KAKIDAMISHI -The Ultimate Karate Battle-

第四章 求道

第四章 求道 16

「気をつけろ！　相手が子どもだからって、油断すんなよ！」

「今さら何ビビってんだ！　こっちには武器があるんだ！　こんな丸腰のガキ1人、10秒もかけずにぶっ殺してやるよ！　死ねぇええっ！！　くそガキがぁあああっ！！」

盗賊たちが守優へ向かって一斉に襲い掛かると、守優は盗賊たちの攻撃を腕や脚で受け流し、あるいは躱しながら、様々な軌道を描く突きや蹴り、多彩な投げ技や関節技を繰り出し、次々と盗賊たちを倒し始める。

群衆が守優の様子を見て驚く中、美嘉は慌てて守優に声を掛けた。

「ちょ……ちょっと、守優！　何やってるのよ！？　そんなことしたら余計に――！」

美嘉がそう言い欠けると、守善は冷や汗を浮かべながら美嘉の言葉を遮る。

「いや。もうこうなった以上、ほかに手段はなさそうだ。美嘉、僕らも輸送隊の護衛に加勢しよう」

「けど、守善様！　先に警察呼びに行かなくていいんですか！？」

「それだと時間がかかり過ぎて、これ以上被害が大きくなるかもしれない。万が一、街の人達まで巻き添えになったら大変だ。そうなる前に早く盗賊達を制圧しないと……」

「わ、わかりました！」

美嘉と守善は野次馬の最前列から飛び出し、盗賊たちへ向かって走り出した。

一方、守優と盗賊たちの間では激しい戦いが続いていた。

盗賊の1人は右足を1歩前に踏み込み、守優目掛けて打刀を袈裟に振り下ろす。

守優は左手で盗賊の右手を斜め左上へ受け流しながら掴むと、右中段裏突きを盗賊の腹に食らわせ、さらに右上段回し突きを盗賊の左側頭部に食らわせた。

盗賊が倒れると、今度は別の盗賊が右足を1歩前に踏み込み、守優の腹目掛けて六尺棒を突き出す。