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第三章 真意 後篇
第三章 真意 後篇 4
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西村――
港の物揚場では、男たちが伝馬船から次々と木箱を荷揚げし、上屋へ運び込んでいた。
男たちは様々な色の着物と細帯を身に着けている。
「おい、もたもたすんなよ!? 次の客が控えてんだ! 早くしねぇと日が暮れちまうぞ!」
「割れ物は慎重に扱えよ!? 商品が駄目になったら、弁償代が俺らの給料から差っ引かれるんだからな!」
そんな中、若い男が物揚場で木箱を持ち上げていると、そこへ光永が守央と世璋を連れて現れた。
「失礼、ちょっと話を聞きたいんだが……」
「あ?」
男は光永たちの方を振り向くと、木箱を地面に置いていぶかしげな眼差しを見せる。
「なんだ、あんたら? こっちは忙しいんだよ。用があるなら後にしてくんねぇか?」
「時間は取らせない。手短な質問だ。松浦義忠の居場所を教えてくれ」
「松浦? 誰だよ、そいつ? なんのことかよくわかんねぇけど、人探しならほかあたってくれや」
男が再び木箱に手を伸ばそうとすると、世璋と守央は男に迫った。
「おっと、待ちな。わりぃがそうはいかねぇよ」
「お前ら村上商会には、松浦たち4人を拉致した嫌疑がかかってる。現場不在証明ができないなら、正直に知ってることを話した方がいい」
「な……なんだよ、そりゃ? あんたら、お巡りか? 大体、なんで俺たちが村上商会だって知ってんだ?」
男が額に冷や汗を浮かべると、光永は男と話を続ける。
「残念ながら警察ではない。我々は依頼を受けて、お前たちの行動を調査していた。だが、昨日事態が急変したゆえ、こうして直接聞きにきたというわけだ」
「た、探偵か!? くそっ……!」
若い男が後退ると、他の男たちも作業を中断し、光永たちの周りに集まってきた。
「なんだなんだ?」
「どうかしたのか?」
男達がざわざわと騒ぎ始める中、光永は構わず若い男と話を続ける。
「さあ、答えてもらおう。もう一度聞くが、松浦たちをどこへ拉致した?」
「だ……だから、知らねぇって!」
若い男が怒りを露にすると、周りを囲む男たちの中から一際大きな体格の男たちが3人現れた。
「おう、なんだ? 揉めごとか?」
「随分と騒がしくしてるじゃねぇか」
「用がねぇんならとっとと失せろや、てめぇら。仕事の邪魔なんだよ」
3人の男たちが光永と守央、世璋の3人にそれぞれ詰め寄ると、光永は冷静な様子で男の1人と話し始める。
「用件ならある。我々は話を聞きに来た。松浦たちがどこにいるのか教えてくれ」
「松浦? ああ。昔俺たちの船を襲ってきた、あのくそ野郎共か。悪いが、俺たちも奴等がどこにいるかまでは知らねぇな」
港の物揚場では、男たちが伝馬船から次々と木箱を荷揚げし、上屋へ運び込んでいた。
男たちは様々な色の着物と細帯を身に着けている。
「おい、もたもたすんなよ!? 次の客が控えてんだ! 早くしねぇと日が暮れちまうぞ!」
「割れ物は慎重に扱えよ!? 商品が駄目になったら、弁償代が俺らの給料から差っ引かれるんだからな!」
そんな中、若い男が物揚場で木箱を持ち上げていると、そこへ光永が守央と世璋を連れて現れた。
「失礼、ちょっと話を聞きたいんだが……」
「あ?」
男は光永たちの方を振り向くと、木箱を地面に置いていぶかしげな眼差しを見せる。
「なんだ、あんたら? こっちは忙しいんだよ。用があるなら後にしてくんねぇか?」
「時間は取らせない。手短な質問だ。松浦義忠の居場所を教えてくれ」
「松浦? 誰だよ、そいつ? なんのことかよくわかんねぇけど、人探しならほかあたってくれや」
男が再び木箱に手を伸ばそうとすると、世璋と守央は男に迫った。
「おっと、待ちな。わりぃがそうはいかねぇよ」
「お前ら村上商会には、松浦たち4人を拉致した嫌疑がかかってる。現場不在証明ができないなら、正直に知ってることを話した方がいい」
「な……なんだよ、そりゃ? あんたら、お巡りか? 大体、なんで俺たちが村上商会だって知ってんだ?」
男が額に冷や汗を浮かべると、光永は男と話を続ける。
「残念ながら警察ではない。我々は依頼を受けて、お前たちの行動を調査していた。だが、昨日事態が急変したゆえ、こうして直接聞きにきたというわけだ」
「た、探偵か!? くそっ……!」
若い男が後退ると、他の男たちも作業を中断し、光永たちの周りに集まってきた。
「なんだなんだ?」
「どうかしたのか?」
男達がざわざわと騒ぎ始める中、光永は構わず若い男と話を続ける。
「さあ、答えてもらおう。もう一度聞くが、松浦たちをどこへ拉致した?」
「だ……だから、知らねぇって!」
若い男が怒りを露にすると、周りを囲む男たちの中から一際大きな体格の男たちが3人現れた。
「おう、なんだ? 揉めごとか?」
「随分と騒がしくしてるじゃねぇか」
「用がねぇんならとっとと失せろや、てめぇら。仕事の邪魔なんだよ」
3人の男たちが光永と守央、世璋の3人にそれぞれ詰め寄ると、光永は冷静な様子で男の1人と話し始める。
「用件ならある。我々は話を聞きに来た。松浦たちがどこにいるのか教えてくれ」
「松浦? ああ。昔俺たちの船を襲ってきた、あのくそ野郎共か。悪いが、俺たちも奴等がどこにいるかまでは知らねぇな」
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