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賢者とお姫様、聖剣を預ける
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帝都に戻ってきた俺とノアさんは今持っている刀を作ったドワーフの武器屋に訪れていた。
「よう兄ちゃん!久しぶりだな?」
「お久しぶりです。少し旅をしていたもので」
ドワーフのおじさんがノアさんをチラッと見て納得した風に頷く。
「大方2本目が欲しくなったというところか?」
「ええ。旅先で2本目を作ろうと武器屋に立ち寄ったところ作れないと言われましてね」
「あーもしかして気づかれたりしてます?」
少し困った顔をするドワーフのおじさん。
「まあそういうことです」
「なぁ兄ちゃんと嬢ちゃん今回はただで作ってやるからこの事は....」
「いいでしょう。元々話す気なんて微塵もないですけどね」
「はは、こりゃ1本取られたな」
ドワーフのおじさんが人間になっていく。
「えっとおじさんドワーフじゃなかったんですか....?」
「もしかして知ったのはこっちの秘密じゃないのか?」
「鎌をかけて正解でした。以前お会いした時から魔力の動きがドワーフのそれとは違いましたので」
「それでおじさんは何者なんですか......?」
「俺は初代勇者付きの鍛治職人だよ。呪いもちのな」
「それって1000年近く生きてるってことですよね?」
「まあな。呪いっていうのはそういうものだ。剣で刺されても火で焼かれても崖から落とされても死ねない」
「かなり強力な呪いですね。先天性ですか?」
「ああそうだ。生まれた時からこれだ」
「....失礼ですが死にたいとは思わないのですか?」
「嬢ちゃん中々酷なことを聞いてくるな。言ってるだろ?死ねないんだ、死にたくてもな」
「私が軽率でした。すいません」
ノアさんが頭を下げる。死ねないというのは確かに酷な話だ。
「お前達にいい話してやるよ」
と前置きおじさんが語り始める。内容は聖剣を作った青年の話だった。
話によると聖剣には自我があったらしい。それが2つに分かれた時に消失したとか。
「俺が鍛治職人をやっている理由はそれだ。聖剣の自我を取り戻す。なんとしてもな」
「しかしそうは言っても中々難しい話ではないですか?そもそも聖剣は必要に応じたから2つに分かれたわけですよね?」
「兄ちゃんそれは違う。いまの伝承ではそうなっているだけで聖剣は自分の意思で分かれたんじゃない。無理やり半分にされたんだ」
「それは一体誰が?」
「聖王国の信仰してる神だ。奴は悪神の類なんだよ」
「悪神?」
「悪魔や魔王、それに連なる存在を操っている神だ。まあもっとも兄ちゃんや嬢ちゃんみたいな普通の人には縁のない話だと思うが」
「これを見てもですか?」
ノアさんが聖剣を差し出す。
「お前担い手か....!?」
「担い手というのが何かは知りませんが、私は聖剣を使えます。それこそ生まれた時から....」
「そうか。いや、何も知らなかったとはいえすまなかった。少しだけ聖剣を見させてくれないか?」
「ええ、いいでしょう」
聖剣を少し預け、俺とノアさんはエルに少し会いにいくことにした。
「よう兄ちゃん!久しぶりだな?」
「お久しぶりです。少し旅をしていたもので」
ドワーフのおじさんがノアさんをチラッと見て納得した風に頷く。
「大方2本目が欲しくなったというところか?」
「ええ。旅先で2本目を作ろうと武器屋に立ち寄ったところ作れないと言われましてね」
「あーもしかして気づかれたりしてます?」
少し困った顔をするドワーフのおじさん。
「まあそういうことです」
「なぁ兄ちゃんと嬢ちゃん今回はただで作ってやるからこの事は....」
「いいでしょう。元々話す気なんて微塵もないですけどね」
「はは、こりゃ1本取られたな」
ドワーフのおじさんが人間になっていく。
「えっとおじさんドワーフじゃなかったんですか....?」
「もしかして知ったのはこっちの秘密じゃないのか?」
「鎌をかけて正解でした。以前お会いした時から魔力の動きがドワーフのそれとは違いましたので」
「それでおじさんは何者なんですか......?」
「俺は初代勇者付きの鍛治職人だよ。呪いもちのな」
「それって1000年近く生きてるってことですよね?」
「まあな。呪いっていうのはそういうものだ。剣で刺されても火で焼かれても崖から落とされても死ねない」
「かなり強力な呪いですね。先天性ですか?」
「ああそうだ。生まれた時からこれだ」
「....失礼ですが死にたいとは思わないのですか?」
「嬢ちゃん中々酷なことを聞いてくるな。言ってるだろ?死ねないんだ、死にたくてもな」
「私が軽率でした。すいません」
ノアさんが頭を下げる。死ねないというのは確かに酷な話だ。
「お前達にいい話してやるよ」
と前置きおじさんが語り始める。内容は聖剣を作った青年の話だった。
話によると聖剣には自我があったらしい。それが2つに分かれた時に消失したとか。
「俺が鍛治職人をやっている理由はそれだ。聖剣の自我を取り戻す。なんとしてもな」
「しかしそうは言っても中々難しい話ではないですか?そもそも聖剣は必要に応じたから2つに分かれたわけですよね?」
「兄ちゃんそれは違う。いまの伝承ではそうなっているだけで聖剣は自分の意思で分かれたんじゃない。無理やり半分にされたんだ」
「それは一体誰が?」
「聖王国の信仰してる神だ。奴は悪神の類なんだよ」
「悪神?」
「悪魔や魔王、それに連なる存在を操っている神だ。まあもっとも兄ちゃんや嬢ちゃんみたいな普通の人には縁のない話だと思うが」
「これを見てもですか?」
ノアさんが聖剣を差し出す。
「お前担い手か....!?」
「担い手というのが何かは知りませんが、私は聖剣を使えます。それこそ生まれた時から....」
「そうか。いや、何も知らなかったとはいえすまなかった。少しだけ聖剣を見させてくれないか?」
「ええ、いいでしょう」
聖剣を少し預け、俺とノアさんはエルに少し会いにいくことにした。
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