134 / 150
第六章 運命
第六章 運命 1
しおりを挟む
◆琉球豆知識・陸「琉球人の名前」
かつての琉球人は老若男女を問わず、それぞれの出自や生業に応じて様々な名前や称号を用いていた。特に王族や士族の男子は、「唐名」と「大和名」という2つの名前を使い分けていた。
・童名
幼名であると同時に、成人後も家族や親しい間柄で通称として使用されることがある。先祖の名を継承する他、親族間での相談や占いなど、地域や家によって様々な名付け方が存在する。王族や士族の童名には、「真」「思」などの接頭美称や「金」などの接尾美称が付くこともあった。女性や平民の場合、異名や称号を使用しない限りは童名を生涯の名とした。
・唐名
中国風の名前であり、姓(氏)と諱から成る。王朝時代に公文書や中国との外交などに使用され、特に中国と縁の深い久米村士族は本名として使用することもあった。同じ姓を共有する血縁集団を門中と呼び、現在でも冠婚葬祭などは門中ごとに行われることが多い。
・大和名
日本風の名前であり、家名と位階、名乗から成る。本名として家譜に記載された他、王朝時代には日本との外交などにも使用された。
王族と上級士族は間切や村を領地として賜ると、その領地名を家名とした。出世などによって領地が変われば家名も変更されるため、同じ一族であっても世帯ごとに家名が異なる場合もある。
一般士族は領地を持たないため、名島と呼ばれる名目上の領地を賜って家名とした他、平民は家名を持たない代わりに居住地や職業にちなんだ屋号を名乗ることがあった。
名乗の頭文字は名乗頭と呼ばれ、男子が門中ごとに共通する名乗頭を継承する。例外として、久米村士族には名乗頭を継承する慣習がなく、世代や個人によって様々な名乗を称する。
※参考文献
・沖縄県姓氏家系大辞典編纂委員会編著『沖縄県姓氏家系大辞典(角川日本姓氏歴史人物大辞典47)』角川書店、平成4年
・東恩納寛惇著、琉球新報社編『東恩納寛惇全集6』第一書房、昭和54年
かつての琉球人は老若男女を問わず、それぞれの出自や生業に応じて様々な名前や称号を用いていた。特に王族や士族の男子は、「唐名」と「大和名」という2つの名前を使い分けていた。
・童名
幼名であると同時に、成人後も家族や親しい間柄で通称として使用されることがある。先祖の名を継承する他、親族間での相談や占いなど、地域や家によって様々な名付け方が存在する。王族や士族の童名には、「真」「思」などの接頭美称や「金」などの接尾美称が付くこともあった。女性や平民の場合、異名や称号を使用しない限りは童名を生涯の名とした。
・唐名
中国風の名前であり、姓(氏)と諱から成る。王朝時代に公文書や中国との外交などに使用され、特に中国と縁の深い久米村士族は本名として使用することもあった。同じ姓を共有する血縁集団を門中と呼び、現在でも冠婚葬祭などは門中ごとに行われることが多い。
・大和名
日本風の名前であり、家名と位階、名乗から成る。本名として家譜に記載された他、王朝時代には日本との外交などにも使用された。
王族と上級士族は間切や村を領地として賜ると、その領地名を家名とした。出世などによって領地が変われば家名も変更されるため、同じ一族であっても世帯ごとに家名が異なる場合もある。
一般士族は領地を持たないため、名島と呼ばれる名目上の領地を賜って家名とした他、平民は家名を持たない代わりに居住地や職業にちなんだ屋号を名乗ることがあった。
名乗の頭文字は名乗頭と呼ばれ、男子が門中ごとに共通する名乗頭を継承する。例外として、久米村士族には名乗頭を継承する慣習がなく、世代や個人によって様々な名乗を称する。
※参考文献
・沖縄県姓氏家系大辞典編纂委員会編著『沖縄県姓氏家系大辞典(角川日本姓氏歴史人物大辞典47)』角川書店、平成4年
・東恩納寛惇著、琉球新報社編『東恩納寛惇全集6』第一書房、昭和54年
