KAKIDAMISHI -The Ultimate Karate Battle-

ジェド

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第三章 真意 後篇

第三章 真意 後篇 11

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「ここを去るからには、沈黙は守ってもらわねぇと困る。それを今ここで誓えるなら、さっきも言った通りなるべく早く辞めさせてやってもいい。だが、俺たちのことをサツにチクるってんなら話は別だ。俺は頭領として、村上商会を守らなきゃならねぇ。誰にも喋るな。サツは当然だが、親しい人間や家族にもだ。もし誓えないなら、今この場でお前を始末してやる」

村上が真加に向かって右手で拳銃を構えると、真加は上体を起こした。

「理由はどうあれ、松浦商会を乗っ取るつもりであることに変わりはないってわけね。最初は本当に仲間の仇討ちが目的だったのかもしれないけど、今はやり過ぎよ。やっぱり、あなたの言うことには従えないわ」

「ほう、そうか。なら、もう話は終わりだ。お前のような腕のいい用心棒を失うのは非常に残念だが、もうこうなった以上は致し方ない。大人しくここで死ね!」

村上は口元に不気味な笑みを浮かべると、右人差し指で拳銃の引き金を引こうとする。

その瞬間、真加は素早く立ち上がりながら、右腕で村上の右手を右上へ弾き飛ばし、銃口を天井へと逸らした。

拳銃から1発の弾丸が発射されると、村上はハッと目を見開く。

(なっ……!?)

さらに、真加は右手で村上の右手首を掴むと、すかさず村上の左側頭部に右上段回し蹴りを食らわせた。

村上が倒れると、真加は急いで部屋から廊下へ飛び出し、土間で素早く草鞋を履く。

真加は町屋の玄関の引き戸を開けると、目の前を横切る道を右へ曲がって走り出した。

(急がなきゃ……私のせいで傷付いた人たちや、迷惑かけちゃった人たちのためにも……! 先生、ごめんなさい。でも、わたし……最後にちゃんと自分でけじめつけますから……!)

真加が道の彼方へと全速力で走り去っていく中、村上商会の町屋では3人の男たちが廊下を歩いていた。

「村上さん、さっきなんか大きな音がしてましたけど、何かあったんで――」

男の1人はそう言い欠けると、襖が開いた部屋の中で倒れている村上を見つけた。

「む、村上さん!?」

「どうしたんですか!?」

「しっかりしてくれ、村上の兄貴!」

3人の男たちが村上に駆け寄ってしゃがむと、村上は顔をしかめながら上体を起こす。

「あ、あの小娘が逃げやがった。すぐに探せ」

『へ、へい!』

3人の男たちが急いで部屋から出ていくと、村上は側に落ちていた拳銃を右手で拾い上げた。

「くそっ、ふざけやがって……必ず見つけ出して、この手で始末してやる!」

村上は憎悪に満ちた険しい表情を浮かべ、力を振り絞って立ち上がった。
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