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第四章 求道
第四章 求道 37
しおりを挟むしばらくの後、狩場では男たちが薙刀や槍、六尺棒、和弓などを持ち、森の中で大きな猪を追いかけていた。
「そっちへ追い込め!」
「森の奥へ行かせるな! 回り込んで誘導しろ!」
男たちに追われて走る猪が森から草原へ飛び出すと、牧志と安里はそれぞれが乗る馬を走らせ、猪を追い始める。
2人はそれぞれ手にした和弓を引くと、猪に向かって矢を放った。
猪は2本の矢を体に突き立てられるが、怯むことなく全速力で走り続ける。
牧志と安里は騎馬空穂から矢を取り出し、和弓に番えた。
「むっ、急所を外したか?」
「ほう、なかなかしぶといな。だが、それでこそ大物。望むところよ!」
安里は口元に不敵な笑みを浮かべ、牧志と共に猪を追い続ける。
世璋と守央、康裕の3人は、そんな狩りの様子に目を向けながら草原に立っていた。
「結局、全員で一緒に狩りすることになっちまったけど、ホントにこれでよかったのか?」
「牧志親雲上の話によると一応問題はないみたいだが、王府が正しく手続きしたかわからない以上、事後報告が面倒なことになるのは避けられないらしい」
「役人共の怠慢は今に始まったことではないが、おかげでこちらは余計な争いをする羽目になったな。奴等の仕事ぶりがもう少しマシであれば、こんなことにはならずに済んだものを……」
康裕が両腕を組んでいると、突然遠く前方から牧志の声が聞こえてきた。
「お主たち、獲物が迫っておるぞ!」
牧志が叫ぶ中、猪は康裕たち目掛けて全速力で走って来る。
世璋は2本のトンファーを、守央は2本の釵をそれぞれ腰の後ろから引き抜いた。
「やべぇ、こっちに来やがった!」
「すごい速さだ! このままじゃこっちがやられる! とりあえず、一度ここから離れ――」
「そっちへ追い込め!」
「森の奥へ行かせるな! 回り込んで誘導しろ!」
男たちに追われて走る猪が森から草原へ飛び出すと、牧志と安里はそれぞれが乗る馬を走らせ、猪を追い始める。
2人はそれぞれ手にした和弓を引くと、猪に向かって矢を放った。
猪は2本の矢を体に突き立てられるが、怯むことなく全速力で走り続ける。
牧志と安里は騎馬空穂から矢を取り出し、和弓に番えた。
「むっ、急所を外したか?」
「ほう、なかなかしぶといな。だが、それでこそ大物。望むところよ!」
安里は口元に不敵な笑みを浮かべ、牧志と共に猪を追い続ける。
世璋と守央、康裕の3人は、そんな狩りの様子に目を向けながら草原に立っていた。
「結局、全員で一緒に狩りすることになっちまったけど、ホントにこれでよかったのか?」
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「役人共の怠慢は今に始まったことではないが、おかげでこちらは余計な争いをする羽目になったな。奴等の仕事ぶりがもう少しマシであれば、こんなことにはならずに済んだものを……」
康裕が両腕を組んでいると、突然遠く前方から牧志の声が聞こえてきた。
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