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勇者とエルフ、お姫様に恩返しをするwith勇者パーティー
しおりを挟む「今日から勇者パーティーに加入させていただきますラナと申します。職業はアサシンです」
「というわけで国王の推薦でラナちゃんが加入したぜ!」
「ラナさんよろしくお願いしますわ!」
「ラナさんよろしく......」
ラナは早速勇者パーティーに潜伏したいた。パーティーに入るとそれだけ勇者の寝首をかける機会が増えると読んだからだ。ラナにとって国王の命令は絶対と小さい頃から教わっている。
勇者パーティーは早速中級ダンジョンに来ていた。以前3人で失敗したにも関わらずだ。
「ラナちゃんはあれの相手してくれる?」
勇者から飛んでくる指示が不快だ。私は1人で考えて動く方が強い。
だが一応勇者の言う通りのモンスターの相手をする。
勇者パーティー達も別のモンスターと戦い出す。
ラナはその様子を見ながら思う。
「弱すぎる......。これが勇者?」
聖騎士もだ。聖女はまだマシな方だが判断力が全くない。
いっそここで襲ってしまった方がいいのではないか?いや勇者パーティーが実力を隠しているのかも知れない。安易に手を出して勇者パーティーのように失敗してはいけない。やるなら1人1人着実にだ。
勇者の暗殺計画が裏で着々と進んでいることにゲイランが気付く様子はなかった。
「デートですか?」
「はい勿論、俺と2人でではなくエルと3人でですけど」
俺とエルはエルフの国から帰った後ノアさんに2人で恩返しする計画を練った。
それの実行日が今日というわけだ。
「やぶさかではないですがお父様が私が町に行くことを許可してくれるかどうか......」
「そこは安心してください。皇帝陛下の許可は取ってあります」
「お父様が?」
「ええ娘を楽しませてきて欲しいとも言われてます」
「お父様がそんなことを......」
正直俺も皇帝陛下の許可がもらえるとは思っていなかった。取れなかった場合は無理矢理連れ出すというプランも考えていた。
「お着替えも用意してますので着替えてきていただけますか」
「わかりました!」
初めて行く町にワクワクを抑えきれていないノアさんはとても可愛い。
「わあエルさん可愛いですね」
「ノアこそとても似合ってる!」
2人には町に行くのにドレスというのは目立ちすぎるので2人には少しおしゃれな町娘に見える格好に着替えてもらった。
「マギそれで私はどこにエスコートされるのですか?」
「まずはエルと俺でノアさんへのプレゼントを受け取りに行こうかなと思います」
「お店は師匠がいっぱい調べてくれたからノアは安心してついてくるといい!」
「わかりました。では今日はマギのエスコートに期待するとしましょう」
俺は事前に頼んでいた店に行く。
ノアさんは宝石やネックレスのような装飾品にはあまり興味がないこともメイドさんから聞いて知っていた。
「まずはここです」
「武器屋ですか?」
「ノアなら宝石よりこういうの方がいいってメイド達が言ってたぞ!」
「なるほど。いえ間違いないですね」
「いらっしゃい!あっお前さんか。商品はできてるぜ」
ドワーフのおじさんが俺に声をかけてくる。
「おじさんありがとうございます。結構無理な期間だったと思いますが」
「いやいや礼を言うのはこっちの方だぜ!こんな面白いもん作らせてくれるなんてな」
俺はドワーフのおじさんに東の島国で使われているという『刀』の作成を依頼した。
勿論ノアさんの力で振っても折れないようにオリハルコン製だ。
「マギそれが私へのプレゼントですか?」
「はい。いいものが作れたと思います」
おじさんは兄ちゃんも隅におけねぇなぁとか言っているが今は無視する。
「これは確か刀と呼ばれる武器でしたね」
「流石ノアさんご存知でしたか」
「ええ。ですが生涯触ることはないだろうと思っていました。まさかこんな形で1つ夢が叶うとは」
ノアさんはその体質故、よほどの戦闘でない限り城から出ることを許されない。
「マギとエルさん本当にありがとうございます......」
少し泣きそうになっているノアさんを慰めながら店を出る。
「兄ちゃん!両方大事にな!」
後ろからそんな声が聞こえてくるが大きなお世話だ。
ディナーのお店はエルが選んでくれた。
町の中では小洒落た少しお高めのレストランだ。
「エルさんいつの間にこんな成長して......」
ノアさんは感動しているがエルはメイド長に聞いただけなのだがそれは黙っておこう。
食事のあと俺達はノアさんの部屋まで戻ってきた。
「お2人方共今日は本当にありがとうございました。まさか私の夢が2つも同時に叶うとは思っても見なかったです」
ノアさんの表情は少し読みにくい。だけど今日は喜んでくれているのがよくわかる。その証拠にずっと今日は笑顔だった。
「いえ俺はいつもお世話になってますし、エルもエルフの国でのことがありますから」
「うん!ノアにはたくさんお世話になった!」
「ノアさんまた機会があれば行きましょう」
「ええ是非に!その時は私もお店を選びたいものですね」
「はい。次はエスコートをお任せします」
こうして楽しい1日は幕を閉じたのだった。
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