KAKIDAMISHI -The Ultimate Karate Battle-

第五章 強者

第五章 強者 12

しばらくの後、守優たちは街外れの砂浜に立っていた。

守善と美嘉、清栄の前では、賢和と守優が対峙している。

「自己紹介がまだだったな。俺は花城はなしろ賢和。師は儀間筑登之親雲上長茂ちょうもだ」

「俺は新垣守優。師は父上、新垣筑登之親雲上守央だ」

守優が口元に不敵な笑みを浮かべる中、清栄と守善、美嘉の3人は小声で話をしていた。

「急な話で悪いな、守善。守央さんからも聞いてると思うが、賢和の兄貴がどうしても守優とカキダミシがしたいって聞かなくてよ」

「いえ、気にしないでください。守優も、賢和さんとカキダミシするのを楽しみにしてたみたいなので……」

「そうそう。守優もさっきから、ずーっとあの調子ですよ」

美嘉が呆れた表情を浮かべる中、賢和と守優は話を続ける。

「清栄から聞いたぜ。お前、なかなか強ぇらしいな。その実力とやら、見せてもらおうじゃねぇか」

「ヘヘッ、いいぜ！　こっちだって強ぇ奴と戦えるなら本望だ！」

守優がそう言うと、清栄は守優と賢和の側に立った。

「立会人は俺がやります。準備ができたら始めてください」

清栄が1歩後ろに下がると、守優と賢和はそれぞれ右足を1歩前に踏み出し、肩の高さに構えた互いの右前腕を合わせる。

「来いよ。こっちはいつでもいいぜ」

「ほう、この感触……かなりできるようだな。じゃあ、早速いくぜ！」

賢和は右手で守優の右手首を掴んで引き、守優の顔面目掛けて左正拳上段逆突きを繰り出した。

守優が左手で賢和の左拳を右へ受け流すと、2人は様々な軌道の突きや蹴りを繰り出し合いながら、互いの攻撃をそれぞれ腕や脚で受け流し、あるいは躱し合う。

賢和は左足を1歩前に踏み込むと、守優の右側頭部目掛けて右上段裏回し蹴りを繰り出した。

その瞬間、守優は右腕で賢和の蹴りを受け流すと、右掌底打ちを賢和の顔面に食らわせる。

賢和は後方へ弾き飛ばされると、地面を転がる勢いを利用して素早く立ち上がった。

（野郎、俺の蹴りを防ぎやがった。清栄に勝っただけのことはあるな。面白ぇ。だったら、“あれ”を使うとするか）

賢和が左足を1歩前に踏み出して夫婦手に構えると、守優は口元に不敵な笑みを浮かべた。

「へぇ～、なかなかやるじゃねぇか。じゃあ、次はこっちからいくぜ！」

守優が賢和に向かって突進すると、二人は様々な軌道の突きや蹴りを繰り出し合いながら、互いの攻撃をそれぞれ腕や脚で受け流し、あるいは躱し合う。

守優は左足を1歩前に踏み込むと、賢和の顔面目掛けて右正拳上段逆突きを繰り出した。