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第四章 求道

第四章 求道 35

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「出来ればこういう事態は避けたかったんだがな」

守央が左足を1歩前に踏み出して夫婦手に構えると、世璋は険しい表情を見せた。

「さあ、今度はこっちの番だぜ! 守央、俺の動きに合わせろ!」

「わかった!」

守央と世璋が康裕へ向かって同時に襲い掛かると、世璋は康裕目掛けて様々な軌道を描くようにトンファーを振り回した。

康裕は刀で世璋の攻撃を防ぎ、あるいはかわしながら徐々に後ろへ下がっていく。

世璋は右足を1歩前に踏み込むと、右手に握ったトンファーを康裕目掛けて袈裟に振り下ろした。

すると、康裕は刀でトンファーを受け止めながら左足を1歩前に踏み込み、柄頭を世璋の顔面に打ちつける。

世璋が倒れると、守央は康裕目掛けて様々な軌道を描くように釵を振り回した。

康裕は刀で守央の攻撃を防ぎ、あるいはかわしながら徐々に後ろへ下がっていく。

守央は右足を1歩前に踏み込み、右手に握った釵を康裕目掛けて裏袈裟に振り下ろした。

その瞬間、康裕は刀で釵を受け止めると、右足を1歩前に踏み込みながら刀で釵を下へ押さえ込む。

守央がよろめくと、さらに康裕は守央目掛けて様々な軌道を描くように斬撃や突きを連続で繰り出した。

守央は体勢を立て直しながら釵で康裕の攻撃を受け流し、あるいはかわしながら徐々に後ろへ下がっていく。

康裕は左足を1歩前に踏み込むと、守央目掛けて真上から刀を振り下ろした。

守央が2本の釵を交差させて刀を受け止めると、康裕はすかさず右足を1歩前に踏み込み、右肩からの体当たりを守央に食らわせる。

守央が後方へ弾き飛ばされて倒れると、世璋は右手に握ったトンファーを康裕目掛けて袈裟に振り下ろした。
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