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第六章 運命
第六章 運命 14
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志保と守善は互いに間合いを詰めると、様々な軌道の突きや蹴りを繰り出し合いながら、互いの攻撃をそれぞれ腕や脚で受け流し、あるいは躱し合う。
激しい攻防の中、志保の攻撃が激しさを増すと、守善は徐々に防戦一方となり、後ろへ下がり始めた。
守優と美嘉、正道の3人は、その様子に目を向けていた。
「守善様が押され始めてる! このままじゃ……!」
「いや。多分、兄上は反撃の機会を待ってるんだ。あの上段蹴りを攻略できれば、兄上にも勝機があるぜ」
「フン、そう簡単に志保の上段蹴りを返せるとは思えぬが……よかろう、やってみるがよい。我が娘に勝つ秘策があると言うのならば、とくと見せてみよ」
正道が口元に不敵な笑みを浮かべる中、守善は志保の攻撃を防御し続ける。
(確かに、一筋縄ではいかないかもしれない。けど、このままじゃ僕がやられるだけだ。ほかに手がない以上、もうやるしかない。僕は絶対、このカキダミシに勝つ!)
守善がカッと目を見開くと、志保は左足を1歩前に踏み込み、守善の右側頭部目掛けて右上段後ろ廻し蹴りを繰り出した。
その瞬間、守善は両腕で志保の蹴りを受け流しながら掬い、左足裏で志保の左踵を払う。
志保が仰向けに刈り倒されると、守善はすかさず志保の顔面に左正拳下段突きを寸止めで放ち、すぐに残心した。
志保はハッと目を見開いていたが、やがて口元に小さく笑みを浮かべる。
「参りました。わたくしの負けです」
志保が潔く敗北を認めると、守優と美嘉は嬉々とした表情を浮かべた。
「よっしゃあ! 兄上の一番得意な型、サンセールー(三十六手)の応用技が決まったぜ!」
「これで守善様の勝ちってことね!」
美嘉と守優が歓喜すると、正道は口元に不敵な笑みを浮かべる。
「ふむ、まさか本当に志保の蹴りを返してしまうとは……どうやらあの青年、ただ者ではないようじゃな」
正道がそう呟く中、志保は立ち上がって守善と話をしていた。
「お手合わせしていただき、ありがとうございました」
「こちらこそ、ありがとうございました。お怪我はありませんか?」
「はい、平気でございます」
志保が口元に小さく笑みを浮かべると、そこへ守優と美嘉がやって来る。
「兄上、やりましたね!」
「噂の女流武術家に勝っちゃうなんて……さすが、守善様!」
「そう言ってもらえて嬉しいけど、あまり僕の思い通りには戦えなかったかな。まだまだ修業不足だね。それと何より、僕が苦戦するほど志保さんが強いってことが改めてわかったよ。志保さん、僕は1人の武術家として、志保さんを尊敬します。もし良かったら、また技術交流しましょう。志保さんとのカキダミシ、とても楽しかったです。すごく有意義な時間でした」
激しい攻防の中、志保の攻撃が激しさを増すと、守善は徐々に防戦一方となり、後ろへ下がり始めた。
守優と美嘉、正道の3人は、その様子に目を向けていた。
「守善様が押され始めてる! このままじゃ……!」
「いや。多分、兄上は反撃の機会を待ってるんだ。あの上段蹴りを攻略できれば、兄上にも勝機があるぜ」
「フン、そう簡単に志保の上段蹴りを返せるとは思えぬが……よかろう、やってみるがよい。我が娘に勝つ秘策があると言うのならば、とくと見せてみよ」
正道が口元に不敵な笑みを浮かべる中、守善は志保の攻撃を防御し続ける。
(確かに、一筋縄ではいかないかもしれない。けど、このままじゃ僕がやられるだけだ。ほかに手がない以上、もうやるしかない。僕は絶対、このカキダミシに勝つ!)
守善がカッと目を見開くと、志保は左足を1歩前に踏み込み、守善の右側頭部目掛けて右上段後ろ廻し蹴りを繰り出した。
その瞬間、守善は両腕で志保の蹴りを受け流しながら掬い、左足裏で志保の左踵を払う。
志保が仰向けに刈り倒されると、守善はすかさず志保の顔面に左正拳下段突きを寸止めで放ち、すぐに残心した。
志保はハッと目を見開いていたが、やがて口元に小さく笑みを浮かべる。
「参りました。わたくしの負けです」
志保が潔く敗北を認めると、守優と美嘉は嬉々とした表情を浮かべた。
「よっしゃあ! 兄上の一番得意な型、サンセールー(三十六手)の応用技が決まったぜ!」
「これで守善様の勝ちってことね!」
美嘉と守優が歓喜すると、正道は口元に不敵な笑みを浮かべる。
「ふむ、まさか本当に志保の蹴りを返してしまうとは……どうやらあの青年、ただ者ではないようじゃな」
正道がそう呟く中、志保は立ち上がって守善と話をしていた。
「お手合わせしていただき、ありがとうございました」
「こちらこそ、ありがとうございました。お怪我はありませんか?」
「はい、平気でございます」
志保が口元に小さく笑みを浮かべると、そこへ守優と美嘉がやって来る。
「兄上、やりましたね!」
「噂の女流武術家に勝っちゃうなんて……さすが、守善様!」
「そう言ってもらえて嬉しいけど、あまり僕の思い通りには戦えなかったかな。まだまだ修業不足だね。それと何より、僕が苦戦するほど志保さんが強いってことが改めてわかったよ。志保さん、僕は1人の武術家として、志保さんを尊敬します。もし良かったら、また技術交流しましょう。志保さんとのカキダミシ、とても楽しかったです。すごく有意義な時間でした」
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