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
神楽
モモん
ファンタジー
前世を引きずるような転生って、実際にはちょっと考えづらいと思うんですよね。
知識だけを引き継いだ転生と……、身体は女性で、心は男性。
つまり、今でいうトランスジェンダーってヤツですね。
時代背景は西暦800年頃で、和洋折衷のイメージですか。
中国では楊貴妃の時代で、西洋ではローマ帝国の頃。
日本は奈良時代。平城京の頃ですね。
奈良の大仏が建立され、蝦夷討伐や万葉集が編纂された時代になります。
まあ、架空の世界ですので、史実は関係ないですけどね。
おてんばプロレスの女神たち ~男子で、女子大生で、女子プロレスラーのジュリーという生き方~
ちひろ
青春
おてんば女子大学初の“男子の女子大生”ジュリー。憧れの大学生活では想定外のジレンマを抱えながらも、涼子先輩が立ち上げた女子プロレスごっこ団体・おてんばプロレスで開花し、地元のプロレスファン(特にオッさん連中!)をとりこに。青春派プロレスノベル「おてんばプロレスの女神たち」のアナザーストーリー。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
【新訳】帝国の海~大日本帝国海軍よ、世界に平和をもたらせ!第一部
山本 双六
歴史・時代
たくさんの人が亡くなった太平洋戦争。では、もし日本が勝てば原爆が落とされず、何万人の人が助かったかもしれないそう思い執筆しました。(一部史実と異なることがあるためご了承ください)初投稿ということで俊也さんの『re:太平洋戦争・大東亜の旭日となれ』を参考にさせて頂きました。
これからどうかよろしくお願い致します!
ちなみに、作品の表紙は、AIで生成しております。
狩野岑信 元禄二刀流絵巻
仁獅寺永雪
歴史・時代
狩野岑信は、江戸中期の幕府御用絵師である。竹川町狩野家の次男に生まれながら、特に分家を許された上、父や兄を差し置いて江戸画壇の頂点となる狩野派総上席の地位を与えられた。さらに、狩野派最初の奥絵師ともなった。
特筆すべき代表作もないことから、従来、時の将軍に気に入られて出世しただけの男と見られてきた。
しかし、彼は、主君が将軍になったその年に死んでいるのである。これはどういうことなのか。
彼の特異な点は、「松本友盛」という主君から賜った別名(むしろ本名)があったことだ。この名前で、土圭之間詰め番士という武官職をも務めていた。
舞台は、赤穂事件のあった元禄時代、生類憐れみの令に支配された江戸の町。主人公は、様々な歴史上の事件や人物とも関りながら成長して行く。
これは、絵師と武士、二つの名前と二つの役職を持ち、張り巡らされた陰謀から主君を守り、遂に六代将軍に押し上げた謎の男・狩野岑信の一生を読み解く物語である。
投稿二作目、最後までお楽しみいただければ幸いです。

【完結】風天の虎 ――車丹波、北の関ヶ原
糸冬
歴史・時代
車丹波守斯忠。「猛虎」の諱で知られる戦国武将である。
慶長五年(一六〇〇年)二月、徳川家康が上杉征伐に向けて策動する中、斯忠は反徳川派の急先鋒として、主君・佐竹義宣から追放の憂き目に遭う。
しかし一念発起した斯忠は、異母弟にして養子の車善七郎と共に数百の手勢を集めて会津に乗り込み、上杉家の筆頭家老・直江兼続が指揮する「組外衆」に加わり働くことになる。
目指すは徳川家康の首級ただ一つ。
しかし、その思いとは裏腹に、最初に与えられた役目は神指城の普請場での土運びであった……。
その名と生き様から、「国民的映画の主人公のモデル」とも噂される男が身を投じた、「もう一つの関ヶ原」の物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる