KAKIDAMISHI -The Ultimate Karate Battle-

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第六章 運命

第六章 運命 17

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泉崎村――

しばらくの後、守央たちの家の一番座では、守央と守善、正道、志保の4人が正座していた。

守善は黒い足首丈の着物と納戸色の大帯、赤いターバン状の冠、白い足袋を身に着け、守央の隣に座っている。

志保は正道の隣に座り、守善と向かい合っていた。

守央は黒い足首丈の着物と七宝文様の入った薄紅色の大帯、黄色のターバン状の冠を身に着け、正道と向かい合って話をしている。

「まさか、お2人からこちらにいらしてくださるとは……ご足労をおかけしてしまい、申し訳ございません」

「いえいえ。そうお気になさらんでください、守央殿。何せ、我が娘は嫁がせていただく立場ゆえ、婚礼を前に予行も兼ねて一度伺いたく思っておりました。大変急な話にも関わらず、お時間をいただき感謝申し上げます」

「こちらこそ、この度は顔合わせの機会をいただき、誠にありがとうございます。それにしても、うちの守善が志保さんと婚約させていただけるとは驚きました。志保さんの武勇につきましては、かねがね噂に聞いております。女流武術家として名高い志保さんがわたしの長男に嫁いでいただけること、大変光栄に思います」

「こちらとしましても、守善殿のような武勇に優れた殿方と我が一人娘がめでたく結ばれること、大変喜ばしい限りでございます。志保が産まれてすぐの頃にわたしの妻がこの世を去って以来、今日まで男手1つで我が娘を育ててまいりました。お恥ずかしい話ながら、わたしも士族としてはあまりよくできた方ではないゆえ、妻にも娘にも随分と苦労を掛けてまいりました。願わくは、この度の顔合わせに妻も同席させてやりたかったものです。おっと、暗い話になってしまいましたな。誠に申し訳ない。せっかくの祝いの席で、わたしとしたことが……」

平田が苦笑いを見せると、守央は口元に小さく笑みを浮かべた。

「いえ。とてもいいお話を聞かせていただき、ありがとうございます。清明祭シーミーの折には、ぜひご挨拶に伺わせてください。奥様やご先祖様方にも、志保さんと守善の夫婦姿をご覧いただきましょう。皆様にお喜びいただければ、これほど嬉しいことはございません」

「それはよいですな。ぜひとも来年は我が一族の清明祭にお越しください。こちらでも手筈を整え、万全の態勢で皆様をお迎えいたしましょう。折を見て、日取りなどのご相談をさせていただければ幸いに存じます」

「度重なるお心遣い、誠に感謝申し上げます。その際は、どうぞよろしくお願いいたします」
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