KAKIDAMISHI -The Ultimate Karate Battle-

第三章 真意 後篇

第三章 真意 後篇 24

同時刻、首里・山川村――

善良の自宅の庭では、真加がナイファンチの型を稽古していた。

善良が縁側に腰掛けて見守る中、真加は両足を左右へ肩幅に開き、体捌きを呼吸と一致させながら左右の上段背刀打ちや肘打ち、下段払い、中段鉤突き、外受け、裏拳上段打ち、諸手突きなどを放っていく。

そして、真加は型の最終動作として両足を閉じると、顔を正面に向けながら両手を腰帯の高さで交差させた。

真加が自然な立ち方に戻ると、善良は縁側から立ち上がった。

「よし。いいぞ、真加。かなりうまくなったな。いつも言っているように、このナイファンチの型は首里手の基本中の基本だ。ティーはナイファンチに始まり、ナイファンチに終わると言っても過言じゃない。これからも、しっかり練習していくように。次は、ナイファンチの変手をしよう」

善良は実際に動作を交えながら説明を続ける。

「まずは、序盤の動作を応用した組手だ。相手が上段に右拳を突いてきたら、右手で受け流して掴みながら、1歩前に出て相手の脇腹を左肘で打つ。ここまでやってみよう。型の動きを意識しながら練習するんだ。いいかい？」

「はい！」

「よし。じゃあ、いくぞ」

善良は真加と対峙して右足を1歩後ろに下げると、左拳を右肩口から左腰の前へ振り払い、右拳を引いて構えた。

真加は足を左右へ肩幅に開き、両拳を自然に下ろして構える。

善良は右足を1歩前に踏み込むと、真加の顔面目掛けて右上段追い突きを繰り出した。

真加は左足を1歩後ろに引くと、右手で善良の右拳を右へ受け流しながら掴み、左足を1歩前に踏み込んで左中段肘打ちを善良の右脇腹に食らわせる。

善良は右足を1歩後ろに下げ、真加から間合いを取りながら再び両拳を構えた。

「いいぞ、その調子だ。続けて何度かやってみよう。もう一度構えて」

「はい！」

真加も再び構え、善良との変手を再開する。

青空の下、真加と善良は何度も同じ動作で変手を繰り返し、ますます稽古に熱を入れていった。