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第四章 求道
第四章 求道 8
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しばらくの後、守優と美嘉、守善の3人は、それぞれ風呂敷を背負い、人通りの少ない住宅街の道を歩いていた。
「はぁ~あ、こうして私塾に行くだけで1日が過ぎてくってのも、なんか面白くねぇよな~」
「さっきはやる気満々で勉強してたくせに……」
「けど、人の心も時と場合に応じて変化していくものなんじゃないかな。般若心経にも書いてあるとおり、こだわりを捨てるのは世の中を楽に生きるための知恵だよ」
守善がそう言うと、守優は美嘉の方を振り向き、得意げな笑みを見せる。
「そうそう、兄上の言うとおりだぜ。これがいわゆる“空”ってやつさ」
「あんた本当は全然わかってないでしょ。そういえば、今日は康正が私塾に来てなかったけど、何かあったのかな?」
「また日雇いの仕事でもしてんじゃねぇか? あいつ、昔からいろんな仕事してるよな。薪売りとか、茶葉の売り歩きとか、船便の荷揚げとか……」
守優が指折り数えていると、守善は少し表情を曇らせた。
「けど、確かに康正のことは心配だね。明日も私塾に来てなかったら、寛惇先生に聞いてみようか」
守善達が十字路に差し掛かると、突然右折した先の道から声が掛かった。
「お~い、守優! 守善さん! 美嘉!」
そう呼ばれた美嘉たちが立ち止まって右を振り向くと、少年が3頭の馬と共に道端に立ち、美嘉たちに向かって手を振っていた。
少年は長い黒髪を後頭部で一つにまとめて垂らし、大きな四白眼と少し小柄な体格が明朗な雰囲気を感じさせ、緑色の上衣と同色の細帯、白い長ズボン状の琉球袴を身に着けている。
「私塾から帰るとこか~!?」
少年が口元に笑みを浮かべると、守優と守善、美嘉の3人は少年の所へやって来た。
「はぁ~あ、こうして私塾に行くだけで1日が過ぎてくってのも、なんか面白くねぇよな~」
「さっきはやる気満々で勉強してたくせに……」
「けど、人の心も時と場合に応じて変化していくものなんじゃないかな。般若心経にも書いてあるとおり、こだわりを捨てるのは世の中を楽に生きるための知恵だよ」
守善がそう言うと、守優は美嘉の方を振り向き、得意げな笑みを見せる。
「そうそう、兄上の言うとおりだぜ。これがいわゆる“空”ってやつさ」
「あんた本当は全然わかってないでしょ。そういえば、今日は康正が私塾に来てなかったけど、何かあったのかな?」
「また日雇いの仕事でもしてんじゃねぇか? あいつ、昔からいろんな仕事してるよな。薪売りとか、茶葉の売り歩きとか、船便の荷揚げとか……」
守優が指折り数えていると、守善は少し表情を曇らせた。
「けど、確かに康正のことは心配だね。明日も私塾に来てなかったら、寛惇先生に聞いてみようか」
守善達が十字路に差し掛かると、突然右折した先の道から声が掛かった。
「お~い、守優! 守善さん! 美嘉!」
そう呼ばれた美嘉たちが立ち止まって右を振り向くと、少年が3頭の馬と共に道端に立ち、美嘉たちに向かって手を振っていた。
少年は長い黒髪を後頭部で一つにまとめて垂らし、大きな四白眼と少し小柄な体格が明朗な雰囲気を感じさせ、緑色の上衣と同色の細帯、白い長ズボン状の琉球袴を身に着けている。
「私塾から帰るとこか~!?」
少年が口元に笑みを浮かべると、守優と守善、美嘉の3人は少年の所へやって来た。
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