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第四章 求道
第四章 求道 35
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すると、そこへ中年の男が栗毛の馬に乗って現れた。
男は黒髪を頭頂部でカタカシラに結い、整えられた髭が印象的だった。雄黄色の足首丈の着物と同色の細帯、白い長ズボン状の琉球袴、騎射がけ、騎馬空穂を身に着け、左腰に薩摩拵えの打刀を天神差しして和弓を手にしている。刀は暗褐色の鞘に納められ、木瓜形の鍔が装着されていた。
「康裕!」
男は馬を走らせながら、康裕の所までやって来た。
「どうした? 何があった?」
「安里様、お下がりください。あの者たちが狩場を使わせろと言って聞かず、王府から許可を得たなどと世迷いごとを……」
康裕が構えたまま答えると、世璋は怒りを露にし、守央も真剣な表情を浮かべる。
「はあ!? 世迷いごとだと!? ふざけんな!」
「俺達は本当に王府から許可を得たんだ! 頼む、信じてくれ!」
守央と世璋の様子に目を向けながら、安里と呼ばれた中年の男は左手を顎に当てた。
「ふむ、どうもあの者たちが嘘をついているようには見えんな。これは至急、王府へ確認せねばなるまい。康裕、私と共に一度戻るぞ。すぐに首里へ使者を飛ばそう」
「しかし……」
康裕がそう言うと、今度はそこへ牧志が白馬に乗って現れた。
「おーい、守央! 世璋!」
牧志は馬を走らせながら、守央と世璋の所にやって来る。
「なかなか戻らんから心配しとったぞ」
「牧志親雲上!」
「牧志の旦那、みんなを呼んできてくれ! あいつが俺たちに難癖つけてきやがるせいで、いつまで経ってもここが使えねぇんだ!」
世璋が康裕を睨み付けると、牧志は安里の存在に気づいた。
「おや? 安里殿ではござらぬか。久し振りじゃのう」
「これはこれは牧志殿、お久し振りでございます。まさか、こんな所でお会いするとは……」
安里が嬉々とした表情を浮かべると、守央と世璋は牧志の方を振り向く。
男は黒髪を頭頂部でカタカシラに結い、整えられた髭が印象的だった。雄黄色の足首丈の着物と同色の細帯、白い長ズボン状の琉球袴、騎射がけ、騎馬空穂を身に着け、左腰に薩摩拵えの打刀を天神差しして和弓を手にしている。刀は暗褐色の鞘に納められ、木瓜形の鍔が装着されていた。
「康裕!」
男は馬を走らせながら、康裕の所までやって来た。
「どうした? 何があった?」
「安里様、お下がりください。あの者たちが狩場を使わせろと言って聞かず、王府から許可を得たなどと世迷いごとを……」
康裕が構えたまま答えると、世璋は怒りを露にし、守央も真剣な表情を浮かべる。
「はあ!? 世迷いごとだと!? ふざけんな!」
「俺達は本当に王府から許可を得たんだ! 頼む、信じてくれ!」
守央と世璋の様子に目を向けながら、安里と呼ばれた中年の男は左手を顎に当てた。
「ふむ、どうもあの者たちが嘘をついているようには見えんな。これは至急、王府へ確認せねばなるまい。康裕、私と共に一度戻るぞ。すぐに首里へ使者を飛ばそう」
「しかし……」
康裕がそう言うと、今度はそこへ牧志が白馬に乗って現れた。
「おーい、守央! 世璋!」
牧志は馬を走らせながら、守央と世璋の所にやって来る。
「なかなか戻らんから心配しとったぞ」
「牧志親雲上!」
「牧志の旦那、みんなを呼んできてくれ! あいつが俺たちに難癖つけてきやがるせいで、いつまで経ってもここが使えねぇんだ!」
世璋が康裕を睨み付けると、牧志は安里の存在に気づいた。
「おや? 安里殿ではござらぬか。久し振りじゃのう」
「これはこれは牧志殿、お久し振りでございます。まさか、こんな所でお会いするとは……」
安里が嬉々とした表情を浮かべると、守央と世璋は牧志の方を振り向く。
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