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第六章 運命
第六章 運命 1
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◆琉球豆知識・陸「琉球人の名前」
かつての琉球人は老若男女を問わず、それぞれの出自や生業に応じて様々な名前や称号を用いていた。特に王族や士族の男子は、「唐名」と「大和名」という2つの名前を使い分けていた。
・童名
幼名であると同時に、成人後も家族や親しい間柄で通称として使用されることがある。先祖の名を継承する他、親族間での相談や占いなど、地域や家によって様々な名付け方が存在する。王族や士族の童名には、「真」「思」などの接頭美称や「金」などの接尾美称が付くこともあった。女性や平民の場合、異名や称号を使用しない限りは童名を生涯の名とした。
・唐名
中国風の名前であり、姓(氏)と諱から成る。王朝時代に公文書や中国との外交などに使用され、特に中国と縁の深い久米村士族は本名として使用することもあった。同じ姓を共有する血縁集団を門中と呼び、現在でも冠婚葬祭などは門中ごとに行われることが多い。
・大和名
日本風の名前であり、家名と位階、名乗から成る。本名として家譜に記載された他、王朝時代には日本との外交などにも使用された。
王族と上級士族は間切や村を領地として賜ると、その領地名を家名とした。出世などによって領地が変われば家名も変更されるため、同じ一族であっても世帯ごとに家名が異なる場合もある。
一般士族は領地を持たないため、名島と呼ばれる名目上の領地を賜って家名とした他、平民は家名を持たない代わりに居住地や職業にちなんだ屋号を名乗ることがあった。
名乗の頭文字は名乗頭と呼ばれ、男子が門中ごとに共通する名乗頭を継承する。例外として、久米村士族には名乗頭を継承する慣習が無く、世代や個人によって様々な名乗を称する。
※参考文献
・沖縄県姓氏家系大辞典編纂委員会編著『沖縄県姓氏家系大辞典(角川日本姓氏歴史人物大辞典47)』角川書店、平成4年
・東恩納寛惇著、琉球新報社編『東恩納寛惇全集6』第一書房、昭和54年
かつての琉球人は老若男女を問わず、それぞれの出自や生業に応じて様々な名前や称号を用いていた。特に王族や士族の男子は、「唐名」と「大和名」という2つの名前を使い分けていた。
・童名
幼名であると同時に、成人後も家族や親しい間柄で通称として使用されることがある。先祖の名を継承する他、親族間での相談や占いなど、地域や家によって様々な名付け方が存在する。王族や士族の童名には、「真」「思」などの接頭美称や「金」などの接尾美称が付くこともあった。女性や平民の場合、異名や称号を使用しない限りは童名を生涯の名とした。
・唐名
中国風の名前であり、姓(氏)と諱から成る。王朝時代に公文書や中国との外交などに使用され、特に中国と縁の深い久米村士族は本名として使用することもあった。同じ姓を共有する血縁集団を門中と呼び、現在でも冠婚葬祭などは門中ごとに行われることが多い。
・大和名
日本風の名前であり、家名と位階、名乗から成る。本名として家譜に記載された他、王朝時代には日本との外交などにも使用された。
王族と上級士族は間切や村を領地として賜ると、その領地名を家名とした。出世などによって領地が変われば家名も変更されるため、同じ一族であっても世帯ごとに家名が異なる場合もある。
一般士族は領地を持たないため、名島と呼ばれる名目上の領地を賜って家名とした他、平民は家名を持たない代わりに居住地や職業にちなんだ屋号を名乗ることがあった。
名乗の頭文字は名乗頭と呼ばれ、男子が門中ごとに共通する名乗頭を継承する。例外として、久米村士族には名乗頭を継承する慣習が無く、世代や個人によって様々な名乗を称する。
※参考文献
・沖縄県姓氏家系大辞典編纂委員会編著『沖縄県姓氏家系大辞典(角川日本姓氏歴史人物大辞典47)』角川書店、平成4年
・東恩納寛惇著、琉球新報社編『東恩納寛惇全集6』第一書房、昭和54年
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