデバラン様に私は選ばれたのです!」
全く意味がわからない。神に選ばれるというのはどういうことなのだろう。俺にはさっぱりだ。
「そうですか。でも俺を襲うのはやめておいた方が良かったと思いますよ」
それまでこちらを斬る気満々だったティーナの動きが少し止まる。
「それはどうしてでしょう?貴方はアルデバラン様の教えに反き尚且つアルカイドの側についているというではありませんか!」
アルカイドとは誰なのか皆目検討もつかない。誰のことなのだろうか。ティーナがまともに話せる状態ではないのがよくわかった。
「というわけで死んでもらいます。マギさんは近接戦闘が苦手でしたね」
そういい一気に距離をこちらに詰めてくるティーナ。速度が速すぎて反応しきれない。
数秒後自分が切られている姿が瞳に映る。
「ノアさんすいません。俺ここまでみたいです」
そう呟きゆっくり目を瞑る。思えばノアさんやエルに出会えたこと以外ロクでもない人生だったと思いながら。
1秒2秒3秒とすぎても剣が体を斬る感覚が伝わってこない。
「マギ早く目を開けて魔法をかけてください」
聞き覚えのある声が聞こえ、目を開くとそこにはティーナの剣を受け止めているノアさんがいた。
この人はいつでも俺の救世主だ。
急いで起き上がった俺はノアさんに支援魔法をかける。
【プロテクション】
【アンチマジック】
【属性付与火】
【身体能力強化】
「なんだがこの付与は初めてマギと戦った時を思い出しますね」
「ええ。俺もそう思っていたところです」
「なに人の剣受け止めた挙句ラブコメを始めてるんですか?さっさと死んでください」
ティーナから鋭い斬撃が飛んでくる。俺に放ったものとは段違いだ。
だけどノアさんならきっとあれを受け止められるという自信があった。何故なら俺の支援魔法が掛かっているから。
ティーナの斬撃華麗に弾き返したノアさんはとても美しい。
「まさか今のが弾かれるとは予想外です」
「まあそうですね。正直私1人では貴女に勝てないと思います」
ですがとノアさんは言葉を続ける。
「私は貴女方が不要と言い追い出したパートナーが居ますので。マギと一緒に戦う私は無敵ですよ?」
「それがアイだというのですか?」
「それは分かりかねますが少なくとも貴女とその背後にいる悪神よりは愛があるのではないですか?」
ティーナとアルデバランを挑発するようにノアさんが告げる。
『よく言ったな小童』
ティーナの持っている聖剣から声が聞こえてくる。
大方あれがアルデバランなのだろう。
『貴様とそこの男は殺すだけでは足りぬ。死して尚地獄を味合わせてやる』
その言葉を区切りに徐々にティーナの体が変化していく。今までは普通の人間だったが今は異形の悪魔か何かだ。
「さてマギ、私達はあれに負けられません。やれますか?」
「愚問ですね。さっきあんな啖呵切ったにしてはノアさんこそちょっと腰引けてませんか?」
「そんなわけないでしょう。ささっと倒して帰りますよ」
「はい、そうしましょう。エルも待ってますし」
こうして俺達の最終決戦が始まった。
1
お気に入りに追加
100
あなたにおすすめの小説
無能スキルと言われ追放されたが実は防御無視の最強スキルだった
さくらはい
ファンタジー
主人公の不動颯太は勇者としてクラスメイト達と共に異世界に召喚された。だが、【アスポート】という使えないスキルを獲得してしまったばかりに、一人だけ城を追放されてしまった。この【アスポート】は対象物を1mだけ瞬間移動させるという単純な効果を持つが、実はどんな物質でも一撃で破壊できる攻撃特化超火力スキルだったのだ――
【不定期更新】
1話あたり2000~3000文字くらいで短めです。
性的な表現はありませんが、ややグロテスクな表現や過激な思想が含まれます。
良ければ感想ください。誤字脱字誤用報告も歓迎です。
スキル間違いの『双剣士』~一族の恥だと追放されたが、追放先でスキルが覚醒。気が付いたら最強双剣士に~
きょろ
ファンタジー
この世界では5歳になる全ての者に『スキル』が与えられる――。
洗礼の儀によってスキル『片手剣』を手にしたグリム・レオハートは、王国で最も有名な名家の長男。
レオハート家は代々、女神様より剣の才能を与えられる事が多い剣聖一族であり、グリムの父は王国最強と謳われる程の剣聖であった。
しかし、そんなレオハート家の長男にも関わらずグリムは全く剣の才能が伸びなかった。
スキルを手にしてから早5年――。
「貴様は一族の恥だ。最早息子でも何でもない」
突如そう父に告げられたグリムは、家族からも王国からも追放され、人が寄り付かない辺境の森へと飛ばされてしまった。
森のモンスターに襲われ絶対絶命の危機に陥ったグリム。ふと辺りを見ると、そこには過去に辺境の森に飛ばされたであろう者達の骨が沢山散らばっていた。
それを見つけたグリムは全てを諦め、最後に潔く己の墓を建てたのだった。
「どうせならこの森で1番派手にしようか――」
そこから更に8年――。
18歳になったグリムは何故か辺境の森で最強の『双剣士』となっていた。
