KAKIDAMISHI -The Ultimate Karate Battle-

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第四章 求道

第四章 求道 32

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守央と世璋に声を掛けられると、康裕は2人の方を振り向いて眉をひそめた。

「ここを使うだと? そんな話は聞いていない。ここは今から我々が使う予定の狩場だ。王府からも許可は得ている。どうしてもと言うのなら、王府に確認を取ったらどうだ?」

康裕がそう言うと、世璋と守央は慌てて反論する。

「はぁ!? ちょっと待て! ここの使用許可を王府からもらったのは俺たちだぞ!? なんでお前らが許可取ったことになってんだ!?」

「俺たちが王府から許可をもらったのは本当だ。間切や村の役人にも通達してある。そっちが王府から許可を得たというのは、何かの間違いじゃないのか?」

「それはこちらの台詞だ。王府が1つの狩場に関して、許可を重複して出すなど考えられん。お前たちこそ話を偽っているんじゃないのか?」

康裕が冷静に反論すると、世璋は憤りを露わにして康裕に詰め寄った。

「なんだと!? 俺たちが噓ついてるって言いてぇのか!?」

「それ以外に何がある? 我々が王府からこの狩場の使用許可を得たのは事実だ。お前たちが俺を欺いていないと言うのなら、ほかにこの状況をどう説明する?」

「てめぇ……!」

世璋は左手で康裕の胸倉を掴み上げる。

「それ以上俺たちを噓つき呼ばわりするってんなら、こっちだって言わせてもらうぜ? てめぇこそ腰にそんな刀差して、1人でここに突っ立ってるなんて普通じゃねぇよなぁ? けど、てめぇが薩摩人なんだったら話は別だ。琉球人のふりして俺たちを監視しに来たんだろ? 『王府から狩猟の許可をもらった』なんて下らねぇ噓ついてなぁ?」

世璋が康裕を睨み付けると、守央は慌てて世璋をたしなめた。

「おい、世璋。少し落ち着け。いくらなんでも、話が飛躍し過ぎてるぞ」

「何言ってんだ、守央! お前もさっき言ってたじゃねぇか! こいつが薩摩人かもしれねぇって! お前の推測は正しかったんだ! こいつはやっぱり、俺たちを監視しに来た薩摩の野郎だ!」

一方、康裕は冷静な様子のまま世璋と口論を続ける。

「いったいなんの話だ? 俺は薩摩の人間じゃない。さっさとこの手を放せ。さもなくば敵対行為とみなす」

「ほら見ろ、話をはぐらかしやがった。図星なんだろ? こっちもここに着いた時から、てめぇが怪しいってわかってたんだ。いいか? よく聞け。俺たちはてめぇに監視される筋合いなんかねぇ。俺たちには、誰にも邪魔されずにこの狩場を使う権利があるんだ。わかったらさっさと俺たちの前から消え失せろ、この薩摩野郎!」

「フン、やはり聞く耳は持っていないようだな。ならば、仕方がない。警告はしたぞ?」

康裕は左手の親指を刀の鍔に掛け、鯉口を切った。
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