KAKIDAMISHI -The Ultimate Karate Battle-

第六章 運命

第六章 運命 6

那覇・東村――

しばらくの後、住宅街では美嘉と守優、守善、康正の4人がそれぞれ風呂敷を背負い、人通りの少ない道を歩いていた。

「それにしても、まさか守優に留学の夢があるなんてね」

「俺はいつか必ず清へ行って、現地の武術家と渡り合えるほど強くなってやるぜ。けどその前に、ここでもできる修業はもっとやっておかなくちゃな。兄上、今日の夜も辻でカキダミシしませんか？」

「うん、いいよ。一旦帰って荷物を置いてから出掛けようか」

「カキダミシって言えば、最近面白い噂を聞いたぜ。若狭町村に住む平田ひらた家の一人娘が、自分より強い奴と結婚するためにカキダミシしてるらしくてな。その娘ってのがまた絶世の美女で、野郎共が連日勝負を挑んでは全員ことごとく打ち負かされてるって話だ」

康正がそう言うと、守優は口元に不敵な笑みを浮かべた。

「そんな強ぇ奴がいるのか！　結婚の話は興味ねぇけど、強ぇ奴と戦えるならなんだっていいぜ！　兄上、今日はその平田家の一人娘って奴を探して、カキダミシしましょう！」

「うん、そうだね。美嘉も来る？」

「はい、私も行きます！　同じ女流武術家同士でカキダミシできるなんて、とても楽しみです！」

美嘉が嬉々とした表情を浮かべる中、守優と康正は話を続ける。

「康正、お前も来るだろ？」

「いや、悪い。今日は父上にティーの稽古つけてもらう予定で、夜も時間取れねぇんだ。明日また私塾で話聞かせてくれよ」

「おう！　噂が本当かどうか、俺たちが確かめてやるぜ！」

守優たちは道の彼方へと歩き去っていった。