「やべ、また力込め過ぎた……。双剣じゃやっぱ強すぎるな。こりゃ1本は飾りで十分だ」
最強となったグリムの所へ、ある日1体の珍しいモンスターが現れた。
そして、このモンスターとの出会いがグレイの運命を大きく動かす事となる――。
神速の成長チート! ~無能だと追い出されましたが、逆転レベルアップで最強異世界ライフ始めました~
雪華慧太
ファンタジー
高校生の裕樹はある日、意地の悪いクラスメートたちと異世界に勇者として召喚された。勇者に相応しい力を与えられたクラスメートとは違い、裕樹が持っていたのは自分のレベルを一つ下げるという使えないにも程があるスキル。皆に嘲笑われ、さらには国王の命令で命を狙われる。絶体絶命の状況の中、唯一のスキルを使った裕樹はなんとレベル1からレベル0に。絶望する裕樹だったが、実はそれがあり得ない程の神速成長チートの始まりだった! その力を使って裕樹は様々な職業を極め、異世界最強に上り詰めると共に、極めた生産職で快適な異世界ライフを目指していく。
大器晩成エンチャンター~Sランク冒険者パーティから追放されてしまったが、追放後の成長度合いが凄くて世界最強になる
遠野紫
ファンタジー
「な、なんでだよ……今まで一緒に頑張って来たろ……?」
「頑張って来たのは俺たちだよ……お前はお荷物だ。サザン、お前にはパーティから抜けてもらう」
S級冒険者パーティのエンチャンターであるサザンは或る時、パーティリーダーから追放を言い渡されてしまう。
村の仲良し四人で結成したパーティだったが、サザンだけはなぜか実力が伸びなかったのだ。他のメンバーに追いつくために日々努力を重ねたサザンだったが結局報われることは無く追放されてしまった。
しかしサザンはレアスキル『大器晩成』を持っていたため、ある時突然その強さが解放されたのだった。
とてつもない成長率を手にしたサザンの最強エンチャンターへの道が今始まる。
チートスキル【レベル投げ】でレアアイテム大量獲得&スローライフ!?
桜井正宗
ファンタジー
「アウルム・キルクルスお前は勇者ではない、追放だ!!」
その後、第二勇者・セクンドスが召喚され、彼が魔王を倒した。俺はその日に聖女フルクと出会い、レベル0ながらも【レベル投げ】を習得した。レベル0だから投げても魔力(MP)が減らないし、無限なのだ。
影響するステータスは『運』。
聖女フルクさえいれば運が向上され、俺は幸運に恵まれ、スキルの威力も倍増した。
第二勇者が魔王を倒すとエンディングと共に『EXダンジョン』が出現する。その隙を狙い、フルクと共にダンジョンの所有権をゲット、独占する。ダンジョンのレアアイテムを入手しまくり売却、やがて莫大な富を手に入れ、最強にもなる。
すると、第二勇者がEXダンジョンを返せとやって来る。しかし、先に侵入した者が所有権を持つため譲渡は不可能。第二勇者を拒絶する。
より強くなった俺は元ギルドメンバーや世界の国中から戻ってこいとせがまれるが、もう遅い!!
真の仲間と共にダンジョン攻略スローライフを送る。
【簡単な流れ】
勇者がボコボコにされます→元勇者として活動→聖女と出会います→レベル投げを習得→EXダンジョンゲット→レア装備ゲットしまくり→元パーティざまぁ
【原題】
『お前は勇者ではないとギルドを追放され、第二勇者が魔王を倒しエンディングの最中レベル0の俺は出現したEXダンジョンを独占~【レベル投げ】でレアアイテム大量獲得~戻って来いと言われても、もう遅いんだが』
転生賢者の異世界無双〜勇者じゃないと追放されましたが、世界最強の賢者でした〜
平山和人
ファンタジー
平凡な高校生の新城直人は異世界へと召喚される。勇者としてこの国を救ってほしいと頼まれるが、直人の職業は賢者であったため、一方的に追放されてしまう。
だが、王は知らなかった。賢者は勇者をも超える世界最強の職業であることを、自分の力に気づいた直人はその力を使って自由気ままに生きるのであった。
一方、王は直人が最強だと知って、戻ってくるように土下座して懇願するが、全ては手遅れであった。
僕の秘密を知った自称勇者が聖剣を寄越せと言ってきたので渡してみた
黒木メイ
ファンタジー
世界に一人しかいないと言われている『勇者』。
その『勇者』は今、ワグナー王国にいるらしい。
曖昧なのには理由があった。
『勇者』だと思わしき少年、レンが頑なに「僕は勇者じゃない」と言っているからだ。
どんなに周りが勇者だと持て囃してもレンは認めようとしない。
※小説家になろうにも随時転載中。
レンはただ、ある目的のついでに人々を助けただけだと言う。
それでも皆はレンが勇者だと思っていた。
突如日本という国から彼らが転移してくるまでは。
はたして、レンは本当に勇者ではないのか……。
ざまぁあり・友情あり・謎ありな作品です。
※小説家になろう、カクヨム、ネオページにも掲載。
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる